近年、再び盛り上がりを見せるAndroidタブレット端末の市場。日本でもサムスン、Xiaomi、OPPOなどが製品展開をしており、存在感を示している。今回はXiaomiが日本で販売するハイエンドAndroidタブレット「Xiaomi Pad 6S Pro 12.4」をレビューとしたい。
- 高コスパなXiaomi Pad 6S Pro 12.4のスペックをチェック
- キレイな大画面で高性能。学マスを遊ぶタブレットとしてはアリ。
- 安くて高性能!スマホを大画面にしたタブレット端末が欲しい方におすすめ
高コスパなXiaomi Pad 6S Pro 12.4のスペックをチェック
Xiaomi Pad 6S Pro 12.4は今年発売した12.4インチの大画面タブレット端末。スペック的にはハイエンドのプロセッサを採用し、ペンやキーボードの入力にも対応するなど、クリエイティブ需要にも応えられる端末だ。スペックは以下の通り
SoC:Snapdragon 8 Gen 2
メモリ:8/12GBストレージ:256/512GB
画面:12.4インチ IPS液晶ディスプレイ
3048×2032解像度
144Hzリフレッシュレート対応
ピーク輝度900ニト
アウトカメラ:5000万画素
深度カメラ:200万画素
フロントカメラ:3200万画素
サイズ(長辺×短辺×厚み)
278.7mm×191.58mm×6.26mm
重量:590g
バッテリー:10000mAh
120W 急速充電

本体は金属筐体だ。カラーはグラファイトグレーのみの展開
Xiaomi Pad 6S Pro 12.4はプロセッサにクアルコムのSnapdragon 8 Gen 2を採用する。Androidタブレット端末としてはGalaxy Tab S9シリーズとほぼ同等のスペックで、非常に高い性能を有している。高精細なゲームなどを遊ぶにも十分な性能を備えており、大画面で楽しむことができる。もちろん、動画の視聴やブラウジング、ペンを用いたスケッチを中心とした用途も快適に利用できる。

プロセッサにはSnapdragon 8 Gen 2を採用。2023年ごろのハイエンドスマホなどに採用された
画面は12.4インチの液晶ディスプレイを採用。IPS方式のため、視野角の広さが特徴だ。画面アスペクト比率は3:2と動画視聴やゲームのほか、PDF文書の表示などにも優れる。画面解像度も3048×2032と3Kクラスのため、かなりの繊細さを確保している。


画面の視野角、解像感などは10万円クラスのハイエンドタブレットとほぼ同等。標準輝度で700ニト、ピーク輝度も900ニトとタブレット端末としては明るい画面だ

ベゼルも細めに仕上げた

画面解像度は3048×2032と高精細だ

本体スピーカーは6つ搭載されている。Dolby Atmosにも対応しており、迫力のサウンドを楽しめる。
リアカメラは5000万画素のメインカメラと200万画素の深度カメラを採用。廉価帯のスマートフォンっぽい意匠だが、下側はLEDフラッシュだ



カメラは5000漫画そのものを採用。そこそこの写りもよく、必要としているクオリティは満たせるはずだ
バッテリーは10000mAhとこの手の機種としては標準的。22日間のスタンバイに耐えるなど、未使用時のバッテリー消費を抑えている。充電器は超急速充電に対応した120Wのアダプタが付属し、本体を30分でフル充電可能だ。タブレット端末でここまでの急速充電ができるものはなく、大きなアピールポイントだ
キレイな大画面で高性能。学マスを遊ぶタブレットとしてはアリ。
さて、Xiaomi Pad 6s Pro 12.4を使ってみての感想は大画面と高性能を両立したことで、幅広いシーンに対応できる端末だと感じた。12.4インチの3048×2032解像度のIPS液晶画面や6つのスピーカーによる迫力のあるサウンド、Snapdragon 8 Gen 2による高いスペックを備えた。現時点で日本のAndroidタブレット端末における最高峰のスペックを持ち合わせるのだ。
本機種はXiaomi HyperOSを採用したことで、同社のスマートフォンとの高い連携性を持ち合わせる。スマートフォンからデータを簡単にタブレットへ転送したり、タブレット端末側からスマートフォンの画面を表示、制御も可能だ。オプションで純正のスライタスペン「Xiaomi フォーカスペン」やタッチパッド付きのキーボードも用意されており、体感的にはiPad Proをはじめとした上位機種とタメを張れる製品に仕上がっている。
もちろん、iPad ProやGalaxy tab S9をはじめとした高価なタブレットのような機能やスペックを求めればキリがないが、Xiaomi Pad 6s Pro 12.4は6万円台の価格ではトップクラスの体験ができると評価したい。
実は筆者、本機種の購入目的はマルチタスクによる生産性向上ではなく、「学園アイドルマスター」というゲームのためだけに購入している。
前提として、このゲームの最高画質はタブレット端末のみ、描画解像度が端末の画面解像度と同じ値で描画される。スマートフォンよりも高精細に描画されるので、大画面でもアイドルをキレイに描写してくれるのだ。その一方で、学マスの最高画質は要求性能が高く、60fpsで安定して動かす最低ラインはスマートフォンの1.5K解像度(2300×1270クラス)でSnapdragon 8 Gen 2クラスのスペックが必要だ。
タブレット端末の場合は、本機種のように3K解像度で描写することになる。スマートフォンよりもさらに高精細に描写するので、可能であればより高性能な端末が必要だ。
これには高性能なiPad ProでもApple M2クラスの性能が必要で、Android環境であればSnapdragon 8 Gen 3の機種が望ましい。それでも前者は中古市場を見ても高価であり、Androidタブレット端末でこの性能を持ち合わせる機種は日本では出ていない。
これに近い性能を持つサムスンのGalaxy tab S9も10万円以上と高価であり、やはり学マス向けタブレットのハードルは高いのだ。そのため、6万9800円でGalaxy tab S9とほぼ同じチップセットを採用するXiaomi Pad 6S Pro 12.4が廉価でかつ、高精細に学マスを楽しめる端末なのだ。


