日本でも発売され、話題を集めたOPPOのハイエンドスマホ「Find X8」。ハッセルブラッドチューニングのカメラに大容量バッテリーを備えるスマホだが、カメラ、バッテリー性能ともに上回る最上機種というものが存在する。今回は1型センサー搭載ハイエンドスマホのニューフェイス。OPPO Find X8 Ultraを半年使ったレビューといきましょう。
OPPO流のカメラ特化スマートフォン。OPPO Find X8 Ultra
カメラ特化のスマートフォンの進化は留まるところを知らない。OPPOからは満を持してカメラハードウェアを大幅強化したハイエンドスマートフォン「Find X8 Ultra」が登場した。


今回はホワイト系のカラーをチョイス。前作はガラスとレザー調のハイブリットだったが、今作はガラス筐体となった。指紋も目立ちにくく、高級感も備えるデザインを採用した。

さらに進化したカメラ性能。圧巻の写りを見せるOPPO Find X8 Ultra
ダブルペリスコープ望遠などのハードウェアを売りとしているOPPO Find X8 Ultraのカメラは4眼構成。35㎜換算で14㎜の超広角、23mmの標準、70mmと135mmの望遠。全て5000万画素となっている。
メインカメラにはソニーの1型イメージセンサー「LYTIA LYT900」を採用。フラグシップらしい表現力を生み出す高い性能を持つ。3倍望遠にはFind X7 Ultra同様に大型のイメージセンサーを採用。1/1.56型と大型でROG Phone 9などのメインカメラでも使用されるものと同じ。それを望遠カメラで使うのだから贅沢だ。
もうひとつの望遠カメラとなる6倍望遠には1/2型のイメージセンサーを採用。こちらも高性能だ。超広角カメラや望遠カメラの基本性能も高い。今回は色表現を高めるためにスペクトルカメラも採用されている。

加えてFind X8シリーズのカメラチューニングは、Find X7シリーズに引き続きハッセルブラッドが監修している。Hyper Toneという新しい処理アルゴリズムも採用され、従来よりも滑らかかつ、自然な表現ができるようになったという。
OPPO Find X8 Ultraでの作例は以下のようになる。デフォルトのクォーターマークに画角が表示されるのでそちらを参考にしてほしい。






OPPO Find X8 Ultraでは比較的自然な色調、質感の絵が出る印象だ。一般的な彩度を盛って鮮やかさを演出するチューニングとは異なる印象だ。ハードウェア的にはスペクトルカメラを備えたことで、色味の際現に優れているものと思われる。
メインカメラは1型センサーを採用しているだけあって、ボケの表現などが豊かな印象。これは良くも悪くも取ることができる。また、最短撮影距離はどうしても長めになるので、メインカメラでは「寄れない」印象は否めない。





OPPO Find X8 Ultraの夜景モードは強力。どちらかと言うと、HDRを効かせて明るくはっきりと浮かび上がらせるチューニングとなっており、メリハリのある作例となる。前作同様に手持ちでもサクサク撮影できる点はこの機種の特徴ともいえるポイントだ。三脚検知モードも備え、ある程度長時間の露光も可能になっている。
さて、OPPO Find X8 Ultra最大の特徴が70mm相当の望遠カメラだ。レンズのf値がペリスコープ方式ながらf2.1と明るいことに加え、1/1.56型の大型センサーを搭載。最短撮影距離が約10cmとこちらはかなり寄れるカメラに仕上がった。





評価の高かった寄れる望遠カメラを引き続き備える。センサーサイズが大型なこともあり、暗い場面でもきれいに撮影できる。料理の写真はこのカメラで撮影するとよさそうだ。








第2の望遠カメラは換算135mmの6倍望遠。遠くのものを写すには便利。動き物にも比較的強く、飛行機などの撮影もできる。望遠カメラはいずれも5000万画素のものを採用するため、3〜6倍の中間倍率、6倍以降でも綺麗に撮影が可能だ。最大倍率は120倍となるが、実用に耐えうる範囲は20倍だが、条件によっては30倍もスマホで見るには十分。


超広角カメラも見事。OPPOのハイエンド機では、超広角カメラの性能を重視しており、この機種も例に漏れない形となっている。明るいところはもちろん、夜景などの場面では他社の機種と比較してもかなり綺麗に撮影できる。
余談だが、OPPO Find X8 Ultraでは端末の透かしを画像センターに配置することができる。構図がキマるといい感じの1枚に昇華できる。


動画撮影については、強力な手ぶれ補正によって快適な撮影が可能。今作はiPhoneのようなカメラボタンも備えており、撮影中でも望遠カメラにスムーズに切り替えられるなど、iPhoneに近い感覚の撮影ができる。

OPPO Find X8 Ultraは綺麗に撮れる広角カメラ、暗いところでも扱いやすい望遠カメラを備えることで、スマートフォンの撮影体験をより良いものにすることを可能にした。そのようなところに力を入れることで、同じくカメラ性能をアピールしているvivo X200 Ultra、Xiaomi 15 Ultraとは明確に差別化を図っていることがわかる。

