ダイソーからUSB-C 端子を備え、ケーブルを使って直接充電できる「乾電池型リチウムイオン電池」が登場し、注目を集めている。ギークな製品ゆえに注意点も存在するが、それをある程度解決した製品を見つけた。今回はその商品を紹介したい。

ワイヤレスイヤホンのように「ケースに入れて充電」できる乾電池型リチウムイオンバッテリー
ダイソーのUSB端子で充電できる乾電池型リチウムイオンバッテリーの注意点として挙げた点に、充電時は高電圧が出力されてしまうこと、充電時に感電やショートの恐れがあることがあることを紹介した。

USB端子が側面にあるバッテリーでは、機器に入れたまま充電し、使用する機器を破損させるリスクがある。その点ではUSB端子をプラス電極側に設けたダイソーのバッテリーは、充電時は機器から外す必要があるので、リスクは抑えられている。
とは言っても、端子が剥き出しの状態で充電することになるので、カバンやポケットの中で充電したらショートによって感電や発火のリスクはある。扱いには注意が必要だ。

このようなリスクを抑えるためには、ニッケル水素二次電池で使われる専用の充電器があると望ましい。リチウムイオンバッテリーでそんなものはないかと探していたところ、Amazonで筆者が思っていたような商品があった。
USB端子むき出しのリスクを回避。ワイヤレスイヤホンのようなケースで安全設計
imutoのブランドで販売されているこちらのバッテリーは、専用の充電ケースから充電する仕組みをとっている。そのため、バッテリー自体にUSB端子はないため、充電中のショート等のリスクを抑えられる。

ケースもワイヤレスイヤホンのような作りで、サクッとバッテリーを取り出し、充電が可能としている。蓋もマグネットで留まり、充電状態もランプで判別できる。
加えて、ダイソーの乾電池型バッテリーを紹介した際にニーズの多かった「単4サイズ」もラインナップしており、リモコン等の用途にも適していると感じた。USB端子で直接充電できる単4サイズのものもあるが、全てバッテリーの側面に端子があるため、上述するリスクはかなり高い。
端子がむき出しであるため、ショート事故、感電、湿気・導電物との接触など周囲環境に起因するトラブルもありうる。こうした点を踏まえると、「充電ケースに電池を収めて扱うタイプ」を選ぶことは、これらの危険点をある程度改善していると考える。
使用時の特性やクセはダイソーの乾電池型バッテリーと同じ
メーカーから出ている使用における特筆する注意点として、定格が1本あたり500mAの出力なので、大電流を求める懐中電灯、ヘッドライトには使えないとしている。
それ以外はダイソーで販売されているリチウムイオンバッテリーと特性やクセは同じとされる。通常の乾電池やニッケル水素電池とは異なり、「残量がじわじわ下がる」のではなく、ある時点で突然電圧が落ちる(“膝折れ型”挙動)特性があり、予期せず機器が止まるリスクがある。
スイッチング回路の関係から音響機器や無線系などノイズや電源安定性に敏感な機器との相性問題。また、電圧変動やインピーダンスの影響が出やすい。
一方で、この手のケース型充電器の新たな危険点として、対応する電池以外のバッテリーを挿入したことによる事故や故障だ。もちろん、説明には非対応のバッテリーを使用してはいけないとされるが、充電池の充電器だと言われればニッケル水素電池を入れたりすることは容易に想像できる。
メーカーによると過充電防止、過電流保護、短絡保護 といった多重の保護回路を搭載しているとされており、これにより充電時や給電時の過大電流・ショート事故のリスクを抑える設計がされているとしている。

ギークな電池こそ、安全に扱える設計が大切
imutoの製品では電池を「ケースに差し込む」方式で収納でき、端子がむき出しにならないよう管理できる構造になっており、筆者がダイソー電池で指摘した端子が露出したまま扱われる危険性を軽減できる。
また、ケースを用いた充電器方式であれば、電池を充電中に機器に装填したまま使うような誤操作を防げる。充電中の誤使用による機器破損リスクもないのだ。
この充電ケース方式 は、ダイソーの USB-C 直接充電型電池と比べて、設計上いくつかの安全性改善が見込まれる。特に、充電時の端子露出がない点は、ダイソー電池をはじめ、本体にUSB端子を備えたバッテリーで指摘されていた主要リスク点を改善したものと思われる。
今回、このバッテリーを筆者も購入したので、次回は実際に安全に利用できるか、ダイソーバッテリーと比較して優位なのか確認していきたい。