ダイソーで“本物のハイレゾ対応イヤホン”が買える──。
そんな衝撃的な噂がオーディオ好きの間で広がり、SNSでも話題となっている。ダイソーのイヤホンといえば100円から高価でも500円帯が定番だが、今回登場した700円モデルは「24bit/96kHz対応DAC」を内蔵した、文字どおりのハイレゾ対応イヤホン。
ハイレゾ音源を再生できるUSB Type-Cイヤホンが700円で手に入るということで、「本当にハイレゾなの?」「音質はどうなの?」と気になっている方も多いはず。
本記事では、ダイソーの700円ハイレゾ対応イヤホンを実際に購入し、Xperiaとハイレゾ音源を使って詳しくチェックしていきたい。
ダイソーにて正真正銘の「ハイレゾ対応イヤホン」が700円で販売中
あらゆる商品が販売されている100円ショップのダイソーだが、人気商品のイヤホンも多くの商品が展開される。
今回は、USB DACを採用したスマートフォンと相性の良い有線イヤホンとなるが、そこに近頃話題の「ハイレゾ対応」という謳い文句のニューフェイスが現れたのでチェックしてみよう。



ダイソーの700円ハイレゾ対応イヤホンは、本当にハイレゾ音源対応なのか。実際に聴いてみた
このイヤホンでは、オーディオハードウェア(スピーカー)には8mm経のドライバーユニットを採用している。「クリアでキレのあるサウンド」を表現できるとしており、この文言に沿ってチューニングしたサウンドとしている。
そして、今回は「ハイレゾ対応のDAC」を採用したことで、正真正銘の「ハイレゾ対応イヤホン」となった。そんな700円のイヤホンを早速聴いてみることにする。


今回の試聴環境はXperia 1 VIIを使用し、Apple Musicでハイレゾストリーミング音源(24bit/96kHz)を中心とした環境で使用する。
USB Type-C端子のダイソーハイレゾ対応イヤホンの感想として、実売価格700円の商品と考えれば十分すぎるサウンドに正直驚いた。
うたい文句のキレのあるクリアなサウンドと言われるとキレはイマイチな部分こそあれど、特段どこかの音域が沈んだりすることはない。よく言えばハイレゾ音源を意識したサウンドとなっており、本当に700円と思えないくらいよく作り込まれている。
ハイレゾを意識したサウンドなのか、高域の金属音が妙に刺さる点が気になる。ボーカルがやや前に出てくる関係で、楽器の定位感がその後ろに横並びとなる印象だ。
ドラムスのハイハットなどは残響感も控えめで「ハイレゾ音源」のもつ情報量を再生できているかは微妙なところ。近年の中華ハイコスパイヤホンに慣れてしまうと、どうしても安っぽく感じるサウンドだが、この機種は700円の製品であることを考えれば十分すぎるものだ。
低域のレスポンスもこの価格としてはかなりマトモで驚きを隠せない。その一方で、中音域の刺さりがやや気になることと、低域にキレがないことから全体的にベールがかったサウンドになってしまう印象だ。ソリッドなサウンドを好む筆者とは合わないが、この辺りも価格を考えたら許せてしまう。
全般的に刺さりが強い点が気になり、その刺さりが上品でないのが惜しい。それでも、実売700円のダイソーイヤホンに求める音としては十分すぎるものだ。

ダイソーでも「一応ハイレゾ対応」のイヤホンが買える。プラス200円でちょっとプレミアムな体験はありなのか?
今回レビューのダイソーのハイレゾ対応イヤホン。さすがに謳い文句の「キレ」には甘さが感じられたが、700円という価格を考えたら多くの方が納得するサウンドに仕上がっている。
700円という価格はダイソーの製品としては高価な部類となる。同じUSB Type-C端子のハイレゾ非対応のイヤホンであれば500円なので、今回の製品はプラス200円の「プチプレミアム」的な製品となる。
このイヤホンには通話用マイクも備わっており、スマートフォンでも利用しやすい。マイクの通話音質はあまり良いものではなかったが、通話程度であれば問題なさそうだった。

単純なイヤホンとして見ても「ダイソー製品」の中ではトップクラスで高音質なのは間違いないと考える。イヤーピースを変えたり、本体を分解して吸音材を入れたり等自分好みにサウンドをカスタマイズするのもひとつの楽しみだ。
安価かつ、本当の意味でハイレゾ対応イヤホンというものに興味がある方はチェックしてみてほしい。

