サムスン初の三つ折りスマートフォン「Galaxy Z TriFold」。展開時に約10インチ級の大画面を実現し、折りたたみ機構も完成度が高く、実用性の面では「未来の端末が一足先に来た」という印象すら受ける。
しかし、その一方で購入前に必ず理解しておくべき大きな弱点がある。それが「保険に入れない」という現実だ。

画面の修理費は「iPhoneのPro」が買える18万円の高額設定
まず気になるのが、万が一破損した場合の修理費用だ。Galaxy Z TriFoldのメインディスプレイ修理費は165万7500ウォン。これは日本円換算でおよそ18万円前後となり、中国本土・台湾・シンガポールといった本機種を販売する他地域でも概ね同水準に設定されている。
折りたたみスマートフォンの修理費が高額なのは今に始まった話ではないが、三つ折り構造ゆえに部品点数や調整工程が増え、金額は明確に一段階上がった。
なお、初回修理を半額で受けられる特典は用意されているものの、ここにも落とし穴がある。
例えば韓国では、この半額制度はSamsungが直接値引きする方式ではなく、保険会社から差額返金を受ける形式となっている。そのため、韓国の銀行口座、有効な韓国での身分証明書、韓国登録のSamsungアカウントといった条件が必要になる。
つまるところ、ストアに持ち込んだらその場で値引きされるのではなく、一度165万ウォンを支払った後に後日返金される仕組みなのだ。短期滞在の外国人購入者には事実上利用困難だ。
また、この半額サービスは購入から1年以内しか利用できない点にも注意が必要だ。

高額なのにSamsung Careに加入できないという致命的問題
さらに深刻なのが、Galaxy Z TriFoldは高額ながらSamsung Careの対象外である点だ。
Samsung Careは月額料金を支払うことで修理費を大幅に抑えられる公式保険サービスで、Foldシリーズなどの高額端末にはSamsung Care+という専用プランが用意されてきた。Apple CareのGalaxy版と思ってもらえば良い。
しかし、TriFoldは韓国価格359万ウォン(約38万円)という超高額モデルでありながらそもそも保険の設定がない。これは他地域でも同様である。

理由としては、三つ折りという特殊構造で修理需要の予測が立てにくい。出荷台数が少なく、リスク分散ができないといった事情があると見られる。
つまり、メーカー側も「まだ保険を成立させられない端末」だと判断しているわけだ。一方で、同じような三つ折りスマホを展開するファーウェイは「初回画面修理無料」という対応をとっている。

それでは、この高額な修理費をカバーできる保険はあるのだろうか。仕向け国以外の外国人が使える現実的な手法としては、クレジットカード付帯の携行品保険、火災保険に付属する補償といった民間保険の流用だろう。
ただし、これらは免責金額の一回あたりの上限が10万円前後に設定されているケースが多く、18万円クラスの修理費を全額カバーするのは難しい。
高額な修理費もカバーしてれる付帯保険もあるものの、そのようなクレジットカードは年会費が高額だったりもする。高額なスマホのために年会費の高価なカードを新規契約するのも、あまり現実的ではないだろう。
Galaxy Z TriFoldは、まだ「覚悟して使う端末」
Galaxy Z TriFoldは、間違いなく革新的で、実用性も高い。しかし同時に、壊したら自腹で高額修理を受け入れる覚悟が必要な端末でもある。
ある意味「最先端をいち早く体験する代償」と割り切れる人でなければ、この三つ折りスマホはまだ時期尚早かもしれない。
少なくとも現時点では、Galaxy Z TriFoldは安心して持ち歩くスマホではなく、リスクを理解した上級者向けのデバイスだと言えるだろう。



