Xiaomiの「Ultra」は、例年カメラ性能に特化した注目のシリーズだ。中国で発売された新世代のXiaomi 17 Ultraは、その期待を真正面から受け止め、可変焦点の望遠機構を備えた。今回は短時間の実使用ではあるが、ファーストインプレッションとして紹介したい。

Xiaomi 17 UltraのメインカメラはLOFIC対応の新型センサー「Light Hunter 1050L」を採用!夜景撮影はとにかく強い
メインにはLOFIC(横方向オーバーフロー積分容量)対応の新型センサーLight Hunter 1050Lを採用。こちらはオムニビジョン製のセンサーとなり、LOFICに対応したことで従来よりも高いダイナミックレンジを備える。
センサーを一新した狙いは明確で、高輝度と暗部を同時に破綻なく写せる高いダイナミックレンジだ。夜景では白飛びを抑えつつ、暗部の粘りが一段と増した印象。街灯の直下と建物の陰が同一フレームに収まるシーンでも、階調の破綻が少ない。
単に「明るく写る」ではなく、光の量感を保ったまま情報を残す方向に進化している点は、かつて「夜神」と名乗ったXiaomi 11 Ultraらしい要素も備えている。






望遠カメラは75–100mm可変焦点×3G+5P構成の超高品質レンズ。夜間でも圧倒的な描写力を備える
Xiaomi 17 Ultraにおける最大のトピックは望遠だ。換算75–100mmの可変焦点レンズに、ガラス3枚を含む8枚構成を採用。特にスマホに複数のガラスレンズを組み込む例はかなり稀で、ライカとタッグを組んだ本気の光学設計であることが伺える。
スマホでは唯一ライカのAPOを冠するに足る描写で、色収差の抑制や解像の均一性が目に見えて良い。

実際に使うと、従来機種で好評だった3倍域のテレマクロでは従来より最短撮影距離が伸びた(=寄れない)こと、綺麗な円形ボケが出ない弱点はあるものの、画質そのものは圧倒的に向上した。寄れないと言っても30cmまでは寄れるので、Xiaomi 15T Proなどを使っている方からしたら、大きな不満なく使えると感じた。



また、換算75–100mmを光学でカバーできるため、物撮りの構図自由度が高い。ポートレートでも75/85/90/100mm相当を使い分けられ、被写体との距離感を保ったまま自然なボケを作れる。円形ボケはポートレートモードをうまく使えば再現できる。


Xiaomi 15 Ultraを振り返って感じた「画質の谷間」。これを改善したXiaomi 17 Ultra
ここで前世代のXiaomi 15 Ultraを振り返ってみる。2025年世代では最強格の1台だったカメラスマホなだけあり、その写りは一線を画していた。
一方で、カメラ構成自体は合理的に見えつつも、実は画角間のバランスに課題があった。
高い表現力を持つ1型のメインカメラ、4.3倍の1/1.4型センサーを採用した望遠カメラは優秀だが、その間の3倍望遠に世代の古い小型センサーを置いたことで、特定の画角だけ画質が落ちる場面が出やすかった。
これは夜間撮影や90mm相当のポートレート撮影では顕著だ。マクロ撮影でも雰囲気の良い暗がりの場面では画質が劣る点も見られた。

この「画質の谷間」は、他社フラグシップ(OPPO、vivo、HUAWEI、HONOR)には見られず、近い例は3倍望遠を備えるGalaxy S25 Ultraくらいだろう。
特にメインから望遠カメラにかけては各社「画質を落とさないように」と多く工夫することもあって、Xiaomi 15 Ultraのような谷間のできる構成にするメーカーは見られなかった。
実際にXiaomi 15 Ultraを1年ほど使って作例を確認してみると、70mmの3倍望遠を使う場面は明るい場所で「テレマクロ」を意識した場面が多く、望遠カメラとして使う場面はかなり少なかった。
1年近く使ってみて、改めてXiaomi 15 Ultraの3倍望遠カメラは、事実上のマクロカメラであったと評価したい。
さて、後継機のXiaomi 17 Ultraでは、従来の望遠カメラで苦手とした部分を可変焦点レンズというメカ機構で解決した。
Xperia 1シリーズでも見られた機構だが、これを用いて3〜4倍域を劣化なしで連続的にカバーし、マルチカメラによる画質の谷間を解消している。結果として、撮影者は望遠撮影でも常に最適な画質で撮影できるようになった。





Xiaomi 17 Ultraはカメラ以外も順当進化。大容量バッテリーが嬉しい
カメラ以外の部分についても簡単に触れておきたい。筐体は横幅が77.6mmやや拡張されたこともあり、手に取った第一印象ではXiaomi 15 Ultraよりも一回り大きく感じる。予想以上に太い印象を受けた。
ただし重量バランスは良好で、極端に扱いづらい印象はない。ディスプレイは解像度が抑えられたものの、画面輝度が向上したこともあって日常使用や撮影時のプレビューにおいて明確なデメリットは感じられず、表示品質としては十分だ。
プロセッサには最新のSnapdragon 8 Elite Gen 5を採用。動作は非常に軽快で、撮影後の画像処理や高解像ズーム時のレスポンスも良好。ゲームなども快適に楽しめる

バッテリー容量は中国向けで6800mAhと、近年のスマホとしては大容量とは言えないものの、前世代比では約10%増量されている。
さらに90W充電に対応し、今回から汎用PPS規格を正式サポートしたことで、純正以外の充電器やモバイルバッテリーでも高速充電が可能になった点は、日常的な使い勝手の面で確実な進化といえる。
Xiaomi 17 Ultraは全てでレベルアップした次世代のカメラスマホ。日本発売にも期待
Xiaomi 17 Ultraは大きなスペック更新以上に、カメラのような撮影体験の進化をグッと感じた。特にLOFIC対応のセンサーによる高いダイナミックレンジは、夜間や明暗差のある環境での撮影体験が大きく変わる。
また、可変焦点機構を持つ望遠カメラはロマンではなく実際の撮影シーンで、画質の向上と75-100mmの間の撮影自由度を押し上げてきた。
大胆なメカ機構ゆえに故障等が気になる部分はあるものの、現時点ではもろい、故障しそうという印象はなかった。
今回はXiaomiとライカとの関係も深まり、戦略的共創モードという製品の設計段階から両社が深く関わる。Xiaomi 17 Ultraはその体制になった最初の製品であり、現時点における最高傑作としている。
この関係もあって、日本で販売されていたLeitz Phoneにあたる「Xiaomi 17 Ultra by Leica」も販売。こちらはカメラリングを回転式のインターフェースとして撮影体験を向上。随所にライカフォントやデザイン要素を散りばめたスペシャルモデルだ。
まずはファーストインプレッションとなるが、「Ultraらしいカメラとは何か」への答えとして、Xiaomi 17 Ultraのアンサーにはひとつ納得感がある。
日本でも注目されている一台なので、グローバル発表から早いタイミングでの投入を望みたいところ。作例を重ねたら今後のレビューでさらに掘り下げていきたい。


