スマホの容量拡張に便利なmicroSDカード。しかし、ドコモやau、ソフトバンクといったキャリアで購入すると、その価格に思わず目を疑ってしまう。64GBで8000円台、128GBは1万4000円台、さらに512GBモデルともなると4万円近い価格設定となり、もはや“スマホがもう1台買えてしまう”レベルだ。
Amazonでは同容量が数千円で購入できる中、なぜキャリアではここまで高額になるのか。そして、多くの利用者が疑問を抱きながらも契約時に受け入れてしまう理由とは何なのか。本稿では、その背景と実態に迫る。
64GBで8000円!? キャリアで買うSDカードが通常よりも“4倍高い”理由
ドコモやau、ソフトバンクといった通信キャリアでSDカードを購入するとびっくりするほど高いのだ。かねてからキャリアでSDカードを買うと高くつくと言われているが、大容量化が進むSDカードは想像以上に高価である。まずは64GBからみていこう。
64GB
ドコモ:8250円
au:7480円
ソフトバンク:8496円
Amazon Sandisk製同等品:1899円
大手3キャリアで提供しているSDカードは64GBで7〜8000円の設定。これはUHS-IIといった高速伝送に対応しているものではなく、あくまで一般的なmicro SDカードである点に留意が必要。
参考までにAmazonで同等品を選べば1500〜2500円ほど。実に4倍もの差があるのだ。ノーブランド品なら1000円以下でも買えてしまうため、キャリアで買うとかなり高くつくことがわかる。
128GB
ドコモ:1万4080円
ソフトバンク:1万4400円
Amazon Sandisk製同等品:2830円
続いて128GBをみていこう。容量が倍の128GBになると、もちろん価格も上がる。しかし、キャリアで買うと1万円以上になり、市場の同等品との価格差は5倍に迫ってくる。思わず桁を間違えているのでは?と思ってしまう。こちらも一般的なSDカードと同様だ。
128GBのスマホに128GBのSDカードを追加したらプラス1.5万円…もうワンランク上の容量を選べるんじゃないかというくらい高価になってくる。

128GBのSDカードはスマートフォンに限らずカメラ用途、任天堂Switchなどの保存領域としても使われる。需要が旺盛なためか、価格もAmazonなどでは3000円前後で落ち着いている。
キャリアで扱うmicroSDカードが高価な理由はいくつかあるが、キャリア側の言い分としては、扱っている端末との動作確認をしているからというもの。相性問題がなかったり、動作速度が遅いといった点はしっかり検証されている。その証拠にキャリアのロゴが入っているmicroSDカードもある。
もっともらしい理由だが、動作確認済みという点では任天堂がSwitch 2用にサムスン製のmicroSD Expressカードをライセンス品として展開している。こちらは256GBで6980円(同等品より少し高い程度)なので、キャリア販売SDカードに比べると同じライセンス品でも価格はかなり良心的だ。
この他に故障時や紛失時の保証も手厚いという魅力もあるが、これはスマートフォンなどの端末側のキャリアの有償補償を組み合わせる必要がある。この辺りはキャリアや製品によって異なるので要確認が必要だ。
また、キャリアのSDカードが高価といっても、万一の時にデータを必ず復旧してくる保証はない。(保証がつくものもあるが、より高価になる。)
512GBは3万8000円超。もう1台スマホが買えるレベルの価格設定な大容量SDカード
近年のスマホの利用シーンを考えると、やはり256GBは欲しくなってくる。容量の少ないAndroidスマホでも写真や動画を多く撮ったり、長年使った以前のスマホから引き継ぎたいとなればこのくらいは欲しい。
このくらいの容量SDカードになってくると、高いと言われるキャリアのSDカードもそろそろ目玉が飛び出そうな設定になる。
256GB
ドコモ:2万1780円
au:2万1780円
ソフトバンク:2万4048円
Amazon Sandisk製同等品:5760円
256GBとなればさすがに各社2万円超えのオプションだ。大容量のSDカードとはいえ、ここまで金額が大きくなると購入時は躊躇してしまうレベルだが、それでも必要と念を押されれば購入する方もいることだ。
ちなみにこの価格設定は同容量の有名ブランドのmicroSD Expressカード、UHS-II対応カードよりも高価である。
512GB
ドコモ:3万8280円
ソフトバンク:3万5712円
Amazon Sandisk製同等品:1万0270円
さらに大きな512GBでは3万8000円と実に4万円近い設定だ。ここまで高価になると、もはやもう1台スマホが買えてしまうのだが、撮りためたデータやパソコンなどから取り込んだデータが積み重なっている方には高価でも欲しいと思われる。


また、これらの価格はキャリア各社のオンラインショップの価格であり、キャリアショップでの価格はまた異なることがある点に注意が必要。
なぜSDカードが高くても売れるのか。「分割払い」の落とし穴
さて、こんなべらぼうに高価なSDカードでも安く見えてしまう理由に分割払いがある。1万4000円のSDカードでも48分割なら月300円程度。「容量が少なくなった時の保険」と言われてしまえば、どこか納得してしまう値段でもある。

そんなmicroSDカードだが、ショップによっては「必要経費」として平然と料金見積に組み込まれたりすることもある。指摘されなければ気づけない方もいることだ。
また、利用者の無知につけ込み「足りなくなった時の保険」という形で不必要な大容量を提供される例もある。このような契約のトラブルは度々問題になっている。
筆者も10年ほど前にキャリアショップでAndroidスマホを買った時に、当たり前のように充電器、ケーブル、SDカードが月額料金に組み込まれていた。たかだか数千円とは言え、利用者の了解もなく「必要経費」のごとく組み込まれていたことは腹立たしいものがあった。
高額なSDカード、本当に必要?購入前に知っておきたいこと
キャリアのSDカードは動作確認や保証が付くことを理由に高価な設定となっているが、実態としては市場価格の数倍に達しているケースが多い。特に512GBで4万円近いとなれば、スマホ本体の買い替えすら視野に入る金額だ。
加えて、キャリアのミッドレンジスマホには大容量モデルの扱いはほぼなく、基本的に64や128GBがほとんど。XperiaやAQUOSはSDカードに対応していることから、足りない分の容量を増やしたり、「容量不足のお守り」としてとりあえず入れておく例も見受けられる。
契約時の分割払い表示や「必要経費」として見積もりに組み込まれる手法により、利用者が気づかないまま高額なアクセサリーを購入してしまう例も後を絶たない。容量不足の保険としてSDカードを追加する前に、本当に必要なのか、そして適正な価格なのかを改めて考えたいところだ。







