nubiaが「最強」のゲーミングスマートフォンとして展開しているREDMAGICシリーズ。その最新作となるREDMAGIC 10 Proが、日本でもいよいよ発売となった。今回は発売に先立ち利用できる機会があったのでレビューしたい。
まさに「最強」スペックに仕上がったゲーミングスマホ。REDMAGIC 10 Pro
REDMAGIC 10 Proはnubiaから発売されているゲーミングスマートフォン。現在はシリーズ共通して画面内に埋め込んだフロントカメラ(アンダーディスプレイカメラ)や、本体内蔵空冷ファンを特徴とする。簡単なスペックは以下のようになる。
SoC:Qualcomm Snapdragon 8 Elite
メモリ:12/16/24GB
ストレージ:256/512GB/1TB※日本展開モデル
画面:6.85型 AMOLED 2688×1216解像度
144Hzリフレッシュレート対応
バッテリー容量:7050mAh
80W充電対応
OS:REDMAGIC UI 10/Android 15

画面はフラットディスプレイを採用
今回レビューの機種はブラック系のShadow。「X」を模した特徴的なテクスチャ加工が特徴
イヤホンジャックやゲーミングモードに入れるスイッチも備える
超高性能なSnapdragon 8 Elite搭載!REDMAGIC 10Proは高い性能を見せつける
REDMAGIC 10 ProのプロセッサはQualcomm製の最新ハイエンドプロセッサ Snapdragon 8 Elite mobile Platformを採用している。
CPUコアに新アーキテクチャが採用されており、従来よりも高い性能と省電力化を達成したチップセットだ。
メモリは12または16GB、本体ストレージは256GBまたは512GBを用意。今回はメモリ24GB、ストレージ1TBの最上位構成も日本向けに追加された。
ストレージはUFS4.0規格のものを採用し、高速な読み出しが可能になっている。日本でニーズの多いSDカードは利用できない。
そしてREDMAGICと言えば本体に内蔵された「空冷ファン」の存在。世界的にみても採用する機種は、今やREDMAGICシリーズしかない唯一無二の構成。この空冷ファンとベイパーチャンバーを組み合わせた「ICE-X」という冷却機構を採用する。
そんなREDMAGIC 10 Proでは、長時間のゲームでもとにかくパフォーマンスが落ちない点が特徴。原神を連続1時間遊んでもフレームレートが落ちることはほとんどなく、高い性能を長く維持できる。

空冷ファンを備えるため、本体は防水防塵には非対応
ゲームランチャーをはじめとしたソフトウェア面ではゲーム用の設定も多く備わる。ゲーム起動時は画面の左右からスワイプすることで、アップスケーリング等の各種メニューを呼び出せる。
ゲームプレイ時も簡単に各種設定が可能
今回のレビューにおいて、いくつかゲームを遊んでみた。人気コンテンツの原神、崩壊スターレイルでは最高画質でもパフォーマンスに全く不満を感じない。Snapdragon 8 Eliteのハイスペックと高い冷却性能のおかげか、近年出ている重量級なゲームでも余裕の動作だ。

高負荷な原神も快適に動作


同じく高い性能が求められる「学園アイドルマスター」はVer1.8.0にて高画質設定が可能に。1.5K解像度をネイティブで描写できる
今作では「原神」「崩壊スターレイル」などの一部ゲーム向けにアップスケーリング(画質向上)とフレーム補完が可能。前者はより高画質な描写を、後者はより滑らかな描写を行える。特にフレーム補完は120Hzで動作するため、滑らかさはプレイングでも実感できる部分だ。

原神はアップスケーリングとフレーム補間が可能

アップスケーリングの効果はかなり大きく、オンにするとキャラクターを拡大してもくっきりしていることがわかる。画面解像度の高いスマートフォンの要素、高いプロセッサ性能をしっかり活かせる。

