こんにちは。これまで使ったスマホは300台以上。生まれはギリギリZ世代のライター はやぽんです。
さて、この秋に発売されるXiaomiのコストパフォーマンスに優れたハイエンドモデルとして話題の「Tシリーズ」。今年のXiaomi 15Tシリーズは性能の向上も合わせて、ライカと共同開発したカメラもしっかり日本向けに載せてきた。今回は国内版のXiaomi 15TをXiaomi Japan様よりお借りできたのでレビューしたい。
Xiaomi 15Tのスペックをおさらい。Xiaomi 15T Proの兄弟モデル
Xiaomi 15Tシリーズは今年9月に発表されたハイエンドスマートフォンだ。Xiaomi 15 Ultraといったフラグシップとは異なり、コストパフォーマンスを重視しつつ高性能に仕上げた製品群だ。Xiaomi 15Tの基本的なスペックは以下の通り。
SoC MediaTek Dimensity 8400 Ultra
メモリ 12GB
ストレージ：256/512GB
画面：6.83型 AMOLED
120Hzリフレッシュレート対応
カメラ
メイン:5000万画素 f1.7
超広角:1200万画素 f2.2
2倍望遠:5000万画素 f1.9
バッテリー:5500mAh
67W 急速充電対応
防水等級：IP68
本機種はライカ共同開発のカメラを備えており、従来機よりも性能向上にフォーカスを当てた。今回レビューの普及モデル「Xiaomi 15T」は、Xiaomi 15シリーズのアピールポイントだ。
また、本機種はMediaTek製のプロセッサ Dimensity 8400を採用する。POCO X7 Proなどにも採用されており、Snapdragon 8s Gen 3にも引けを取らない高い性能が特徴。バッテリー容量も5500mAhと大容量な点もうれしい。
6万円台でもライカ共同開発カメラがうれしい。この価格では充実のカメラ性能
ここでは売りのカメラについてチェック。メインのカメラは5000万画素、イメージセンサーには自社ブランディングのLight Fusion 800を採用。センサーサイズは1/1.5型。これはPOCO F7 Ultraにも採用されており、Xiaomiとしてはチューニングにも長けているものと考えられる。
それ以外には1200万画素の超広角カメラと5000万画素の2倍望遠カメラを備えている。望遠カメラは光学4倍相当まで劣化を抑えて撮影可能。f1.9の明るいレンズを採用しており、暗いところでの撮影性能を高めた。
この辺りは「コスパ重視」の製品ながら、200万画素のマクロカメラ等でお茶を濁すようなことはしていない。廉価でもカメラに関しては「ライカの高い目標」に準じたクオリティの部品構成となっている。フロントカメラは3200万画素のものを採用する。
ここまでいくつか撮影したが、Xiaomi 15シリーズ以降の「柔らかい」チューニングがうまく反映されている。この辺りはライカのチューニングがうまく生きていると感じる。
また、従来のDimensityプロセッサ搭載機ではカメラ性能が高いものは少なく、同じグレードのSnapdragon搭載機に差を開けられているものが多かった。この写りには驚きだ。
今回のDimensity 8400 UltraではISP性能も大きく向上し、より豊かな表現を可能にしたとしている。写りを見ればこれは納得だ。
超広角カメラ、望遠カメラも綺麗に撮影できる。望遠カメラは光学2倍という構成なので、メインカメラのインセンサーズームでカバーできそうだが、どちらかといえば4倍までカバーするための構成と評価したい。
一方でどちらのカメラもOIS（光学式手ぶれ補正）には非対応、テレマクロにも対応しないなど、コストを抑えた部分は見受けられる。さらなる高画質、使い勝手をしっかり求めるのであれば、上位のXiaomi 15T Pro、Xiaomi 15 Ultraを選ぶと良さそうだ。
動画撮影については4K 60fps撮影も可能。ここは後述のMediaTek製のフラグシッププロセッサ「Dimensity 8400」を採用したことによる恩恵が非常に大きい部分だ。
Xiaomi 15TはDimensity 8400 Ultra採用！普段使いやゲームも快適で納得の高性能スマホ
Xiaomi 15TはMediaTekの最新ハイエンドプロセッサ「Dimensity 8400 Ultra」を採用。コア構成は周波数の異なるCortex-A725を組み合わせた8コア。オールビッグコア構成のプロセッサだ。
性能の低い省電力コアがない構成のため、より高いCPU性能を求める場面では強みを発揮できる。一方で処理機構を見直し、Dimensity 8300比で同じパフォーマンスを20%低消費電力で動かせるとした。この他にも高性能なARM Mali G720 GPU、オンデバイスAI処理にも対応したMediaTek NPU 880を搭載する。
Dimensity 8400 UltraはMediaTekのハイエンドプロセッサであり、基本性能は3世代前のフラグシップであるSnapdragon 8 Gen 3に迫る性能を持つ。このため、普段使いはもちろんのこと、原神や学園アイドルマスターといった高負荷なゲームの高画質設定でも比較的快適に遊べる部類だ。
