どうも。今年はカメラ特化スマホが目白押し世間ではiPhone 13シリーズで湧き上がるなか、ひねくれた筆者はこんなスマホを代わりに買いました。vivo X70 Pro+です。カメラです。

来てしまいました。
VIVOのカメラが。届きました。
もう今年スマホ買わなくていいかな… pic.twitter.com/IjJpfWNY6m— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年9月26日
カメラ性能の強化を続けるvivoのスマホ。その最高峰がX70 Pro+
近年のvivo XシリーズはファーウェイのPシリーズに対抗する「カメラ性能特化スマホ」という位置づけの展開となる。名称に「Pro+」を用いる時点で、ファーウェイのカメラ性能の高いスマホへの対抗意識がうかがえる。

フラグシップは「Pro+」を冠する
特にMicro PTZを搭載したX50 Pro以降はカメラ性能の評価が高く、筆者も春先にX60 Pro+を購入している。X60シリーズは上位モデルにドイツの光学機器メーカーZEISSのレンズとコーティングが使用されている。マニアの間でも評価の高いスマホだ。正直、日本では馴染みのないvivoのスマホ。今回のX70シリーズの大きな特徴を簡単にまとめると以下のようになる。
vivo V1チップ(上位モデルのみ 独自補助ISP)
全レンズ光学式手振れ補正(最上位モデルのみ)
全機種Zeiss T⋆コーティング(従来は上位モデルのみ)
全モデルでプロセッサベンダーがバラバラ
特に独自のISPとなる「V1」というチップを搭載。世界的に見ても久方ぶりの外部ISP搭載スマホということもあって、プロセッサー標準のものでは難しい処理、時間のかかる処理を補完する形で撮影が可能だ。
似たものとして、過去にソニーのXperia XZ2 Premiumに搭載された「AUBE」が記憶に新しい。こちらはデュアルカメラ使用時の光軸ズレ解消、BW成分合成による高感度、低ノイズ化、動画撮影時のフレーム単位での画像合成のために実装されていた。それと同じような形で「V1」もSoC標準ISPやGPUの補助的な処理を担当するものになる。
今回はProとつくモデルがExynos 1080(X70t ProはDimensity 1200 vivo)と、モデルによってSoCが違うので、チューニングの調整なども担うものと推測される。特に低照度の撮影で力を発揮するというV1チップ。いろいろ撮り比べたいところだ。
X60のマイナーチェンジにとどまらない。ZEISSナチュラルカラーとV1チップで別物に進化したX70 Pro+
カメラ性能が強化されたX70 Pro+のカメラハードウェアについてはざっくりと以下のようになる。
超広角:4800万画素(Micro PTZ) f2.2
メイン:5000万画素 f1.57
2倍望遠:1200万画素 f1.6
5倍望遠:800万画素(最大60倍ズーム) f3.4
基本的には2月発売のX60t Pro+に準拠するものになっているが、T⋆コーティングはそのまま引き継ぎ、ガラスモールドレンズが採用された。また、全レンズに光学式手ぶれ補正がついた点と、V1チップの存在が従来機との違いだ。カメラ特化スマホはもう撮った写真で評価するしかありません。作例は以下の通りだ。







印象を一言でいえば。「綺麗」と評価できる。暗がりでも白飛びが少なく、HDR 補正がかなり強烈に効いていることが分かる。良し悪しについては読者の好みに任せるが、目が覚めるような写りに仕上がっている点はスマートフォンらしい進化を遂げたものと言える。



2倍望遠は同社のスマートフォンが得意とする画角とあって見事だ。Xシリーズではポートレート望遠と呼ばれるこの画角に力を入れており、f1.6の明るいレンズを採用してデジタルズームではなく専用のカメラを使うことで、かなりきれいに撮れるようになっている。X70 Pro+ではこのカメラなど光学式手ブレ補正も備えており、抜かりのない仕上がりだ。

5倍望遠はまずまず。Huawei P50 ProやGalaxy S21 Ultraに比べると物足りなさは感じるが、それでも並みのスマホよりはきれいに仕上がる。
X70 Pro+ではドイツの老舗Zeissとのコラボレーションがより強化され、「ZEISSナチュラルカラー」という処理が加わわっている。こちらの処理は中華メーカーに多い派手目で明るいものではなく、ナチュラルカラーというだけあってみた色に近い処理となっている。



