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ダイソーのUSB Type-C充電式単3電池をレビュー 充電器いらずの手軽さは便利だが、注意点も

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 ダイソー店頭で見つけたUSB-C直挿しで充電できる単3形リチウムイオンバッテリー。パッケージ表記は容量1332mAh、充放電サイクル約300回、価格は税込550円。今回は実際に使えるのか確認していこうと思う。

ダイソーでもニッチなUSB端子の乾電池型のバッテリーが買える
目次

USB Type-Cケーブルで充電できる「乾電池型」のリチウムイオンバッテリーがダイソーに登場

 USB端子搭載の「乾電池型」のリチウムイオンバッテリーは、従来の充電式乾電池のような専用充電器が不要な手軽さが最大の売りだ。今回ダイソーで売られていたものは、単三電池サイズのバッテリーとなる。

ダイソーでは1本単位で販売されている
見た目は普通の単三電池だ。

 このバッテリーの公称電圧は1.5Vとのことで、従来のニッケル水素二次電池の1.2Vなどに比べると高く、一般的な乾電池と同様だ。このため、充電池にしたことで電圧不足となり動作しない場面は少ないと考える。購入個体の実測電圧は1.51~1.53V。アルカリ電池に近い値で、多くの乾電池機器にそのまま入れて使える立ち上がりだといえる。

今回レビューした電池の実測値は1.515V。普通の乾電池相当だ

公称容量は1332mAhとしているが、降圧時の変換効率などを考えると取り出せる実容量は700〜1000mAh前後と思われる。このバッテリーは実際にテレビのリモコン、マウス、懐中電灯、ミニ四駆などの乾電池で動作するもので動作を確認した。

リモコン等の電池としては相性が良い

 USB-Cポートはプラス端子側に切られており、ケーブルを直差し、一般的なPD充電器(65W級)でも充電ができた。実際の充電は5V系で行われるため、手元の急速充電器でも「普通に充電できた」程度の理解でよい。

USB端子はプラス端子側に備える

 電池の充電中はLEDが青点滅、満充電で点灯に変わる挙動も確認できた。充電時間の目安は約1時間30分ほどだった。

充電中は青ランプが点滅する

一方で、電池側面ではなく、プラス端子側に充電口がある関係から、充電する時は機器から電池を取り外す必要がある。この手の電池では、USB給電中は端子から3〜4Vほどの電圧が取り出せてしまうため、機器に入れた状態で電池を充電すると、電池を入れた機器を破損させる恐れがある。この点、ダイソーの電池はプラス端子にあるので、その手の事故を防ぐことができる。

充電が手軽で便利な電池だが、注意点も。乾電池とは異なる特性ゆえに「相性の悪い」機器も

 USBで手軽に充電できる乾電池型のリチウムイオンバッテリーだが、乾電池やニッケル水素充電池とは全く異なる特性を持つ。一般に乾電池では残量がなくなるとジワジワと電圧が落ちてくる。プラレールを走らせると、電池残量が少ないほどスピードが出なくなることを連想して貰えば良い。

 一方で、この手の電池はバッテリーの残量がなくなると、膝折れ型といわれるストンと電圧が落ちる特性がある。これはさっきまで元気に走っていたプラレールが、突然スッと停まってしまうようなもの。

 これは1.5Vの定電圧をねらうIC内蔵型の乾電池型リチウムイオン電池では一般的な特性とされるが、上記の通り、一般的な乾電池とは明らかに異なる挙動なので注意が必要だ。

 この手の電池では突然電圧が落ち、出力しなくなるため、注意点として「電池の減り具合」の兆候がわかりにくくなる。具体的にはプラレールの速度が遅くなる、ラジオのスピーカーの音が小さくなる、照明が暗くなるといった兆候だ。これらの兆候がないため、電池交換のタイミングが計りずらいのだ。

 特に電池の残量が表示できるものの多くは、電圧の低下具合で残量を算出しているため、残量正常に表示されない可能性が高い。利用する際は注意が必要だ。一例にゲームボーイアドバンスで使うと、電池残量が少なくなった時のランプの点滅挙動が起こらないまま、スッと電源が落ちてしまうのだ。

 また、電池内部にスイッチング系の回路を抱えるため、ラジオや無線機、ポータブルアンプなどの音響機器やノイズに敏感な機器とは相性が悪い。1.5Vを要求し、電圧急落で誤動作しやすい機器(カメラのストロボ等)との相性もあまり良くない。一般に懐中電灯等の灯り系、リモコンや時計、PC周辺機器には相性が良く、精密・高負荷機器には乾電池やニッケル水素電池の方が安心、という線引きをしておくと運用が楽だ。 

充電式乾電池にはPSEマークあり、ダイソーで買えることが最大の利点

 この手のバッテリーは刺さる人には強烈に刺さるニッチよりのアイテムだ。確かに旅行・出先で“ケーブル1本で乾電池が復活するのは強く、スマホ用のモバイルバッテリーで充電できることから、乾電池機器の非常用にも良い。 

 そして何より、ダイソーで安心して買える製品であることはでかい。この手の製品はアマゾンや楽天市場、中華通販サイトなどで購入できる商品だったが、十分な注意説明もないもの、PSEマークがなく安全性に疑問が残るもの、処分方法に困るものなどが課題だった。

 また、4本単位などと量が多く「お試し」で使いにくいこともあった。この点ダイソーのバッテリーは1本単位なので、プラレールや時計といった用途でも余りなく利用できる。入手性も高いのでお試しで買いやすいだろう。

 今回の製品はダイソーで買える点である程度の品質は担保されていると考える。販売メーカーも株式会社磁気研究所という秋葉原などで電気系小物を漁っていた経験のある方ならピンとくるメーカーだ。日本での販売に必要なPSEマークも同社が取得しており、同社がJBRC会員であることから、家電量販店等にあるリチウムイオン電池の回収ボックスに入れて処分できる。

PSEマークを確認できる

 もちろん、乾電池とは異なる特性やノイズ面のクセ、相性問題、充電しながらの使用は厳禁という点は“知って使う”前提の製品だ。「充電器いらず」と考えると1本550円×複数本は決して安くないが、充電器不要の省手間と何かあった時のサブ用途での即戦力を買う製品だ。 気になる方はダイソーの店頭を確認してみて欲しい。

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