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SOUNDPEATS Capsule3 Pro+レビュー MEMSドライバー搭載で1万円!のイヤホン

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 こんにちは。今回はコストパフォーマンスに優れるSOUNDPEATSから、低価格ながら話題のMEMSドライバを採用したイヤホン、SOUNDPEATS Capsule3 Pro+を購入したのでレビューしてみよう。

目次

もはや価格破壊!1万円台でMEMSドライバを採用したLDAC対応のイヤホンをチェック

 市場競争が過熱する完全ワイヤレスイヤホンの市場。各メーカーから新型が発表されるなど、ますます注目度が高まっていくセグメントだ。

 高音質志向の製品ではダイナミックドライバに限らず、バランスド・アーマチュア(BA)などを組み合わせ、より広い再生レンジや繊細さを持たせた製品が登場している。そんな中、近年話題のMEMSドライバをわずか1万円台の機種に突っ込んでしまったものが、SOUNDPEATS Capsule3 Pro+だ。

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箱は一般的なイヤホンでよく見かけるタイプのものだ

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ケースは艶消しの加工がされている。サイズはやや大きいものになる。

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本体の収まり悪くない。いわゆるAirPodsのようなものではあるが、AirPodsなどとは裏表が逆で収容されている。特段取り出しにくいこともなく、使いやすい。

MEMSドライバで高音質に仕上げたハードウェア。LDAC対応の高品質サウンド

 SOUNDPEATS Capsule3 Pro+の対応コーデックとしてはSBC/AAC/LDACに対応している。LDACはハイレゾ相当となる24bit/96kHz再生も可能な高音質コーデックだ。

 核となるオーディオ面については、高域をMEMSドライバが担当し、中低音域を12mm径のドライバーユニットが担当するハイブリッド構成を採用している。強力なマグネットを使用することで、高い駆動力を持たせることで広い音域を再現できるという。

 さて、簡単にMEMSドライバを説明しよう。これは超小型の本体に収めたシリコン製のメンブレン(ここでは板を想像してもらいたい)を圧電素子を用いて振動させるドライバ(スピーカー)だ。

 特徴として、シリコンを振動させることで素材の付帯音が少ないこと。薄型軽量化が可能なこと。ドライバーそのものがシリコンウェハ上で作られる半導体であるため、BAユニットなどに対し生産歩留が高く、コストを抑えられることだ。製品の品質向上にも一役買っているのだ。

 現時点では供給の少なさから高価だが、製造大手のxMEMSは生産数が増えればコストはグッと抑えられるとしている。今回の製品は生産歩留まりが向上したものを採用したことで、イヤホンのコストを抑えられたと考えられる。

 一方で、MEMSドライバは駆動に圧電素子を用いる関係から、高い電圧が必要になる。そのため、昇圧するための専用アンプが必要になるが、基本的にドライバーとアンプがセットになったパッケージでイヤホンメーカーに供給されている。一般的なイヤホンよりも、バッテリーから電源を安定して供給できるワイヤレスイヤホンなどに向いている製品だ。

 SOUNDPEATS Capsule3 Pro+ではxMEMS製の「Cowell」というMEMSドライバーを採用する。耳に覚えのあるマニアの方ならピンとくると思うが、これは昨年末に発売されたNoble AudioのFALCON MAXに採用されているものと同じだ。

  また、メーカーの製品説明に出てくるアンプの「XAA-2000 Aptos」はMEMSドライバーを駆動する専用のアンプで、xMEMS製のMEMSドライバーではセット扱いでパッケージされている。

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Capsule3 Pro+はMEMSドライバーとダイナミックドライバーのハイブリッド構成

 ハードウェアからみて音にも妥協はないと触れ込んでいるSOUNDPEATS Capsule3 Pro+を早速聴いてみることにする。今回の試聴曲はこちら

Colorfuless/るりのとゆかいなつづりたち  

唱/Ado

Subtitle/Official髭男dism

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今回はXperia 1 VIにLDAC接続で利用した

 実際に聴いてみると高域のヌケの良さを感じるが、この抜け方があまり耳にしない感覚が印象的。BA型のイヤホンに慣れた身からすると、音像が硬く突き抜けるような印象はないが、見晴らしのよいサウンドだ。

 サウンドバランス的にはドンシャリに近く、聴いていて楽しいサウンドに仕上がっている。広域はMEMSドライバーを生かした抜けの良さに加えて、金属的なものとは異なるキラキラとした解像感も備える。

 低域は量感もしっかり備えており、解像感トータルではメリハリのあるサウンドだ。量感のある低域、空間表現の広さは特筆できる。

 特に高域はMEMSドライバーのチューニングもあって少々持ち上げている感はあるが、特別ざらつきなどは感じられなかった。LDAC対応機らしく、ハイレゾを意識したようなチューニングと取れる。

 MEMSドライバーの特徴で音にクセが少ないこともあって聴きやすい反面、エロさや面妖さといった言葉で表せられる表現は難しいようだ。この手の魅力的なサウンドを求める場合は、別の機種を検討した方が良さそうだ。

 最初に「Colorfulness」を聴いてみる。やや刺さりを感じるものの、適度に近い定位に存在感のヴォーカルがあり、MEMSドライバーの特性かクセの少ない高域の広がりが印象的サウンドだ。

 低域もしっかり出ているため、不足は感じないが、ピークがやや高めの声域を持つキャストが歌唱する曲では「サ行の刺さり」を強めに感じた。やや高めのピークを持つ方の楽曲では不得意な場面もある印象だ。抜けの良さがあるので閉塞感は感じないだろう。

