今まで聴いてきたイヤホンは300本以上!ライターはやぽんです。今回は、Bluetoothによるワイヤレスと有線の二刀流運用ができ、シェルのカスタマイズが可能なワイヤレスイヤホン「Duo」を提供いただきましたので、レビューしていこう。
有線とワイヤレスの二刀流イヤホン。LIFEEAR Duoをチェック
LIFEEARは、ブランド名にふさわしく“聴く体験”にフォーカスしたプロダクトを展開している。初めて出した製品が、インプレッション到着から最短即日出荷可能なカスタムIEM「Flow」というもので話題になった。
今回のDuoは、実のところFlowのユニバーサル版(誰でも装着できる普通のイヤホン)という商品。そのため、至って普通のイヤホンのように利用できる。
本機種の特徴はサウンドはもちろん、有線と無線の2Way仕様であること、注文時にシェルのカラー、フェイスプレートのデザインを100種類から選択できる点だ。端的に言えば、オリジナルデザインのBluetoothイヤホンをオーダーできるのだ。
今回はブルーのシェル。フェイスプレート交換できるので左右異なるデザインに

フェイスプレートはユーザーが交換できる

コネクタはMMCX仕様。有線でも利用できるが、ケーブルは別途購入が必要
金属製のケースも付属する
LifeEar Duoは一見普通のイヤホンだが、本体にバッテリーと無線ユニットを内蔵。世界的に例が少ない有線と無線の二刀流仕様で利用できる。出先ではカジュアルにワイヤレスで、遅延の気になるゲームで遊ぶときは有線でといった使い方もできる。
ハイブリッド構成でリズミカルな低域とクリアな高域を両立。ワイヤレスでも高品位なサウンドを楽しめる
LIFEEAR Duoは7.5mm径のダイナミックドライバーと1基のBAドライバーを搭載したハイブリッド構成。1BA+1ダイナミックのイヤホンとしては割とセオリーな構成に仕上げている。
Bluetooth面はAACに加えてaptX Adaptiveコーデックに対応。高音質なハードウェアを生かせる無線部に仕上げている。一方でノイズキャンセリングや外音取り込み機能には非対応だ。
実際に試してみると、謳い文句通りイヤモニらしい解像感のあるサウンドを楽しめる。イヤモニらしいの定義は利用者によって異なるが、筆者のリファレンスであるソニーのIER-M9と比較すると、方向性は似ていると感じた。
低域もベースラインやドラムの余韻がしっかりと残りつつも、どちらかと言えば解像感も備えるすっきりとした仕上がり。リズミカルな低域もしっかり再現してくれる。
一方でボーカル帯域は前に出過ぎない定位であり、この辺りのチューニングはうまいものを感じられる。高域はBAの恩恵もあり繊細な響きがありながら、耳に刺さるようなピークは抑えられている。低域にクセがある同社のICEと比較して万人に勧められるのはDuoの方だと感じた。

有線イヤホンとしても楽しめる
Bluetooth接続では低域が少し前に出てくるようになる。有線接続時の解像感はないものの、価格帯を考えると高品質なサウンドを楽しむことができる。本機種はAACに加えてaptX Adaptiveコーデックにも対応するため、対応機種では高音質、低遅延のリスニングが可能な点もうれしい。
操作性はフェイスプレートによる個体差があるようだ。これは交換式のフェイスプレート内にタッチセンサーを備えるのため、プレートのプリントに厚みがあると反応が悪い場面がある。
また充電ケースが無いため、本体を使わないときは電源をオフにする必要がある点は使いにくい。可能であれば10分間の操作なしでオートパワーオフの設定が欲しい。

ワイヤレスイヤホンとしても使える
実際に装着してみると耳へのフィット感が良く、遮音性も十分。リスニング環境として申し分ない。ケーブルの無いワイヤレスで使ってみても耳から落ちたりすることはなかった。
着せ替え出来るイヤホンに感じた可能性。課題は充電方法か
LIFEEAR Duoは、見た目の良さやカスタマイズ要素はもちろん、快適な装着感と音質のバランスの良さを兼ね備えたイヤホンだと感じた。注文時にカスタマイズ可能なシェルカラー、別売購入でカスタマイズ可能なフェイスプレートなど「自分だけ」のイヤホンを手軽に購入できるプロダクトだと感じた。
完全オーダーメイドのカスタムIEMでは当たり前の要素だが、ユニバーサル版でシェルのカラーオーダーができる製品はあまりない。メーカーによっては「セミカスタム」と区分けする分野になるが、これをBluetoothイヤホンでやってしまう例は世界的に見てもかなり稀だ。
加えてフェイスプレートを後から購入者が変更できる仕様もうれしい。今は100種類のデザインから選択でき、直近でも新作のデザインやハンドメイドクラフトのデザインもラインアップされている。
気軽なイヤホンの着せ替えはまだまだ途上のジャンルであり、製品的にもまだ少ない。その中でも有線、無線の双方にアプローチできるDuoの存在は両方のスイートスポットを狙える製品だと感じた。
フェイスプレートのカスタマイズは新たな市場を開拓できると考える。Duo、Flow用の交換品の価格は片耳500円からと良心的な設定のため、コレクション感覚で購入できる。今後は金属やスタビウッドなどの材質面の新作、著名デザイナーやアーティスト、マンガやアニメ等の大手IPとのコラボにも期待したい。
バリエーションの幅を広げるという意味では、オンラインでのデザイン入稿に対応すればクリエイティブ層の需要も狙える。同人即売会やBoothで自分のデザインしたイヤホンのフェイスプレートを販売するなんて時代も来るかもしれない。


公式サイトでは多くのデザインが販売されている
難点は充電方法だ。本機種の充電は専用ケーブルを用いてMMCX端子から行う。一見理にかなっているようにも思うが、この端子は頻繁な抜き差しを想定しておらず、このような使い方では経年劣化で端子が破損する恐れがある。
付属品にMMCX端子用の取り外しツールこそ付属するが、挿入時にピンを破損させる可能性は付きまとう。二刀流という挑戦は高く評価したいが、充電端子は別途マグネット端子だとありがたい。

充電には専用のケーブルを用いる
LIFEEAR Duoは有線と無線のイヤホンを1本で済ませたい欲張りな方。カスタマイズ性に優れる「自分だけのイヤホン」を探している方にはオススメできる1本だと感じた。
そんなDuoの価格は公式通販で2万7800円。決して安くはないが、3万円以下で自分オリジナルのカスタマイズデザインしたイヤホンが手に入ると思えば特別高価ではない。多くの可能性を秘めた「自分だけのイヤホン」を手ごろにオーダーできる商品だ。