こんにちは。これまで使ったスマホは300台以上。生まれはギリギリZ世代のライター はやぽんです。
さて、日本でも正式発売されたXiaomiのスマートフォン「POCO F7シリーズ」が話題だ。海外で話題を集めるコストパフォーマンス重視のスマートフォンだが、今回は最上位のPOCO F7 Ultraを利用できる機会があったのでレビューしてみよう。
POCO F7 Ultraのスペックをチェック。イエローの色がいい!
POCO F7 UltraはXiaomiのオンラインブランドに当たる「POCO」より販売されているスマートフォンだ。グローバル向けに発売されている機種と同じ仕様だが、付属品などに日本向けの最適化が行われている。スペックは以下の通り
SoC:Snapdragon 8 Elite
メモリ:12GB
ストレージ:256/512GB
画面:6.67型 WQHD+解像度、120Hz対応 AMOLEDパネル
カメラ
標準:5000万画素
超広角:3200万画素
望遠:5000万画素
フロント:1600万画素
バッテリー:5300mAh 120W充電対応
画面内指紋認証
OS:Android 15 Xiaomi HyperOS
価格:約9万9800円〜(直販ストア)
POCO F7 Ultraは2色展開されるが、今回は「イエロー」をチョイスした。カメラ部のゴールドがいいアクセントになっている。

パッケージはグローバル版と同様


今回はPOCOらしいイエローをチョイス
フレームはブラック。金属製のフレームには艶消し加工が施されている
POCO F7 Ultraは特徴的なデザインだ。カメラ部に円形調のテクスチャが入り、デザインのアクセントになっている。フレームは艶消し加工が施されており、POCOブランドでも高級感を備える仕上がりだ。

カメラ部はトリプルカメラ。実際に持ってみると過度な主張はなく、本体のデザインといい具合に調和している。
10万円以下でSnapdragon 8 Elite搭載!外部チップで原神も120Hzで動かせる性能特化スマホ
ここまで外観的なものをチェックしてきたが、スマートフォンとしても見ていきたい。画面性能は高く、解像度は3200×1440のWQHD+、120Hzのリフレッシュレートに対応する。
画面輝度がピーク時3200ニトと明るく、1920HzのPWM調光に対応してちらつきを抑えるなど、ハイエンド機種に求められる要所はしっかり押さえている。画面内指紋認証は超音波式を採用しており、認証速度も高速だ。
ディスプレイはエッジ等ないフラットパネル。ベゼルの幅も概ね均等になっており、デザイン面もしっかり押さえている。
POCO F7 Ultra最大のウリは価格の割に高性能な点。プロセッサは現行のフラグシップに当たるSnapdragon 8 Eliteを採用。この価格帯の製品としては群を抜いたスペックで、日常使いはもちろん、ゲームなども快適に遊ぶことができる。基本性能はフラグシップスマートフォンとほぼ同等であるため、市場に出ている多くの機種に対して性能面は優位だ。
また、本機種にはグラフィックス専用のチップセット「Vision Boost D7」を別途採用。ゲームなどでは解像度のアップスケーリング、フレーム補完による最大120Hz描写を可能にしており、より滑らかかつ高画質で描写してくれる。

学マスも最高画質でしっかり動作する


独自チップによって解像度のアップスケーリング、フレーム補完を行える
バッテリーは5300mAhと大容量。POCO F7 Ultraでは待機時の電池持ちは良いが、利用時の電池持ちはやや悪く、カメラを使ったり、ゲームなどでフレーム補完を行う場面ではゴリゴリと減っていく印象だ。特に同じシリーズのPOCO F7 ProやPOCO X7 Proは6000mAhとより大容量な点を踏まえると、本機種の5300mAhはやや少なく惜しい部分。
一方で、120Wの急速充電にも対応しており、100%までは30分でフル充電が可能だ。急速充電でバッテリー容量の少なさをカバーできそうだ。また、POCOでは初のワイヤレス充電に対応しており、50Wの急速ワイヤレス充電にも対応する。
防水防塵性能はPOCO F7シリーズ共通でIP68等級を取得。この辺りはフラグシップらしい部分をしっかり備えており、従来よりも安心して使うことができるように進化した。
カメラ性能も強化!Xiaomi 15と同じテレマクロ撮影機能も備える
POCO F7 Ultraはパフォーマンスだけでなく、カメラ性能もアピールしている。メインカメラには「Light Fusion 800」という5000万画素、1/1.55型のイメージセンサーを採用しており、こちらは比較的性能も高い。
本機種では新たに望遠カメラが追加されている。こちらは5000万画素のものを採用し、画角は換算60mm相当。実はXiaomi 15と同じ構成であり、最短10cmまで寄れるテレマクロ撮影にも対応する。2倍望遠はインセンサーズームによるロスレスで撮影できるため、劣化も抑えられている。光学式の手振れ補正も備えており、夜間でも手振れも抑えて撮影できる。
超広角カメラは3200万画素。メインカメラなどに比べて劣る点はコスト面の制約を感じるが、この価格で手を抜かれがちな部分もしっかり対応している。欲しい機能はしっかり入れてきた印象だ。