カメラだけじゃない。全方位に進化したフラッグシップスマホ OPPO Find X8 Ultra
OPPO Find X8 Ultraに関しては1型の大型センサー搭載のカメラやテレマクロ性能に注目が行きがちだが、画面性能なども大きく評価したい。ざっとスペックを書くとこんなところだ
SoC:Qualcomm Snapdragon 8 Elite
メモリ:12/16GB
ストレージ:256/512GB
画面:6.82型 2168×1440ドット AMOLED
カメラ
リアカメラ
標準:5000万画素 f1.9 1型センサー
超広角:5000万画素 f2.2
望遠:5000万画素 f2.1
望遠:5000万画素 f3.1
フロント:3200万画素
バッテリー:6100mA/h
100W充電 無接点充電対応
OS:ColorOS 15(Android 15)
画面はOPPOのハイエンド機らしく、AMOLEDパネルを採用。前作のOPPO Find X7 Ultraと比較して、より自然な色が表現できるようになった点は大きく評価したい。
画面は6.82型と大型な部類。発色のよいAMOLEDパネルを搭載し、画面解像度は2168×1440ドット。評価機関のDisplayMateでは最高評価A+を獲得するなど、色表現をはじめとした要素もかなり強い。画面輝度はHBMで1600ニト、ピーク時で2500ニトとかなり高く、屋外での視認性も向上した。

プロセッサはSnapdragon 8 Eliteを採用。搭載メモリは12または16GBと必要十分。 冷却性能も大容積の冷却機構を搭載しており、プロセッサーとの組み合わせもあってか長時間のゲームも問題なく遊ぶことができた。ストレージもUFS4.0規格の高速なものが採用されている。省電力ながら高速の伝送が可能になっており、仮想メモリ等を利用してもパフォーマンスの低下を抑えられていると言う。
OPPO Find X8 Ultraを使ってみると、ハイエンド機というのもあって動作にストレスは感じない。Snapdragon 8 Eliteはかなり優秀なチップセットなのか、単純な発熱もかなり抑えられているように感じた。原神のような高負荷なコンテンツを1時間ほどぶっ通しでプレイしても、発熱で「熱い」と感じることは少ない印象だ。
本体スピーカーの音は前作に比べてかなり向上した印象。独自チューニングのスピーカーだが、筐体の箱鳴りは抑えられているように感じた。


OPPOのFindシリーズながら、OnePlus端末のようなアラートスライダーも備える。こちらはアクションボタンに進化し、iPhoneのように様々な操作に割り当てができるようになった。

加えて、100Wの高速充電にも対応。ワイヤレス充電のほか、端末から無接点充電可能なリバースチャージにも対応。バッテリー持ちについては6100mAhと大容量のバッテリーを採用しているため、Find X7 Ultraからは体感的にも大きく向上している。

カメラもスマホとしても妥協なし!のOPPO Find X8 Ultraは写真を撮るのがさらに楽しくなる
OPPO Find X8 Ultraのカメラに関しては、前作のFind X7世代から処理アルゴリズムを大幅に強化し、他社のハイエンド機とも真っ向勝負かのうなところまで進化を遂げた。
1型センサーは最新のものを採用し、プロセッサベースでの最適化も行われた。最新のプロセッサを搭載したことで、高度なHDR処理などを可能にしている。これらのあわせ技によって、高いクオリティでの写真撮影が可能になった。
それでありながら価格は非常にお手頃な端末となっている。Galaxy S25 Ultraが20万円近い価格となる中、Find X8 Ultraは最小構成で6499RMB(約13万2000円)と抑えている点も好感が持てる。また、上位モデルは天通という衛星通信に対応するものも存在する。
筆者としては、Find X8 Ultraは「撮影体験が楽しいカメラスマホ」と評したい。簡単にキレイに撮れるカメラはもちろん、基本性能の高いハードウェアでマニュアルモードの追い込みなどにも応えられる点は大きな利点。
また、同じく評価の高いvivo X200 UltraやXiaomi 15 Ultraとも使い分けのできる絵作りを楽しめる。どれもクオリティは高いので、ここはよく撮る被写体や好みで選ぶのが良いだろう。その中でも、Find X8 UltraのカメラはGalaxy S25 Ultraの望遠性能を強化した構成が近く、全体的にバランスの良い機種だと感じた。高いHDR性能や動画撮影性能はもちろん、ズーム性能を生かしたテレマクロ撮影の体験は楽しいものだ。
もちろん、Snapdragon 8 Eliteによる高いスペックを持ち合わせ、快適に使えるといったところも選ぶ価値となる。長期間のアップデートが行われることも公表されており、長く使っていける端末となることは間違いないようだ。

他社の商品とも真っ向勝負できるレベルにまでカメラ性能が進化したOPPO Find X8 Ultra。カメラ性能の高いスマートフォンを選ぶ際には、選択肢の一つに加えてみてはいかがだろうか。