崩壊スターレイルなどの対応コンテンツでは、フレーム補完による120Hz動作も可能
特徴的な機能として、ゲーム画面を外部出力することも可能。大画面で出力するだけでなく、スマートフォンにBluetooth接続したキーボードやマウスをゲーム操作に割り当てることも可能。
これによってPCコンテンツさながらの操作が可能であり、スマホとパソコンの両方で遊べるクロスプラットフォームコンテンツでは、スマホ版でもPCと同じ操作で楽しめる。
REDMAGIC 10 Proでは従来機同様にショルダートリガーを採用。ゲームコントローラーのL/Rトリガーとして利用できる。画面タッチ以外にも各種ゲームの動作を割り当てることが可能。
本体側面にL/Rトリガーを備える。
5000万画素のカメラ。ゲーミングスマホとしては思ったよりもキレイ
REDMAGIC 10 Proは3眼のカメラを採用している。メインカメラのセンサーはOmniVision製のOV50eを採用しており、センサーサイズも1/1.55型とこの手のスマホとしては大型。
メインカメラ:5000万画素
超広角カメラ:5000万画素
マクロカメラ:200万画素
フロントカメラ:1600万画素
また、近年のnubiaスマートフォンが得意とする換算35mm画角ではなく、REDMAGIC 10 Proでは一般的なスマートフォンと同様の24mm前後の画角。普通のスマートフォンと同様に利用できる。

カメラはメイン、超広角、深度の3眼構成
以下REDMAGIC 10 Proでの作例となる。基本的にオートで全て撮影している。
ここまではメインカメラの作例。センサーのスペックもさることながら、Snapdragon 8 Eliteの高いISP性能もあって思ったよりも綺麗に撮れている



超広角カメラも従来と比較して綺麗に撮影できるようになった
待望のおサイフケータイにも対応!普段使いもしっかりこなせるREDMAGIC 10 Pro
REDMAGIC 10 Proはディスプレイの下にフロントカメラを備える「アンダーディスプレイカメラ」(以下:UDC)を採用している。フロントカメラの部分も画面として利用できるので、没入感の高い仕上がりだ。
画面のリフレッシュレートは新たに144Hzに対応し、タッチスキャンレートは960Hzに対応した。加えて、画面輝度も従来より向上し、ピーク時の輝度は2000nitと屋外での視認性も良好だ。
フロントカメラもよりきれいに撮れるように進化。このUDCは第7世代と呼ばれるものが採用されており、カメラ部はぱっと見確認できないくらい進化している。

ステータスバー内のインカメラを視認することは難しい
本体スピーカーはステレオ構成。DTS-X認証を取得しており、スマホのスピーカーにしては音質も良い。音量自体も従来モデルより大きくなっている。
本体バッテリーは7050mAhと現状出ているスマホではトップクラスの大容量バッテリーを採用している。電池持ちについては、従来機のREDMAGIC 9 Proと比較しても容量が増えた分もあって向上した印象。
実際に原神のようなゲームを2時間遊んだり、これに30分の動画撮影などを加えても、モバイルバッテリーなしで1日利用できた。加えて、100Wの急速充電にも対応しており、大容量バッテリーでも高速で充電可能。充電器も付属しているので、購入したらすぐに利用できる点は嬉しい。
また、REDMAGIC 10 Proは日本向けは「おサイフケータイ(FeliCa)」を初めて採用。ゲーム専用機としてのスマホではなく、普段使いのニーズにもしっかり応えられるように進化した。

REDMAGIC 10 Proはおサイフケータイに対応する
REDMAGIC 10 Proでは「REDMAGIC UI」というカスタムUIを採用。競合するAndroidスマートフォンよりもタスク管理などを重視しており、ゲーム時に性能を最大限に発揮できるような構成だ。
REDMAGIC UIは最新バージョンを採用
REDMAGIC 10 Proはおサイフケータイ対応で価格は12万2800円から。
最後になるが、REDMAGIC 10 Proは価格面も攻めている。日本では12/256GBの構成で12万2800円、16/512GBの構成では14万8800円の価格設定。最上位の24GB/1TB構成でも18万9800円と20万円以下に抑えた。
近年の高騰するハイエンド端末の中では安価な設定。特に日本向けにはおサイフケータイ(FeliCa)対応という大きな武器をひっさげてきた。カメラ性能も以前に比べると向上しており、比較的綺麗に撮影できる。進化したフルディスプレイ、7000mAhクラスの大容量バッテリーなども魅力の要素だ。
惜しい点は防水性能がないこと、アップデートがどこまで継続されるのか微妙なところ。それでも高いゲーム性能、視聴体験を求めるユーザーにはお勧めできるスマートフォンだ。
筆者としてはこのスマートフォンを手にして、今現在における究極のゲームエクスペリエンスを体験して欲しい。このスマホを手にしたらソシャゲの負けを「スマホのせい」にはできなくなりそうだ。
商品貸出:FastLane Japan 株式会社