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EVの電気代はどのくらいかかる?実際に2000km走った電気料金は意外と安かった

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 電気自動車に乗り始めて1ヵ月ちょっと。購入してから初月の電気料金が出てきた。この間にBYD SEAL AWDを乗りまわした走行距離は2059km、それに対する電気代は7,291円に収まった。ガソリン車と比較してどれほど安いのか、そして実際の充電体験から見えるメリットと課題を整理してみた。

目次

自宅充電は夜間電力を利用して電気代は約4000円。自宅充電器は設置できるなら絶対に欲しい

 筆者の場合、メインは自宅での充電となる。夜間電力プランを契約しており、22時から翌8時までの単価は1kWhあたり27円。今回の消費電力量は約149kWhで、金額にして4025円。自宅での充電量はSEALでは概ね850~900kmほど走行できる電力であり、ガソリン比較ではかなり安いが、割引期間外の昼間に充電すると高コストになる可能性がある。

 SEALには予約充電機能があり、指定時間になったら自動で充電開始する機能を備えている。筆者のように夜間電力プランを使用している方にはおススメの機能だ。

 これに太陽光発電や家庭用蓄電池を備えればもっとコストは抑えられる。設備の投資が難しい場合は、オクトパスエナジーなどの新電力をうまく使えばコストを抑えられそうだ。

それにしても、「帰宅してプラグを差すだけで翌朝は満充電」という電機自動車の仕組みは、ガソリンスタンドに寄る必要をなくし、生活の一部として自然に組み込まれる。EVの便利さを最も実感できる部分。自宅での充電器設置が可能なら、マストでほしい設備といえるでしょう。

公共充電インフラは「急速充電器選び」が大切だと実感。お得な環境もある

外出時には公共充電を利用した。今回使用したのは以下の通り

eMPネットワーク:896円
超高速「FLASH」充電:2,070円
イオンの急速充電器:300円

 これらの合計で3,266円。短時間で大量に電力を補給できる急速充電は、遠出の際の安心材料になる。このうちeMPは90kW級で5分間385円、以降は1分あたり66円の時間制の従量課金。FLASHは1kWhあたり44円の従量課金。イオンは1回300円の課金制。

 この中ではイオンが圧倒的な低コストだが、SEALのような高出力の受け入れに対応する車両なら、時間課金のeMPネットワークでもそこまで割高感はない。FLASHは基本的な電気料金も安く「入れた電気の分だけ課金」されるので不平等感はない。

 それでも急速充電のコストは自宅充電の倍近くになり、これには「利便性とコスト」のトレードオフが存在する。さらに、充電器の待ち時間や充電器の故障やメンテナンス不足に遭遇することもあり、旅程が狂うリスクを伴う。

 一方で、急速充電器の信頼性はeMPネットワークが割と優秀。前回の大阪方面1200km旅行でも道中4回使用したが、一台たりとも故障による停止はなく、途中充電での時間ロスはなかった。それ以外ではFLASHは故障で稼働しなかった場面にも出くわしたので、まだまだ安心して使えるインフラには至れていない印象だった。

高速道路をはじめ、幹線道路のeMPネットワークの充電器は信頼性が高い
FLASHは便利だが、うまく充電できない場面もあった

無料充電スポットは神のように助かるスポットだが、待ち時間は多め

使えるものは使っていきたい。ということで自治体運営の無料充電スポットも積極的に活用した。今回は50kW級を合計2.5時間、30kW級を0.5時間と利用、合計で120kWh近い電力量を蓄えた。これだけで数千円分の電力をまかなえたので、神様が与えてくれた恵みのように感謝して使わせていただいた。

 一方で無料ゆえに利用者が多く、人気の場所は1時間以上の待ち時間が発生することもしばしば。場所によっては充電が停止しているのに帰ってこない、といったトラブルも起こったりしている。

 過去には走行を主目的とせずV2H機能を使って自宅の蓄電池に無料給電した電気を流すことも横行。利用者のモラルが問われた側面もある。

 このような走行以外を目的とした利用が増えたことは無料充電スポットが減った背景でもあり、今ではかなり少なくなった。残された設備も継続的に利用するには、利用者のマナーやモラルが問われる部分もある。

ごみ処理の過程で出たメタンガスを利用した発電所での無料充電器、市役所の無料充電器を使用した

ガソリン車と比較すると1万円以上安価に移動できる!1kmあたり3.5円と経済性の高さは優秀

 同じ2059kmをガソリン車で走るとどうなるだろうか。仮に実測燃費15km/Lと仮定すると、必要なガソリン量は約137L。ガソリン価格が160円/Lと仮定すれば合計で21,920円となる。ハイブリッド車(実測燃費25km/L)では 必要なガソリンは約82L。同条件のガソリン価格では13,146円 となる。

 今回のEVの電気代7,291円との差額はガソリン車で約1万4600円、ハイブリッド車比では約5800円の節約となる。コスト差は依然として大きく、距離を走れば走るほどEVの経済性は際立つのだ。

自宅充電:4,025円

公共充電:3,266円

無料充電:実質数千円分

合計:7,291円(2059km走行)

1kmあたり:約3.5円

 ガソリン車であれば約2万2,000円かかる距離を、この金額で走れるのはEVならではの強み。もっとも、充電インフラの課題や設備の信頼性といった現実的な問題も存在するため、必ずしも「毎回この金額で済む」とは限らない。

 また、安価な電気自動車とはいえ、急速充電器をメインで使用すると高コストになりやすく、場合によってはハイブリッド車並みの運用コストになる。
 この場合は周囲に無料で利用できる、安価に利用できる充電スポットの有無がEVの運用コストを大きく左右する要素となる。車両メーカーによってはお得に利用できる充電プランを提供したり、eMPネットワークでは急速充電プランを契約してコストを抑えることもできる。自宅に充電気を設置できない場合は、チェックしておきたい部分だ。

 それでも、自宅充電を軸にすればランニングコストは確実に下がり、給油の手間から解放されるという体験はガソリン車にはないメリット。EVは単なる「安い移動手段」にとどまらず、生活スタイルを変えるプロダクトであることを、1ヵ月の利用体験から改めて実感しました。

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