100円ショップの中でも、個性的な商品が売り場を色取るダイソーのオーディオ系ガジェット。今回紹介するのは、ダイソーで税込1,100円で販売されている「寝ながら完全ワイヤレスステレオイヤホン」という寝ホンができるというワイヤレスイヤホンだ。
ダイソーの新商品「寝ながら完全ワイヤレスイヤホン」をチェック
今回のダイソーの新商品ら寝ながらイヤホンを使う。いわゆる「寝ホン」が快適にできるイヤホンだという。
そんな製品のパッケージには「寝ながらでも耳が痛くなりにくい」と大きく書かれており、形状もいわゆるカナル型やインナーイヤー型とは違う、豆のような独特なデザイン。いわゆる「スリープ系イヤホン」を意識した製品だ。


イヤホンは耳のくぼみに収まるような丸みを帯びた設計であり、バッテリーやアンテナを収めるスティック的な部分は存在しない。横向きに寝転がっても、耳から大きく飛び出さないのが最大の特徴だ。



実際に装着してみると、耳の中に「押し込む」感覚はかなり弱め。密閉感のあるカナル型が苦手な方でも受け入れやすい装着感だと感じた。
実際に寝転がってみて横向きで枕に頭を預けても、耳から出っ張らないことから耳が痛くなりにくいのは事実で、「寝落ち用イヤホン」としての方向性はしっかりしている。
音質は価格なりだが、「睡眠導入用」という用途を考えれば割り切れる
このイヤホン音質については正直に言うと、音楽鑑賞向けではない。すなわち音は良いとは言えないのが本音だ。
インナーイヤー型ということもあってか低音は控えめで、全体的にフラットというよりはややこもった印象。解像感や音の広がりを求めると厳しい。しっかり定位置に決まらないと、低域が抜けてしまい微妙な音になってしまうように感じた。
ただし、ポッドキャストやラジオ、YouTubeのトーク音声など、人の声を中心に聴く用途であれば大きな不満はなく利用できた。
寝る前にBGM代わりに流したり、ASMR音声や環境音を音質を求めず、小音量で流す用途なら十分実用的だ。

通信規格はBluetooth Ver.6.0に準拠。接続自体は安定しており、動画視聴時の音ズレも極端に気になることはなかった。意外にも世代の新しいチップを採用しているようだ。
コーデックはSBC/AAC対応。ダイソーのイヤホンでAACコーデック対応のものは珍しく、この点でもしっかりしている。iPhoneなどとの相性は良い。
操作はタッチセンサーで行うものの、感度はあまり悪くない。むしろ寝る時に誤作動する方が困るので、この点はこれで良いのかもしれない。
バッテリー持ちについては公称値の連続再生時間は最大約5時間、ケース込みで約12時間としている。実際に夜間にそのまま寝落ちして、朝起きたらバッテリーが切れていたのでおおむね5時間未満という印象だった。
そのため、ワイヤレスイヤホンとして電池持ちは良いとは言えないが、「寝る前に1~2時間使って、そのまま寝落ちする」という使い方なら持ちこたえてくれる。
むしろ朝まで鳴り続けない点をメリットと感じる人もいるとは思うが、その一方でケースの充電頻度が多くなる。毎日使えば2〜3日には一度、充電ケースを充電する必要が出てくる。この部分は億劫と感じた。

はじめての「寝ホン」として1100円ならアリと感じた
このイヤホンは、万能な完全ワイヤレスイヤホンではないと感じた。しかし、「寝ながら使う」「耳が痛くならない」「とにかく安く試したい」「消耗品として割り切る」という条件に限れば、全国のダイソーで入手できる入手性の高さ、1100円という価格は非常に魅力的だ。
イヤホンに高音質を求める人には向かないが、2本目のサブ用途・寝落ち用。イージーリスニングようの作業用BGMの再生用途として割り切れば、ある意味でダイソーらしい尖った製品と感じる。
寝落ち用の「寝ホン」という通常のイヤホンとは異なる領域なため、どんなものなのだろう?と感じる方は多い。Ankerなどから販売されてはいるものの、価格は8000〜2万円前後と決して安くはない。
そんな中で「とりあえず試してみる」ことができる価格と機能を備えた。ダイソーの寝ながら使えるワイヤレスイヤホンは「試せる」からこそ、利用者の新しい扉を開く商品だった。

