ダイソーで人気の「USB-Cで充電できる乾電池」。手軽さの一方で、充電時の安全性や単4サイズへの対応に課題もあった。そこで注目したいのが、充電ケースで安全に管理できる乾電池型のリチウムイオンバッテリーだ。今では充電器もUSB Type-C端子で充電でき、ワイヤレスイヤホンのようなスタイリッシュなケースも登場するなど、かつての充電式乾電池よりも利便性は向上している。
今回は以前に「気になる」と紹介したimutoブランドの乾電池型リチウムイオンバッテリーをレビューする。実際に使ってみると、構造面でも充電面でも一歩進化した“安心して使える充電池”に仕上がっていた。

USB Type-Cケーブルで充電できる「乾電池型」のリチウムイオンバッテリー。ダイソーの弱点を克服
USB端子搭載の「乾電池型」のリチウムイオンバッテリーは、従来の充電式乾電池のような専用充電器が不要な手軽さが最大の売り。ダイソーで売られていることで話題となっている。

今回は、以前に紹介した「充電ケース」を備えるimutoのバッテリーとなる。サイズは単3電池と単4電池がラインナップされており、それぞれのサイズのほか「単3電池と単4電池のコンボ仕様」もある。



このバッテリーの公称電圧は1.5Vとのことで、従来のニッケル水素二次電池の1.2Vなどに比べると高く、一般的な乾電池と同様だ。このため、充電池にしたことで電圧不足となり動作しない場面は少ないと考える。
購入個体の実測電圧は1.51~1.53V。アルカリ電池に近い値で、多くの乾電池機器にそのまま入れて使える立ち上がりだといえる。

公称容量は単3電池型が2000mAh、単4電池型が780mAhとしているが、降圧時の変換効率などを考えると取り出せる実容量は70〜80%前後と思われる。このバッテリーは実際にテレビのリモコン、マウス、懐中電灯などの乾電池で動作を確認した。


充電用のUSB-Cポートはケースの蓋側にある。ケーブルを直差し、一般的なPD充電器(65W級)でも充電ができた。実際の充電は5V系で行われるため、手元の急速充電器でも「普通に充電できた」程度の理解でよい。

電池の充電中はLEDが緑点滅、満充電で点灯に変わる挙動も確認できた。充電時間の目安は約1時間30分ほどだった。

また、この手の充電ケースにバッテリーを収めるタイプでは、誤って対応しない充電池やサイズが同じ乾電池を充電してしまう恐れがある。これについても、今回レビューしたバッテリーは充電器に保護回路が内蔵されており、対応していないバッテリーは識別できる仕組みが採用されている。
誤った電池を入れてしまった際は充電されないので、その点は安心して利用できそうだ


USB充電できる乾電池は手軽だが、注意点も。高負荷機器や音響機器では相性に注意
USBで手軽に充電できる乾電池型のリチウムイオンバッテリーだが、乾電池やニッケル水素充電池とは全く異なる特性を持つ。一般に乾電池では残量がなくなるとジワジワと電圧が落ちてくる。プラレールを走らせると、電池残量が少なくなるほどスピードが出なくなることを連想して貰えば良い。
一方で、この手の電池はバッテリーの残量がなくなると、膝折れ型といわれるストンと電圧が落ちる特性がある。これはさっきまで元気に走っていたプラレールが、突然スッと動かなくなってしまうようなもの。
これは1.5Vの定電圧をねらうIC内蔵型の乾電池型リチウムイオン電池では一般的な特性とされるが、上記の通り、一般的な乾電池とは明らかに異なる挙動なので注意が必要。このあたりの挙動はダイソーのものと同じだ。
この手の電池では突然電圧が落ち、出力しなくなるため、機器によっては「電池の減り具合」の兆候がわかりにくくなる。具体的にはプラレールの速度が遅くなる、ラジオのスピーカーの音が小さくなる、照明が暗くなるといった兆候だ。これらの兆候がないため、電池交換のタイミングがわかりずらいのだ。
また、電池内部にスイッチング系の回路を抱えるため、ラジオや無線機、ポータブルアンプなどの音響機器やノイズに敏感な機器とは相性が悪い。一般に懐中電灯等の灯り系、リモコンや時計、PC周辺機器には相性が良く、精密・高負荷機器には乾電池やニッケル水素電池の方が安心、という線引きをしておくと運用が楽だ。
ダイソーのバッテリーで指摘されていた「つあやや大型で危機によってはうまく波がないといった事象も、この電池であればより一般的な炭酸電池のサイズに近いため、シビアに作られている。危機でも平常できそうだ。

単4サイズ対応&安全重視ならimutoのような「充電ケース式」バッテリーという選択肢もアリ
この手のバッテリーは刺さる人には強烈に刺さるニッチよりのアイテムだ。確かに旅行・出先で“ケーブル1本で乾電池が復活するのは強く、スマホ用のモバイルバッテリーで充電できることから、乾電池機器の非常用にも良い。
ダイソーのバッテリーは専用充電器が不要な点、1本あたりを充電するのには便利だが、充電時も端子が剥き出しになるなど扱いにはやや気を使う仕様。それに比べるとワイヤレスイヤホンのような感覚で充電できるimutoのバッテリーは、多少高価にはなるものの充電時の安全性に優れていると考える。

もちろん、乾電池とは異なる特性やノイズ面のクセ、相性問題、充電しながらの使用は厳禁という点は“知って使う”前提の製品だ。充電ケースが必要という点は見方によっては惜しいものの、USBで簡単に充電できる点、単4サイズも安心して利用できる点はプラスポイント。
ダイソーの乾電池型リチウムイオンバッテリーから興味を持った方。単4電池サイズのものが欲しい方はチェックしてみてほしい。




