新年早々、突如現れたキーボードスマホ「Clicks Communicator 」は、スマートフォンの進化が「大画面での動画・SNSによるコンテンツ消費」へ振れた2020年代において、真逆の価値観を提示する1台だ。あの「キーボード」にマジなメーカーが「キーボード付きスマホ」を作ったのだから、コレは期待しかない。
スマホ用のキーボード付きケースで有名なClicks。ついにスマホを作る
Clicksはイギリス発のスマホアクセサリーメーカーで、iPhone用のキーボードケースで話題を博している。キーボードはかつてRIM(BlackBerry)に在籍した技術者が設計した「押しやすい」キーボードに加え、専用アプリによるキーボードのショートカット割り当てがアピールポイントだ。
近年ではモトローラのrazr 40 Ultra向けキーボードケースが、往年のキーボード端末を彷彿とさせるサイズ感として話題になった。日本国内でも家電量販店での取り扱いがあり、認知度は着実に広がっている。
また、各国でユーザー参加型のファンミーティングも行っており、筆者も日本のミーティングに参加した経験がある。参加者も多く、物理キーボードを渇望するユーザーが多いことへの裏返しにも思う。


そんな「キーボード」にマジなメーカーが「キーボード付きスマホ」を作ったのだから、コレは期待しかないのだ。
そして、名前も直球で 「Communicator」かつてのNokia Communicatorシリーズをも思い出させるこのネーミングからも、往年のキーボード端末マニアに向けた本気度が伝わってくる。
サイズ感はBlackBerry Classic級、だが中身は現代的
Clicks Communicatorの本体サイズは130.5×78.63×12mmとかなりコンパクト。サイズ感はかつてのBlackBerry Classic(131 × 72.4 × 10.2mm)に近く、正方形に近いディスプレイと、その下に鎮座する物理キーボードという王道レイアウトを採用する。

画面は4.03型と、近年のスマートフォンとしてはかなりコンパクト。その代わり、親指での文字入力に最適化された物理キーが最大の武器となる。

キーボードは単なる入力装置にとどまらず、キーボード端末お馴染みのショートカット割り当てにも対応。加えて、BlackBerry KeyOneのようなスクロール操作にも対応し、スペースキーには指紋センサーも備える。
画面を無駄にスワイプせず、キーボード主体で操作できる点は、かつてBlackBerryだけでなく、AndroidベースになったBlackBerry KeyOneといった機種を愛用していた層にもたまらない仕様だ。


Androidスマホとして「現実的」に使えるキーボードスマホ
Clicks CommunicatorはAndroid 16を採用した設計で、現代的なアプリ環境をそのまま利用できる。プロセッサやメモリ量は公表されていないものの、後述の機能面からミッドレンジのプロセッサを採用するものと思われる。カメラはリアカメラが5000万画素、フロントカメラが2400万画素と必要十分。

通信機能は5G通信に対応し、eSIMにも対応する。バッテリーも4000mAhのシリコンカーボンバッテリーを採用し、急速充電にも対応。ストレージ容量は256GBだ。
このほかイヤホンジャック、microSDカード、ワイヤレス充電(Qi2)対応と言った嬉しい要素も多く備える。サイドキーには発光ギミックを備え、指定した人や通知に対してボタン周囲のLEDを光らせることもできるという。
また、かつてのBlackBerryらしい機能としてメッセージハブという機能を備える。これは各種メッセージアプリ、メール、SNSといったコミュニケーターアプリの通知をひとまとめにし、そこから即レスが可能な代物としている。

また、サポートについても2回のOSアップデート、5年間のセキュリティアップデートを提供するとしており、この手のニッチな機種でも機能追加のアップデートがしっかり提供される点は嬉しい。

価格はプレオーダーで399ドル!尖っているが、刺さる人には刺さる令和のBlackBerry
Clicks Communicatorの価格は早期オーダーで399ドル、これには優先配送権と100ドル相当の交換用バックカバー2枚を含んでいる。正規価格は499ドルで、年内出荷を予定しているとのこと。すでに製造の最終段階に向けて動き出しているので、そう遠くないうちに発売日も確定する見込みだ。
往年のBlackBerryをはじめ、今なお物理キーボードを渇望するユーザーにとっては強力な選択肢となるはずだ。
・BlackBerryが忘れられない人
・物理キーボードで文章を打ちたい人
・ショートカットを多く割り当てられるスマホが欲しい人
そうしたユーザーにとって、Clicks Communicatorは単なるスマホではなく、最高の相棒とも言えるツールだ。ニッチだが、確実に刺さる一台と言える。
Clicks Communicatorは、流行の最先端を追う端末ではない。しかし、令和において物理キーボードという選択肢を本気で提示したという点で、極めて価値のある存在だ。
マニアを中心に「令和にBlackBerryが帰って来た」と言いたくなるのも、決して大げさではない。物理キーボードを渇望するユーザーにとって、2026年屈指の「激アツ端末」であることは間違いない。日本での展開にも期待したい。


