マイナーチェンジとは思えない“激変”新型BYD SEAL AWDのDiSus-Cが凄かった

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 10月30日より日本でも販売が始まったNew BYD SEAL。俗にいうマイナーチェンジモデルだが、進化内容は「マイナー」に留まらなかった。

 今回は日々BYD SEAL AWDに乗るオーナー視点でマイナーチェンジ後のSEALがどのくらい魅力なのかみていきたい。

目次

今回のBYD SEALのマイナーチェンジで変更、追加された場所をチェック

 NewといってもSEALはあくまでマイナーチェンジモデル。外観の変化はほぼなく、見分ける要素はAWDモデルのブレーキキャリパーくらいなもの。ほとんど差はないといってよい。

基本的なエクステリアデザインに変更はない
新しいデザインの標準ホイールと赤のブレーキキャリパーが印象的

New BYD SEALと言っても基本的にはオーストラリアや香港で販売されているものと同じ。主な変化は以下の通りとなる。

DiSus-C(電子制御ダンパー)を装備(AWDのみ)

可変ダンピングアブソーバーを装備(RWD)

電動サンシェード対応

運転席側にサングラスホルダーを装備

エアコン強化

ワイヤレスCarPlay対応

デジタルNFCキー対応

V2H機能の効率向上、相性改善

HUDの表示配置の改善

標準ホイールの変更、エンブレムロゴを「BYD SEAL」から「SEAL」に変更

ブレーキキャリパーを赤色塗装(AWDのみ)

 などの要素が挙げられる。特に足回りが大きく変わっており、AWDモデルでは電子制御のDiSus-Cを備えるなど、従来にも増して足回りが強化された。基本的な内装仕上げ、バッテリー容量や充電性能、航続距離は従来と同じだ。

運転席側のサングラスホルダー
HUDも改善。両脇からの接近車両もここに表示される

DiSus-Cによる電子制御の足回りで「まるで別物のクルマに」進化したSEAL AWDのに驚いた

 SEAL AWDモデルに採用されるDiSus-Cという機能。これはBYDが自社開発したDiSusインテリジェント車両制御技術のひとつであり、今回SEALに装備されているものはインテリジェント・ダンピング車両制御システムとなる。

 この他にもエアサスペンションを備える車種向けのDiSus-Aでは一定の車高調整が可能で、走行時に空力性能を上げることができる。油圧制御も加わるDiSus-PはYANWANG U8が採用しており、車高を200mmも上げてオフロード性能を向上させることができる。残念ながらこのあたりの車種は日本未発売だ。

 このシステムの究極系がYANWANG U9に採用されるDiSus-X。高速域での安定性確保はもちろん、その性能を活かして3輪での走行、ダンスパフォーマンス、クルマ単独のジャンプといった事まで可能だ

 ちなみにDiSusはあくまで制御システムの総称であり、対応している車両ハードウェアであれば、OTAアップデートでDiSus-Cの機能を付与することもできるという。

ぴょんぴょん跳ねて踊るクルマことYANWANG U9

 DiSusの説明はこのくらいにして、早速新型SEALを乗り回してみることに。ある程度のスピードを出してみたいので、とりあえずDiSus-Cをコンフォート(柔らかめ)の設定にしてBYD Auto新潟を出て新潟西パイパス方面へ向かう。

 このバイパスは制限速度80km/hの自動車専用道路であることに加え、能登半島地震の補修で道路に段差がある状態が続いている。ここなら電子制御ダンパーの実力を試せると思った次第。

まずはコンフォートで走る

 実際走ってみると、普段乗ってるSEAL AWDとは全く異なる足回りだと実感した。従来モデルでは段差でバタつくような挙動(着地時にモーターの加速Gを感じる場面)があったが、DiSus-C制御の新型はこのような挙動がかなり少なくなっていた。

 道中にある新潟西インター付近の急カーブもスムーズに切り込んでいく。いつも乗っているSEALよりも引っ張られる感覚がないのは何とも不思議なもの。

 特に高速域での安定性は優秀でジャンクションでの合流、バイパスでの車線変更といったシーンもスムーズ。ただ、従来モデルとはハンドルを回した時の挙動もやや異なるので、このあたりは好みの差というところ。

