「初心者向け」と言われて買ったのに、なぜか使いづらい
スマホを買った後にこう思ったことがある方もいることだろう。日本のキャリアでは、使いやすい機種よりも廉価でスペックが低いスマートフォンのことを「初心者向け」のスマートフォンとして展開することが多い。
その一方、この「初心者向け」というキャッチコピーを当てにして買ったところ、性能や容量が足りずに不満に思ってしまうことも多い。今回は、そのような機種が初めてスマートフォンを使う「初心者」に向いているのか。改めて考えてみる。
ガラケーからの乗り換えで低スペックスマートフォンに「初心者向け」という名称を使うキャリア
初心者向けスマホ。基本的にこのようなスマートフォンは、ガラケーから乗り換えるユーザーに対してアプローチしてるものが多い。理屈としては初めてスマートフォンを使うことから「初心者向け」「エントリー」というものになる。
昨今におけるガラケーからの乗り換えとなれば、そこそこ年齢が高い層をターゲットにしている。FOMA等では対象向けサービスの多くが終了する中、それでも使い続けるとなれば、使用用途は通話やメールのみと言ったところになる。確かにその用途であれば、高性能なスマートフォンは必要ないはずだ。
また、この価格帯は3Gガラケーだけでなく、4Gの「ガラホ」からの乗り換え需要も狙っている。ガラホからの変更では端末割引が制限されるため、必然的に端末価格の安いモデルが選ばれやすくなる背景もある。

初めてスマホを使う「初心者」でも、利用頻度は初心者とは限らない
一方で、「スマートフォンに詳しくない=使用頻度が低い」とは限らない。スマートフォンの仕組みやスペックには詳しくなくとも、日常的にSNSや動画、各種アプリを活用するユーザーは少なくない。
こうしたユーザーにとって、性能の低い端末やストレージ容量の少ないモデルは、不満の原因になりやすい。実際、店頭スタッフに勧められるまま購入し、後から「動作が重い」「容量が足りない」と後悔するケースも珍しくない。
「初めてスマートフォンを使う人におすすめ」という表現は、保護者が子どもに持たせるスマートフォンとしても該当してしまう点にも注意が必要だ。ガラケーからの乗り換え層とは異なり、子どもの利用用途は時間とともに大きく変化する。
当初は「ゲームやSNSは使わない」としていても、1年、2年と使い続ける中で、周囲の影響を受けて利用範囲が広がるのは自然な流れだ。近年のアプリは最新の環境を前提に設計されることも多く、最低限の性能しかない端末では、数年で動作が厳しくなるケースも出てくる。
近年のアプリは最新の環境向けに設計されていることも多く、最低限の性能しかないスマートフォンではものの数年で動作が厳しいものもいくつかある。この辺りはよく話し合って選ばないと、スマートフォン選びで失敗してしまう。現在のエントリー向けスマートフォンは極端に低性能なものは少ないが、ゲームなどを動かすには、性能が足りないものも少なくない。

もちろん、カメラ性能やストレージ容量にも制約がある。近年の機種では3万円以下でも256GBの大容量モデルを選べる例も出てきたが、64~128GBがまだまだ主流。長く使うならこのあたりも考える必要がある。

「初心者向け」スマホは、むしろ上級者向け。もう少し性能があればトラブルも減るのでは
さて、キャリアは初心者にスペックの低いスマートフォンを勧めるという風潮があるが、このようなスマートフォンは自分の利用シーンをしっかり把握できているある意味「上級者向け」のもの。近年の廉価のスマートフォンはアップデートも以前より積極的には行われているものの、長く使えるかと言われると難しいところがある。
に安い機種でも1年前後はある程度快適に使えるが、2年3年使っていくとなると、かなり厳しいものになる。このような機種は電話やメールだけ、コミュニケーションアプリだけといった使い方でないと厳しいと考える。

筆者としては何もわからない初心者ほど「スマートフォンの性能には、ある程度余裕を持たせた方がいい」という意見だ。そのため、初心者向けに「ただ安い機種」を売るだけというのは、あまり良くないものだと考える。
初心者向けスマートフォンはキャリアとしても、もう少し余裕のあるスペックをもつ機種をラインナップする。そのような意味では、かつての10万円近いハイエンドの端末が一括1円で購入できた規制前の方が、端末のスペックによる不満は少ないものだった。
予算でよく言われる”4万円台”クラスで性能的にも、サポート的にもある程度利用できる機種をキャリアも「初心者向け」としたほうが良いと考える。そのようになれば「初心者向けスマホ」に対する疑問も少しは晴れるはずだ。