カメラは光学式手ぶれ補正も備える








アピールしている望遠カメラの性能はXiaomi 15とほぼ同じ。テレマクロ撮影も思いのままで、コスパラインながら、多くの撮影シーンにしっかりと対応できる



超広角カメラはスペックは劣るものの、昼間ならきれいに写る
コスパの鬼が爆誕!10万円以下で性能重視なら今年有力候補のスマホ
今回のこのスマートフォンを評価するにあたり、Snapdragon 8 Eliteの高い性能はもちろん、日本ではメーカーとしても非常に攻めた価格設定で出したと思っている。POCO F7 Ultraはグローバルで展開される価格よりも日本向け価格を安価に抑えている。
POCO F7 Ultraはグローバル向けが699ドル(税抜き約11万円)に対して日本版は税込みで9万9800と10万円を切ってきた。かなり攻めの姿勢を感じる価格だ。どうしても円安で価格に対するインパクトが薄れること、POCOという立ち位置的にガジェットに明るい層からすると、本機種は「高価」なイメージもあることだろう。
それでも、日本で購入できるSnapdragon 8 Eliteを採用する端末としては最安で提供している。競合のフラグシップをライバル視しつつも、10万円以下に抑えたことは「本当に攻めた価格」と評価したい。もちろん海外版にも付属するYouTube Premiumの特典や保証サービスも利用できる。
加えて日本でもグローバル発表と同日に販売を開始し、発表会翌日にはお手元に届くというスピード感で発売された。脳死で買わせるこのスピード感は他社も見習ってほしいくらい。
また、日本では世界で唯一、Xiaomi Storeの実店舗にて展示、販売が行われている。本来POCOブランドはオンライン専売によって広告費や販促品等の店舗関連コストを抑えることで端末価格を抑えた端末だ。そのような端末を実店舗で展示するというだけでも、日本での力の入れようを感じさせるのだ。

日本でのみPOCOは実機が展示販売されている(写真はPOCO X7 Pro)
筆者としては、日本でも「コスパハイエンド」の狼煙が上がったと考える。昨今の為替の中で、現行フラグシップの性能を備えながら、日本で税込10万円以下の設定にすることは難しい。
この価格はiPhone 16e、Galaxy S24FEといった人気機種に加え、ちょっと手を出せばnubia REDMAGIC 10 Proも射程範囲に入る価格帯。そのような中であらゆる点で「フラグシップ級」の性能を持つ機種はほとんど出ていなかったのだ。
そんな中、この価格帯であれば最強クラスの基本性能を持つものがPOCO F7 Ultraだ。FeriCaを備えない点、通信事業者で販売されていない点はマイナス要素だが、それを含めても性能の高さがアピールポイントだ。

同社のXiaomi 15 Ultraと比較するとゲーム性能の高さが優位な部分だ
POCO F7 Ultraは直販で9万9800円~とこの手の機種としては安価な設定。SNS上では「性能重視のコスパハイエンド」を求める声がかねてからあり、わざわざ海外から輸入して利用する方もいる。日本でも潜在需要は少なからず存在しているセグメントの端末だ。
今回のPOCO F7 Ultraの展開はそのような声にしっかり応えてきたという印象だ。興味がある方はチェックして欲しい。