学マス推奨タブレットだが、 プロデュースを最高画質で60fpsキープすることは難しい。
意外と便利だった機能がマルチウィンドウだ。Android 12L以降を搭載する端末は対応する機能だが、本機種も対応している。Snapdragon 8 Gen 2という基本性能の高さから多くのタブやアプリを開いても快適に動作する。
この他にXiaomiのスマートフォンであれば画面のミラーリングを映し出したりできる。Huaweiのタブレットなどで見られた機能だが、Xiaomiでも利用できるようになった。

OSにはAndroidベースの「Xiaomi HyperOS」が採用される。
本機種は8GBまたは12GBのメモリに加え、仮想メモリも設定できる。仮想メモリはゲームによってはパフォーマンスが落ちる場面もあったが、複数タスクをバックグラウンドで複数動かす場面では効果的だ。
安くて高性能!スマホを大画面にしたタブレット端末が欲しい方におすすめ
Xiaomi Pad 6S Pro 12.4は直販ストアにて税込み6万9800円で販売されている。最も安価な中国版が3299CNY(税抜約6万8000円)を考えるとビックリするほど安い。単純に考えても中国から輸入するよりも安いのだ。
加えて、日本向けにこのような「ハイスペックでコストを抑えたタブレット端末」はほぼ皆無だ。サムスンやLenovoなどから一部発売されているものの、スペックはミッドレンジクラスのものが多く、ゲームなどでは物足りない。高性能なiPad ProやGalaxy tab S9が欲しいが、10万円以上の価格は高すぎる。そのような声にしっかり応えてきたタブレット端末だ。
その一方でマルチウィンドウや画面分割の使い勝手はGalaxy tab Sシリーズなどに劣る。複数のタブを表示するSamsung DeXのような挙動はできないので注意が必要だ。筆者としても、どちらかといえば「でかい画面のスマホ」のように使える端末を求める方にオススメだ。

でかい画面のスマホのような端末を求める方には魅力的な選択肢だ
もうひとつ惜しい点として、販路がかなり限られている点だ。基本的にXiaomiの直販ストア、Amazonと言ったECサイトのみの取り扱いで、家電量販店での取り扱いはない。そのため、実機を触って確かめるといったことが難しいのだ。
日本では渋谷のXiaomiポップアップストアにて展示、購入ができるものの、他の量販店では展示がない。名前の似ている「Xiaomi Pad 6」は別の機種になるので注意が必要だ。

日本で本機種の実機展示があるのは渋谷のポップアップストアのみだ
最後になるが、本機種の魅力は圧倒的なコストパフォーマンスの良さだ。ハードウェア的な部分は10万円オーバーの端末にも全く引けを取らず、体感的な部分もiPad Proなどに近い印象を受けた。また、256GBモデルならオプションのペンやキーボードを加えても10万円以下に収まる点も高く評価できるポイントだ。
基本的にサブ端末となることが多いタブレット端末は動画視聴はもちろん、大画面を生かしてゲームなどの目的で使う方も多い。高いスペックはありがたい。6万円台でコレが手に入るなら破格と評価したい。興味がある方はチェックしてみてほしい。