 ここで曲を「唱」に変えてみる。低域のレスポンスの良さ、窮屈さを感じさせない空間表現に関しては高く評価したい。この曲は他の曲よりもかなり低域が強いが、ベースライン、ビートの低音がしっかり効きながらも、中高音域は解像感を保っているように感じる。この手の曲とは相性が良さそうだ。

 ここで曲を「Subtitle」に変えてみる。冒頭の静けさの中のボーカル表現も悪くなく、サ行の刺さりもかなり少ない。どちらかと言えば男性ボーカルといった分野と相性が良さそうだ。ピアノとストリングスが入ってからも音の硬さをあまり感じさせない点は評価したい。サウンドステージも比較的広い機種となるので、このような曲でも窮屈さを感じさせずに気持ちよく聴ける。

 ここまで聴いてきて、サウンドクオリティはかなり高いことが分かった。さすがに有線のイヤホンには劣るが、LDAC環境であれば有線環境に近いところまで来ている。

  一方である程度音量を上げないとMEMSドライバーのアンプが十分に稼働しないのか、低域がやや支配的なサウンドになってしまう。音量を上げた時と抑えた時の印象が大きく異なるイヤホンだ。スペック重視のハードウェアであったが、実売1万5000円前後の製品でここまで鳴らせれば十分すぎる印象だ。

Capsule3 Pro+の音質以外のところもチェック。ノイキャンはいいが、アプリと本体の質感はイマイチ…

 さて、音質についてはこの辺りにして、ここからはマイクの品質や本体の質感について書いてみる。

 ノイズキャンセリング性能については公称値で-45dbとかなり高い部類だ。この価格帯だとHuawei Freebuds 5iやXiaomi Redmi Buds 5 Proといったスマートフォンメーカーが展開するコストパフォーマンスモデルも強いが、これらの機種に対して本機種もかなり健闘している。

 Capsule3 Pro+ではAI Adaptive ANCに対応しており、AIにて周囲の騒音レベルや状況を判断して適切なノイズキャンセリングを行ってくれる。この辺りは上位モデルらしく進化したポイントだ。この他にパススルーモードなども備える。精度は同価格帯のイヤホン並みで、閉塞感のない会話までは難しかったが、問題なく利用できる。

 マイクの通話音質は価格を考えれば良好だ。ノイズリダイレクションによって、ノイズの少ない通話を可能にしている。マルチポイント接続にも対応しており、複数端末での利用もしやすくなっている。

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フィット感については市場でもよく見るあの形状だ。やはりこの形状は人間工学的にもよくできているのか、ワイヤレスイヤホンの中でも上位に入る装着感だ。

 バッテリー持ちに関してもあまり悪いという印象を受けなかったが、LDAC接続では公称値の6.5時間よりも早くバッテリーが無くなる。LDAC接続では、人混みにおいて音切れが目立つ場面も見られた。接続優先モードにするか、AACコーデックを利用すると良いはずだ。

  アプリはPEATS Audioという新しいアプリを利用するが、従来のSOUNDPEATSアプリからもある程度設定できる。ここからは操作ファンクションの割り当て、各種モード変更、イコライザー設定、ソフトウェアアップデートが可能だ。

 難点はPEATS Audioアプリの接続性が筆者の環境では極めて悪い点と、SOUNDPEATSアプリでアカウント登録していてもPEATS Audioアプリで再度新規登録を求められるところ。利用者の中には「イヤホンを管理するだけのアプリにアカウント作成が必要なのか」という意見もあり、不信感を抱かせる要素になっている。

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アプリのデザインは一新されたが、この画面になかなかたどり着かなかった

 あとは、本体の質感が気になった。実売価格は1万5000円前後の商品とはいえ、 プラスチッキー感あふれるあまりにチープな点は惜しいところだ。ベースは8000円前後のCapsule3 Proとはいえ、8000円前後でもこの質感はチープでは?という感想を抱いてしまう。

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正直、本体のチープさについては否めない

 意外なところでは、イヤホンの装着検知機能が備わっていない。これもCapsule3 Proがベースになっている事が大きく、立ち位置を考えれば致し方ないところか。スマートフォンマニアならピンとくる「Pro+」の名前通りな製品だ。

MEMSドライバーのイヤホンを試すならアリ。価格もお求めやすい

 さて、今回レビューのSOUNDPEATS Capsule3 Pro+というイヤホン。MEMSドライバーを採用したりとハードウェアスペックを高めた点はもちろん、これらのハードウェアを生かして音質にも力を入れた製品だ。

 MEMSドライバー採用のイヤホンで実売1万5000円は破格の値段だ。同じような構成のNoble FALCON MAXは約4万円、CREATIVE Aurvana Ace2は約2万5000円というものを踏まえると、これらの製品よりも1万円以上安いCapsule3 Pro+がかなり安価な事がわかる。

 このほかにも、ノイズキャンセリング機能を強化し、接続性に難はあるがアプリも一新してきた。ゲーミングモードをはじめ、各種機能も充実しているので「音のいいちょっと背伸びしたワイヤレスイヤホン」として選ぶならアリだ。

 加えて、Amazonのプライムデーセールにて定価1万5480円のところ、24%オフで購入できる。加えて、908円オフのクーポンを併用すると1万0890円で購入できる。ぶっちゃけMEMSドライバーを採用したイヤホンでここまで安く買えるものはない。中古市場を見渡してもないことだ。

 SOUNDPEATS Capsule3 Pro+はMEMSドライバーのイヤホンを試したい。1万円前後でより高音質なイヤホンを検討してる方にお勧めだ。従来のイヤホンとは音色がやや異なる部分もあり、前述の通り魅惑的に聴かせる要素は備えない。それでも価格帯からはワンランク上のサウンドを楽しむことができるはずだ。

 あとはアプリの完成度さえ…といったところ。ここさえ改善すればより多くの方にお勧めできる商品になるはずだ。

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