OPPOの最新フラッグシップ スマホ「Find X9 」が、発売からわずか1週間でAmazonにて10%オフとなっている。
10%と聞くと一見控えめに思えるが、本機種の定価は15万円に迫る価格帯。値引き額は1万円以上に達し、さらに初回特典のアラミドケースと専用の三脚といった1万円超の特典まで付属するとなれば、そのインパクトは決して小さくない。

Find X9は12月23日に発売され、同社のフラグシップモデルという位置付け。今回はFeliCaを搭載した日本向けローカライズモデルとして登場し、発売初日には「一部チャネルで売り切れ続出」とプレスリリースが打たれるほどの注目を集めた。
今回は価格も仕様も「日本市場のフラグシップ」そのもの。だからこそ、発売直後に定価で購入した層は、ライトユーザーというよりも、長年OPPOを追ってきたファンや、多くのスマートフォンを使ってきたマニア層が中心だったはずだ。
発売から1週間。多くの方は使用期間すら1週間未満というタイミングでの値引きはインパクトが大きい。
先に購入者の多くは、まだ端末の癖やカメラの写りのほか、特典やアクセサリーが届いてもいない方もいることだろう。その状況でこの価格を見せられれば、「さすがに早すぎないか」と感じてしまうのは自然な反応だ。
それが今回のような価格に敏感な層に行き渡ってない段階での値引きでは、不満の声が露見するのも仕方がない。
もっとも、今回の値引きはメーカー主導ではなく、Amazon側の独自施策である可能性も高い。実際、メーカー側が価格コントロールできないAmazonセールに頭を悩ませた例は、過去にXiaomiからも聞いたことがある。
そう考えると、OPPO側としても“やむを得ない事態”だったのかもしれない。
一方で、国内ではau版が13万円台という直販版よりも安価かつ、比較的攻めた価格設定で展開されている。今回のAmazon価格は、それに近づけた結果と見ることもでき、マーケット全体としての整合性は取れているとも言える。
これから購入する人にとっては、間違いなく「おいしい話」だ。だが、発売日を心待ちにし、定価で手にしたユーザーにとっては、少し苦い記憶として残ってしまうだろう。
フラグシップスマホとは、価格だけでなく「買った瞬間の満足感」も含めて成立するものだ。その価値を、あまりにも早く切り崩してしまっているように思う。
今回のFind X9の値引きは、早すぎる値引きセールと共に、「メーカーがフラグシップの価値をどこまで守れるか」という問いを投げかけているように思う。