見ての通り、AIオートモードに比べて彩度などの面では大きく異なる絵作りとなっているのが分かる。筆者的にびっくりしたのはZEISSナチュラルカラーの色合いが、専用機のチューニングを意識したSONY Xperia 1シリーズにかなり近いものに仕上がっているのだ。X70 Pro+のほうが若干明るいかというところ。
正直、撮り比べた自分でもびっくりしたのですが、VIVO X70 Pro+のZEISSナチュラルカラーはかなりXperia 1III Photo Proの出色に近いんですよね…ホントに
左:VIVO X70Pro+ ZEISSナチュラルカラー
右:SONY Xperia 1III プログラムオート pic.twitter.com/lmfNRcAjLh— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年9月26日
ZEISSナチュラルカラーとAIオートの併用はできないものとなっているため、実質的にオートモードがふたつあるようなものだ。
VIVO X70 Pro+には実質2つのAIモードが乗ってる
と考えてもいいかもしれないな。
ZEISSナチュラルカラーモード
AIオートモード pic.twitter.com/nQSYDwgP4p— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年9月26日

X70 Pro+ではZEISSのレンズを再現したボケを出すことができる。ライティングしたときや、意図的に光を当てるともっと分かりやすく玉ボケが出るそうだ。
そして、V1チップの真価を発揮するのは夜間撮影、明暗差のある場所での撮影と言えるだろう。以下の作例が分かりやすいものだった。


部屋の電球を撮影した例。電球の根元の部分までしっかり解像されたうえに、周囲もくっきり写っている。ホワイトバランスはどちらも優秀だが、X70 Pro+のほうがより見た色に近いものになっている。


夜景モードにてそれぞれ撮影。自然なホワイトバランス処理の優秀さと、白飛びしないようにマルチフレーム合成されていることがわかる。
超広角、標準、2倍望遠、5倍望遠
VIVO X70 Pro+にて
※2倍と5倍はスタイル「サイバーパンク」を使用 pic.twitter.com/Ac7niLR9ZF— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年9月27日
X70 Pro+では長時間露光を生かした撮影モードが充実している。フォトスタイルを変えるだけで簡単に光の軌跡を描いたりできるので、使い勝手によっては面白いだろう。この機能はX70シリーズでしかできないため、V1チップの恩恵を受けている部分だと思われる。
なるほど。これはすごい機能だな
V1チップの能力が生きるのはこういう場面だな。撮って出しでこれはすごい。VIVO X70 Pro+ 夜景モード
(長時間露光、ナイトグラフィティー)SS:8秒 pic.twitter.com/49kYO6Wk4O
— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年9月27日


X60 Pro+でも話題となった「星まで撮れる」夜景モードは今回も健在だ。夜景モードは三脚検知でだいたい明るい街中で5~12秒、暗いところで30~36秒といったところだ。手持ち撮影ならものの数秒でサクサク撮れるのも魅力だ。
VIVO X70 Pro+
1,2枚目 夜景モード(SS:36秒)
3,4枚目 スタイル 星空適用(SS:115秒) pic.twitter.com/w7hzUhjoXq— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年9月27日


この二機種を比べると空の色の違いはあるが、これは設定である程度補正できる。星空撮影のフォトスタイルとしては星の軌跡をオートで撮影してくれる機能も備えるデフォルトで露光は2時間、最低30分が必要となる。
動画撮影性能も強化された。ジンバル撮影などもそのまま備えるが、今回は目玉機能として「水平線補正モード」がある。
VIVO X70 Pro+ 水平線手ブレモード撮影
すごい機能なのですが、これだとちょっと分かりにくいかもしれませんね。 pic.twitter.com/MzAw2V8Scg
— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年9月26日
水平線撮影モードにて撮影できるものはいたって普通だが、撮影してる本体は90度傾けても補正し続けるというものとなる。スマートフォン本体を360度回しても補正してくれるバケモノだ。
水平線手ブレモードはスマホが縦を向いても自動的に補正してくれるというもの。
X70 Pro+の発表会でも触れられてたものだ。きみ、アクションカムでも目指してるんですかね…変態では? https://t.co/K3e7cxTipP pic.twitter.com/ekH1ChehBa
— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年9月26日
ジンバルカメラも凄いぞVIVO X70 Pro+
(アッブデートで良くなった) pic.twitter.com/TGM2GqNIf0— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年9月28日
超広角カメラに備えるMicro PTZを用いた撮影も魅力だ。ブレがほとんどない状態で撮影ができる。