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初めての電気自動車(EV)に日産リーフやテスラではなくBYDの「SEAL」を選んだ理由とは?

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 電気自動車(EV)の市場拡大が著しい中、日本である程度の航続距離を持ったEVを購入する人の多くは、まず日産リーフやテスラを検討するだろう。しかし筆者はこれらの選択ではなく、あえてBYDの「SEAL」を選択した。あえてでも選んだ主な理由は航続距離と価格のバランス。前評判通りの充電性能だった。

目次

SEALの持つ高いコストパフォーマンス。同価格帯でも航続距離に差

 BYDの「SEAL」は約528万円~という価格帯で、価格面ではリーフの400万円よりは高価なものの、60kWhのバッテリーを備える航続距離増強グレード「e+」の525万円、テスラ「モデル3」の530万円とほぼ同水準。

 その中でもSEALは日本向け初回1000台は割引が入って495万円~とコストパフォーマンスの高さが際立つ。BYDは中国向けには内装などのグレードで価格が異なるものの、日本向けは最上位グレードの内装や機能で展開している。

 筆者は中国のBYDのディーラーに赴いたことがあるが、SEALにあたる海豹07 EVは約18万~24万元(約360万円~480万円)の設定で、テスラはもちろん実はシャオミやZeekerのスポーツセダンよりも安い。日本向けには24万元の最上位グレードで投入されており、各種税金などを考慮しても特別高価な設定ではない。むしろ初回割引や各種特典を考慮すると破格ともいえる価格設定だ。

 一方で航続距離はWLTCモードではリーフe+の450km、モデル3(RWD)の約570kmに対し、BYD SEAL(RWD)は640kmと優れている。電気自動車は長距離走行が難しいと言われていたが、ここまでの航続距離を備えればガソリン車と何ら変わらない感覚で利用できる。実際はシビアコンディションで使って70%の航続距離としても、遠出を含めて十分利用できる値になってきている。

SEALのバッテリー容量は82.56kWhとこの手の車両としては大容量

 また、筆者は雪国新潟在住のため、選定には大容量のバッテリーと4輪駆動(AWD)は欲しかった。リーフにはAWDの設定はないものの、テスラとSEALにはAWD仕様がある。SEAL AWDの航続距離は575kmのため、ここはテスラのほうが優位だが、SEAL AWDも初回は578万円とテスラよりも50万円ほど安く購入できる。

 国や自治体の補助金をうまく使えば400万円台で手にできることもあり、地味ながらAWDの電気自動車というカテゴリーでは最安クラスの車両なのだ。

 納車してからバイパスなどを中心に時速80kmの高速走行を6割くらいの感覚で100km走った時の平均消費電力は15.1kWhだったので、SEALのバッテリー容量を踏まえると高速道路を利用してもうまく工夫すれば500kmは走る計算。一回のフル充電でこのくらい走れば十分といったところだ。

 まぁ、価格に関しては結局のところはディーラーの100万円を超える値引きやスタッドレスタイヤの無料提供、以前まで使用していた車の下取り額の増額が大きかったことで非常にお得に購入できたのだが、これは別の機会に。

充電環境は口数の多いCHAdeMO規格を重視。SEALの充電性能の高さという安心感

 日本国内でも増えているとはいえど、急速充電設備の数はまだまだ少ない。仮にあっても十分にメンテナンスがされず、故障したまま放置されて利用できないものも少なくない。主流のCHAdeMO規格はその中でも日本国内で広く普及しており、利便性の高さや設置個所の多さが評価できる。

 CHAdeMOの規格という点はリーフも同じだが、充電時の受け入れ能力の高さ。すなわち、充電性能が異なる。リーフは50kWh(e+は70kWh)が上限に対し、SEALは105kWhまで対応する。今後普及が見込まれる100kW級の充電器で接続した場合は、SEALのほうが同じ時間でより多くの電気を蓄えることができるのだ。

 これはスマホでいうところのPD 20WクラスとPPS 60Wに対応するか否か並みに大きな差。特に大容量バッテリーを備える近年の電気自動車では、急速充電の受け入れ能力の高さが同じ時間内に蓄えられる電力量として、1分あたりの従課金制の充電器であれば実質的な燃料費にも直結する重要な要素だ。

 充電器によって出力が弱かったりするものの、SEALの充電受け入れ能力は優秀で、高温、低温環境やバッテリー残量が80%を超えた場面でも、105kWまでなら充電器の性能分は引き出してくれる。試しに充電した50kWの充電設備では30分の充電で73%から95%まで回復。充電器の送り出しは23.2kWhだったので、理論値の25kWhに近い値を出している。SEALの受け入れ能力の高さを実感した

BYD SEALの充電性能は前評判からもかなり優秀だ

 一方でテスラが採用するNACS規格は日本では一般的ではなく、対応する充電器が少ないことから、CHAdeMOアダプタという変換プラグを入れて充電するオーナーも少なくない。アダプタ使用時は異なる規格で充電する関係で、充電時の相性問題(充電出来ない、充電速度が出ない)に加え、充電設備を故障させる可能性があるなど、あまり褒められたものではない。
 テスラにはスーパーチャージャという超高速で充電できる設備もあるが、こちらは全国的に見ても限定的である。筆者の住む新潟ではテスラのスーパーチャージャーは県内で1か所しかなく、安定して充電できるNACS対応の充電スポットも少ない。田舎で使うにはSEAL以上に工夫が必要になってくると感じたので、選定を見送った。

もはや走るスマホ。BYD SEALに乗って次の時代の自動車を肌身で感じた

 スマートカーが欲しかった筆者からすると、少し頑張れば手が届く設定のBYDの車両はアリだった。実際、BYD SEALにはSIMカードが内蔵されており、そこから各種ネットワーク接続が必要な機能を利用できる。自動車にもIMEIや技適マークの表示、ソフトウェアアップデートという概念があり、OSはAndroidベース。こうなればもう車輪がついてて走るスマホである。新鮮ながら、面白いものがある。

SEALもアップデートでブラウザアプリが追加された。シャニマスも大画面、SEALのオーディオで楽しむことができる。もちろん、停車中にしかできない

Android AutoやApple CarPlayは標準装備。スマホマニアなので2台同時に充電できるワイヤレス充電パッドや60W出力可能なUSB Type-Cポートもうれしい

アプリから充電状況などがわかる点もうれしい。この車はSEAL(アザラシ)から家族会議の結果、崩壊スターレイルに登場するキメラの「ポポン」という名前になりました。どうして

今後もいちBYDのEVオーナーとして、各所から実際に保有してのレポートなどを残していくつもりだ。

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