 続いてスポーツモードに切り替えると、これまたカチッとした足回りに変わる。従来モデルよりも明らかに固い足回りで、スポーツセダンらしい機敏な走りができる。高速道路やバイパスといった場面よりも、ある程度整備された峠道や線形の良い道を走ると楽しいものだ。

 SEAL AWDの2210kgという重量級ボディながらその重さを全く感じさせない軽快なハンドリング、モーターのリニアな反応からなる加速性能、走行性能はしっかり備える。足回りの進化は旧型乗りからしたら羨ましいものがある。

 筆者としては新潟パイパスなどよりも、越後七浦シーサイドラインといった海岸沿いコースをゆったり走る方がスポーツモードは楽しいものがあった。

スポーツモードはよりサスペンションが固くなるチューニングだった

 一方、気になった点として今回のSEAL AWDのサスペンションチューニングは結構両極端で、コンフォートは既存のSEALよりも柔らかく、スポーツは固い足回りになる印象を受けた。ある意味、旧型SEALの足回りがその中間のように感じた。

 運転する側としては路面状況に応じて切り替えて、2パターンの全く異なる特製のクルマを操作する楽しみがあるものの、コンフォートでは後席の方が酔いやすいのではないかと感じた次第。

 電子制御で調整できるのなら旧型SEALの可変ダンピングアブソーバー並のチューニングが欲しいところ。この辺りはアップデートに期待したい。

電動サンシェードはうれしいが、これは賛否が分かれるか

 今回のSEALのアップデートで内装周りの大きな変化は電動サンシェードだ。確かにSEALはガラスルーフではあるものの、サンシェードは手動で対応せねばならなかった。これが電動になるなら楽でよい。

サンシェード全閉
サンシェード全開

 ただ、電動サンシェードになった関係か、ガラスルーフのエリアはかなり小さくなっている。体感的に従来の2/3といったところだ。従来のSEALで好評だった開放感のある車内空間の演出に一役買っていただけに、この変更は正直微妙なところがある。

 加えて後部座席の圧迫感も感じられた。これは後席のちょうど目線位置にルーフの格納機構を収める「出っ張り」がある関係で従来よりも天井に余裕がないように感じられた。

 この後部座席の目線の変化とDiSus-Cの柔らかいチューニングもあって、ディーラーからも「後席は酔いやすいかもしれない」と指摘されるほど。確かに賛否が分かれそうなサンシェードであり、これならオプションにしても良かったように思う。

後部座席の部分にルーフの格納機構があるので少し膨らんでいる

値下げしても機能強化!開発スピードの速さはさすがと評価したい

 新型BYD SEALはRWDが495万円、AWDが572万円の設定。実は旧モデルの1000台早期納入割引を適用した金額が定価になっており、事実上の値下げを行なった形だ。

 確かにAWDモデルのDiSus-Cはかなり魅力に感じた。チューニングこそ両極端ではあるものの、コンフォートマシンとスポーツカーのようなセッティングを気軽に切り替えて楽しめる点は面白い。

 RWDモデルも可変ダンピングアブソーバーになっており、こちらも従来より乗り心地が良くなっている。RWDモデルの試乗は20分ほどだったが、足回りはかなりしっかりしていた。

 既存ユーザー視点で見るとほとんどマイナーチェンジによるもので、DiSus-C、電動サンシェードといったハードウェア以外は「アップデートでくるんじゃね?」と思わせた次第。実際、ワイヤレスCarPlayは既存のSEALにもアップデートで提供されており、HUDの表示改善あたりはアップデートで提供して欲しいところ。

 一方でエアコンの性能向上は感じられたものの、空気清浄機能が省かれてるようで、従来のPM2.5検知機能も無くなっている。オーナーの中には「空気清浄用のフィルターの細かい目が効率を悪くしていたのでは?」という意見も上がった

従来まであった空気清浄の項目がなかった

 トータルで見ればあえてSEALの旧型を買う理由はないように思える。旧型を選ぶなら広いガラスルーフ、空気清浄機能…あとは本体色がアークティックブルーが欲しい方は旧型を選ぼう。

 それにしてもサスペンション制御がDiSus-Cになるだけでこうも乗り心地が変わるものかと。普段乗っているSEALと全く異なる体験に驚いた限りだった。

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