また、Xiaomi 15Tでは「Xiaomi 3D IceLoopシステム」というベイパーチャンバーを用いた冷却機構を搭載。長時間の動画撮影やゲームも快適に遊べるとした。
本体は樹脂製フレームを採用。背面の材質も上位のXiaomi 15T Proとは異なるものの、高級感は備えている。
日本でのカラーはローズゴールド、グレー、ブラックの3色展開。前作よりも落ち着いた仕上がり。今回レビューの「ローズゴールド」はXiaomi 15T Proのモカゴールドとは異なる落ち着いた仕上がりで、より高級感を備えると感じた
ディスプレイは「CrystalRes」と称するAMOLEDパネルを採用。画面サイズは6.83型と従来機よりも大型化。画面解像度は2772×1280で最大120Hzのリフレッシュレートに対応する。
画面輝度もピーク時4000nitと明るいものが採用されており、この点についてはハイエンド機にも引けを取らない。3840HzのPWM調光にも対応する目に優しいディスプレイだ。
Xiaomi 15TはXiaomi 15T Proと同じディスプレイを採用しており、ディスプレイに関してはかなりコストパフォーマンスに優れる。画面保護フィルムも貼られているため、こだわりがなければ別途購入の必要もない。
本体バッテリーは5500mAhのものを採用。従来よりも大容量化を果たしている。67Wの急速充電にも対応し、50分でバッテリーを満充電可能だ。
Xiaomi 15TシリーズはIP68防水に対応。先行して販売されていたXiaomi 15シリーズに続く形となり、より使いやすくなっている。
このほかXiaomi オフラインコミュニケーションという機能を備え、電波が届かない範囲でもXiaomi 15Tシリーズ同士なら最大1km前後までトランシーバーのように通話可能としている。
OSはAndroid 15ベースのXiaomi HyperOS 2を採用。従来よりも家電製品やスマートフォームなどとの連携性が高めれている。日本向けではタブレット端末との高い連携性などを体験することができる。
ソフトウェア回りでは「Advanced AI」と銘打って、AI性能大きくアピールした。純正のギャラリーアプリのAI消しゴムやAI拡張機能はもちろん、ボイスレコーダーの文字起こしや翻訳にも対応する。
また、グローバルなGoogleのAIであるGeminiにも対応し、かこって検索等の機能が利用できる。Galaxyなどと同様に自社のメモアプリなどと接続し、便利に利用することができる。
価格は6万4800円から。「お手頃ライカ」でスマホ市場にアピールするXiaomi 15T
Xiaomi 15T というスマホは高い性能、ライカ共同開発カメラを備えつつ、6万円台にまでコストを抑えたスマートフォンだ。今年も多くの商品を発表したXiaomiの新商品発表会の目玉にふさわしく、このスマートフォンもかなり攻めた価格設定となった。
価格はオープンマーケット版の256GBモデルが6万4800円、512GBモデルが7万4800円、また初回購入特典としてワイヤレスイヤホン「Redmi Buds 6 Pro」（1万円相当）が無料で提供されていた。
また、本機種は日本向けの発表会が行われた9月26日に発売されており、グローバル発表からわずか2日後、国内向け発表と同日に販売開始という異例のスピード感を見せつけた。グローバルから2日のタイムラグで発売は競合製品には見られない「異例の速さ」と評価したい。
それゆえに現時点では大手通信キャリアの取り扱いはなく、MVNO（格安キャリア）と直販ストアを含めたオープンマーケットのみの展開となっている。従来までのXiaomi 13T、14Tは共にKDDI専売だったこともあり、ベースグレードの販売チャネルはかなり広がったと評価したい。
本機種の惜しいところとして、Dimensityプロセッサを採用したことで、aptX Adaptiveといった高音質なオーディオコーデックには非対応な点がある。同社のXiaomi Buds 5、Xiaomi Buds 5 Proの高音質コーデックが利用できないのは惜しいところ。この辺りはPixelやGalaxyと同じようなものと思ってもらえれば幸いだ。
また、コストの関係からXiaomi 15Tは上位のXiaomi 15T Proと異なり、おサイフケータイには対応しない。購入を検討する際には注意して欲しいポイントだ。
ソフトウェアアップデートについては、Xiaomi 15Tは海外版とほぼ同等のハードウェアになっていることもあり、提供はほぼオンタイムで行われる見込み。グローバル向けは4回のOSアップデート、6年間のセキュリティアップデートを提供するとしている。
そんなXiaomi 15Tは日本で8万円近い価格で販売されるハイエンド機種と比較しても、スペックで劣る点は少ない。高性能なハイエンドプロセッサ、明るくて綺麗な画面、ライカ共同開発カメラ、67Ｗの充電体験といった要素をしっかり備えており、他社製品との差別化も図られている。
普通に使うもヨシ、往年のXiaomiスマホらしく各種カスタマイズして利用するもヨシ。Xiaomi 15T Proはこの冬、性能的にも、機能的にも、カメラ性能も。お得にかつ、満足に利用できる注目のハイエンドスマートフォンだ。
商品貸出:Xiaomi Japan
