こんにちは。今回は中国深センの探訪記として、ファーウェイのストアに立ち寄ったレポートとしたい。場所は華強北にほど近いフラグシップストアだ。

深センでも規模の大きいストアだ

入り口にはPocket 2のモニュメントも
制裁の衰えを感じさせないファーウェイの人気。最新スマホもずらり
筆者が訪れた時は最新のPura70シリーズの発売直後で、店内も多くのお客さんで賑わっていた。


店内はPura70シリーズがイチオシだ
廉価グレードのPura70。この機種のみフレームが角ばっており、iPhoneのような印象を感じた
売れ筋モデルのPura70 Pro。P40やP50シリーズからの買い替えが多いという。

最上位のPura70 Ultraも現状は予約者のみの提供。圧倒的なカメラ性能と質感の良さを感じる

Pura70シリーズについてはストアの近くにある特設体験ブースで存分に体験できる。ここでのレポートは別途まとめている
さて、Pura70シリーズに限らず他のスマートフォンも注目を集めた。昨年話題となったMate60シリーズも人気で、こちらでも多くのお客さんが製品を体験していた。


売れ筋のMate60シリーズもずらり
最上位のMate60 RS。実に13000RMB(約27万円)と高価な機種だが、富裕層を中心に人気を集めている


こちらは折りたたみスマートフォンのMate X5。基本的にはMate X3と同様だが、プロセッサが変更されている




エレガントな筐体が特徴のHuawei Pocket 2。フリップタイプのスマートフォンとしては4眼カメラを備える意欲作。中国では売り上げトップの折りたたみスマホのようだ。

Huawei Pocket 2はCASETiFYからサードパーティケースが出るなど、アクセサリーも豊富だ

novaシリーズの最上位となるnova12 Ultra。レザー調のデザインで高級感も備える。前作の11は推しカラーが緑だったが、今回は青となっている
スマホ以外も多種多様な製品展開。HarmonyOSでスマホとツナガル、コネクトする
ファーウェイと言っても売っているものはスマートフォンだけではない。パソコンやウェアラブル端末も販売されているが、ここでは日本ではあまり見かけないものを紹介したい。


mini LEDを採用するHuawei Smart Monitor V5 Pro
ファーウェイの大型テレビ。98型サイズで約77万円と高価だが、画面にはmini LEDを採用し、ファーウェイサウンドと称する空間オーディオにも対応するなどかなり意欲的な製品だ。もちろん、HarmonyOSを搭載しており、スマートフォンなどとの連携も抜群だ

最新イヤホンのHuawei FreeBuds Lipstick 2。ベースはFreeBuds 5となり、ハイレゾ音源にも対応する。とにかくエレガントな見た目が特徴だ

スマートな電動歯ブラシ。手前で見切れてしまっているがこちらはアロマデュフューザーだ。いずれもHarmonyOS搭載でスマートフォンと接続できる

サーモスの水筒と電動シェーバー。この2つもHarmonyOSが入っており、Bluetoothでスマートフォンと接続できる。
水筒では保温温度や中身がどのくらい残っているかをスマートフォンで知ることができる。サーモスの魔法瓶は通常のものより長時間保温できるとのことで、中国でも人気のようだ。
シェーバーでは充電完了はもちろん、刃の取り替えやクリーニング時期を知ることができる。こんなものまでスマホと繋がるというコネクティビティの高さを感じられた。
これらの商品は、全てスマートフォンとつながることが特徴だ。このほかに、ファーウェイ以外のメーカーからもHarmonyOSを搭載した家電製品がいくつか登場しており、スマートフォンから家、車、各種家電がつながるスマートソリューションを提供している。全てがシームレスにつながった体験してしまうと、もう元の生活に戻ることはできないだろう。
もはやディーラー。スマホショップで電気自動車も扱うファーウェイ
近年のファーウェイと欠かせないものが電気自動車(EV)だ。昨年訪れたときに店内に車があることに驚いた。今回訪れたフラグシップストアでは4台の自動車が展示されるなど、もはや自動車ディーラーとなんら変わらない佇まいだ。

普及価格帯の「門界 M5 EV」は多くの店舗で展示されている。スポーツグレードも存在する


運転席は日本でいう3ナンバーのSUV車と同じような広さ。やはり大型のモニターが目立つ
足元にはUSB端子も備えるが、なんとコレが66Wのファーウェイ用急速充電と60WのPDに対応する。
ワイヤレスチャージスポットも備える。本車種では40Wの急速充電が可能だ
もちろんOSはHarmonyOS。スマートフォンと連携してのパーソナライズなども可能だ

こちらは最新の「智界 S7」だ。各種オートパイロットはもちろん、駐車場では自動運転で空きスペースを見つけて駐車、出庫時は運転者のいる場所まで自動で迎えに来ることが可能な車両だ。
操縦席は一般的なセダン車と同様。スマートフォンに登録したフィットネス情報を元に操縦者の体格に合わせてシートやハンドルの高さが調整されるという。
フロントインパネも大画面。速度などはここに表示される
こちらも大型モニターを採用。最新モデルなだけあって、性能も大きく向上。車内エンタメも最新タブレット並にキビキビ動作する。
車両が周囲の車や人を検知している様子がわかる。グラフィカルだが、距離も概ね正確だ。
この車両もスマートフォン用のワイヤレス充電パッドを備える。こちらは50Wの急速充電に対応だ
1年の変化に驚き。自国チップでスマホが復活したファーウェイは強い
最後になるが、今回1年ぶりに深センのファーウェイストアを訪問して、改めてスマートフォンが大きく活気付いていたと感じた。Mate60シリーズ以降、自国開発のプロセッサを採用したことで、ある意味復活を遂げた。その復活に際して多くのお客さんが詰め寄っていることを実感できた。
このような理由からか、従来のクアルコムのプロセッサを採用したスマートフォンは店頭では展示されていなかった。Mate X3やP60など、従来ならば旧モデルも並行して販売する事が多いファーウェイでも、5Gに非対応なこれらの機種を残す意味はなかったと考えるべきだ。

もちろん、廉価なEnjoy 60といった機種も販売されているが店舗利用者の関心度は低かった
HiwikoをはじめとしたHarmonyOS Connectのスマートフォンも一部販売されていたが、こちらも同様だ
自動車に関しても、昨年訪問時より規模が拡大している。現に深センでは道ゆく多くの自動車がバッテリーEVなのか、交差点からエンジン音が聞こえないこともザラである。思った以上にBEVジャンルの自動車が普及しているのだと実感できた。
肌身で感じてきた現地のファーウェイの盛り上がり。同社が中国大陸向けのスマートフォンで売り上げシェアうなぎのぼりな理由も納得できた。今後の展望も含め期待したいものだ。