「もう不要」と言われたイヤホンジャック。Xperiaが残し続ける本当の理由

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 ワイヤレスイヤホンが主流となった現在、スマートフォンからイヤホンジャックが消えて久しい。しかしその流れの中でも、ソニーのXperiaシリーズは3.5mmイヤホンジャックを搭載し続けている。

 ソニーが有線イヤホンをほとんど展開していないこともあり、一見「時代遅れ」と見られることもある仕様だが、実際に使ってみると、単なる懐古的な装備ではなく、今でも明確な価値があると感じた。

目次

スマホにイヤホンジャックがあることのメリット

 まず、イヤホンジャックの存在は、音質にこだわる人にとって扱いやすいことが大きなメリットだ。ワイヤレスイヤホンは近年大きく進化し、LDACなどの高音質コーデックも普及してきた。それでも圧縮伝送である以上、有線接続の安定性や情報量に及ばない場面はある。

 解像感や微細な音のニュアンスを重視する人にとって、有線イヤホンを直接挿せるという選択肢は、依然として魅力的だ。特にソニーのようにウォークマンのリソースを活かすような強みがある機種なら、なおのこと生きてくる。

 そして見逃せないのが、イヤホンジャックが「沼の入り口」になり得る点だ。最初は手持ちのイヤホンを挿すだけだったはずが、より良い音を求めてイヤホンを買い替え、ケーブルを変え、気が付けばオーディオの世界に踏み込んでいく。ワイヤレスでは完結しがちな体験と違い、有線環境には機材を選ぶ楽しさがある。

 日本向けのスマホの中では、Xperiaがその入り口をスマートフォン側に残している数少ない存在と言えるだろう。

イヤホンジャックを備えるXperia

 Xperiaはソフトウェア面もアピールしており、特にウォークマンの高音質化機能で著名なDSEEを進化させた「DSEE Ultimate」を採用。圧縮された音源でもハイレゾ相当にアップスケールする機能で、ストリーミング再生やYoutube などの音源にも使用することができる。

 音楽プレイヤーのように「常に高音質なファイル」を入れておくわけでもなく、様々な音源ソースを再生することになるスマートフォン。そのような環境で高音質再生をアプローチするにはぴったりな機能なのだ。

 この他の利点として見逃せないのが、遅延の少なさだ。Bluetooth接続にはどうしても遅延が伴うため、動画視聴などのズレが気になる場面がある。近年のワイヤレスイヤホンはかなり低遅延で伝送できるものの、瞬時の判断が問われるFPSやタイミングがシビアなリズムゲームでは不利になる。

 有線接続であれば遅延はほぼ気にならず、ゲーム用途では明確な強みになる。スマートフォンでゲームを楽しむ人にとって、これは意外と大きなメリットだ。実はXperiaに限らずゲームに特化した機種はハイエンドでもイヤホンジャックをしっかり備えている。

スマホのイヤホンジャックの代わりとして、USB DACは全ての需要を担いきれない

 ここで「イヤホンジャックがなくてもUSB DACを使えばいい」という意見もあるが、この方法にはいくつか注意点がある。USB DACはUSB機器として認識される都合上、端末との相性問題が起きることがあり、DACによってはドライバの挙動や給電量の違いで動作が不安定になるケースもある。

 特に音質重視のモデルは消費電力の面でも、スマートフォンのバッテリーを想定以上に消費することがある。本体にUSBケーブルで接続することになるので、見た目もスマートではなくなることもしばしば。


 その点、イヤホンジャックは挿すだけで確実に動作する。特別な設定も不要で、アプリやOSの仕様変更にも影響されにくい。「確実に使える」という安心感は、長く使うほど実感が増す部分だ。また、USB-Cポートを塞がないため充電しながら使えるという点も、長時間の利用では地味に効いてくる。

廉価なものならダイソーでも買える
筆者もお気に入りでよく使っているiBasso Audio Nunchaku。真空管を備える独自の構成だが、iPhone 17シリーズや一部のAndroid端末でうまく動作しないことを確認している

スマホのイヤホンジャックはオーディオ体験、ゲーム体験を高めるために残るか

 ワイヤレスイヤホン全盛の時代にあって、スマホのイヤホンジャックは確かに少数派の装備になっまた。特に10万円を超えるハイエンド機では片手で数えるくらいしか機種が出ないくらいの希少種だ。しかし、音質を重視する人、ゲームで遅延を嫌う人、あるいはオーディオの世界に踏み込み始めた人にとって、その価値は決して小さくない。

 日本で著名なXperiaがイヤホンジャックを残し続けている理由は単なるこだわりではなく、そうした体験を重視するユーザーが確かに存在するからだろう。

 「便利さ」だけでは語れない「音を楽しむ」という文化を、スマートフォンの中に残していること。それこそがXperiaの個性の一つではないだろうか。

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