100円ショップに売っている商品の中で、一部で話題となっているものに「電球をコンセントに変換するアダプタ」がある。
何に使うのかイマイチわからないアダプタだが、DIY用途などで密かに注目されているようだ。

確かに珍妙な見た目の製品だが、意外な使い方もできそうなので、今回は使い方を考えてみることにする。
電気工事士の資格不要で部屋の天井に照明を増やす
この手のアイテムで筆者が真っ先に思いついた用途は、手軽な照明の増設だ。照明を増設する際はスタンドなどを連想するが、DIYに興味がある方なら天吊り照明なども増やしたり、カスタマイズしたいところ。
一般に蛍光灯の玉は交換できても、照明機器そのものを素人が交換できない理由も、配線の接続に電気工事士の資格が必要になってくるところにある。
動画で見てると作業は簡単!とは言っても難しいものがあり、照明器具の施工が必要になることはもちろん、照明器具と配線の接続には電気工事士の資格が必要になる。
このような理由から、原則として照明を増やすことは素人はできないものとなっている。ところが、特定のレギュレーションに抑えれば天井に照明をつけることはできる。
この記事ではあくまで、100円ショップに売っている電球用のソケットアダプターを使い、見栄えなどを無視して「安く、手ごろかつ、資格不要で」照明を増設したり、仮設したい方向けのものとなる。

今回ダイソーで購入したものは、電球の先はよく見るコンセントプラグとなる。端子等によるケーブルの接続もなく、配線器具の取付にも該当しないため、設置するにあたって電気工事士の免許は不要だ。

これを使えばいちおう天井にも照明を増やすことができる。灯具の固定にも一部制約があるため、あくまで仮設程度にとどめておきたい。

一灯だけならアダプタとLED電球(40W)、延長コードのみで完結するので、一か所あたり500円でできてしまう。つけた様子はチョウチンアンコウのような見た目だ。
1箇所500円となれば、ホームセンター等で販売される照明よりも安価だ。また、消費電力は増えるものの、100Wタイプ等にすればより明るくすることができる。


また、三口にできるタップを入れることで、照明も3灯まで増やせる。見た目は不格好だが、なんとなく照明機器っぽくなるはずだ。
天井などに仮設することを想定し、限られたレギュレーションの中で万全を期すなら、抜け止め機能付きのタップがあるとなお良い。
スイッチや配線は電源タップや延長コードを使えば電気工事士資格は不要
さて、この状態では照明にはスイッチがなく、コンセントの抜き差しでの電源オン・オフとなる。電源スイッチがない点は不便だが、これも同じくダイソーで購入できるスイッチ付きの電源タップを利用すれば解決だ。

スイッチ付きタップなら手元で制御できる
タップの配線は一般に露出配線(配管とかに入れないもの)となる。これも配線に関して色々資格がないとできない作業があるためだ。
また、タップのコードの固定に関してはせいぜい結束バンドで落下しない程度に留めておこう。見た目は絶望的に悪くなってしまうが、完全に固定するには電気工事士の資格が必要になるクソめんどくさいトラップがあるので注意だ。
予備知識として、電気工事業法では、電気工事士の資格を必要としない配線接続で認めているものは「コードまたはキャブタイヤケーブル」となっており、キャブタイヤケーブルは「点検できる隠ぺい場所」のみにしか利用できない。
「コード」は絶縁体の直下に導体があるものを指し、一般的な家電製品の電源コードのようなものを思い浮かべてほしい。
「点検できる隠ぺい場所」とは、いわゆる開口部のある天井裏などを指し、壁コンセント等の容易に点検できない場所では利用できない。


住宅内であれば、スマートコンセントを用いて、お手持ちのスマートフォンやGoogle Homeなどのスマートスピーカーで制御する方法もアリだ。わずか3000円で自由度の高いスマート照明の完成だ。
配線については「プラモール」と呼ばれる樹脂製ダクトであれば電気工事士の資格なしでも配線できる。見た目が気になる方や興味がある方はチェックしてみてほしい。
仮にも配管等への配線、ケーブルをステップル等で留める作業、コンセントプラグ以外への接続には電気工事士の資格が必要になる。そのため、本格的に照明の修理や増設が必要な場合は業者等に依頼するのが確実だ。

一応これでも筆者は電気工事士の資格をもっているのだ。
意外な用途。撮影用の照明として利用する。
この電球のアダプタを使えば安価かつ、比較的高い出力の照明を作ることができる。これを応用して汎用性の高い撮影用の照明を仕上げることもできる。
確かに同じくダイソーで販売される100Wの白熱電球を利用し、500円の三脚に結束バンド等で固定すれば、延長コードを含めても1000円程度で簡易的なスポット照明が出来上がる。

この状態のまま三脚に固定すれば良い。必要に応じてレフ板などを組み合わせると良い。光量の調整※は中間調光器を用いれば可能だ。あとは延長コードで長さはなんとかなる。
※調光器は一般のLED電球では使用しないでください。
このような証明はモノ撮り用のスポット照明はもちろん、ポートレート撮影の光源、クロマキー合成時の影対策、お子様の自由研究などなど、使い方はユーザー次第だ。その上、全国のダイソーで安価に調達できる点はありがたいものだ。
また、電球は安価なので必要な光の色が欲しい場合は、電球のガラスそのものをスプレー等で塗るのも手だ。
安いけどもアイデア次第で使い方は無限大。自由度が最も高い照明かもしれない。
ダイソーの電球をコンセントに変換して使うアダプタ。摩訶不思議なアダプタと称されたが、意外にも使い道はありそうだ。
押し入れやクローゼットに照明を増設したりする際には便利な商品だ。筆者としても電気工事士免許が不要な分、手軽に灯りの悩みを解決できることは良いことだと思う。また移動式の照明など利用する分には、コスト面も含めて扱いやすいものとなっている。
一方で、100Vの電気を扱うものとなるため、感電などには注意していただきたい。今回のダイソーのアダプタは100Wを超える高出力ランプの使用や、ソケットの改造などは危険なので厳禁だ。
皆さんも興味が湧いたらダイソーをチェックしてみてはいかがだろうか。





