nubiaが「最強」のゲーミングスマートフォンとして展開しているREDMAGICシリーズ。その最新作の軽量モデル「REDMAGIC 10 Air」が、日本でもいよいよ発売される。今回は発売に先立ち利用できる機会があったのでレビューしたい。
ゲーミングスマホだけど軽い!REDMAGIC 10 Airをチエック
REDMAGIC 10 Airはnubiaから発売されるゲーミングスマートフォン。現在はシリーズ共通して画面内に埋め込んだフロントカメラ(アンダーディスプレイカメラ)を特徴とする。




基本的なスペックは下記の通り
SoC:Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3
メモリ:12/16GB
ストレージ:256/512GB
画面:6.8型 AMOLED 2480×1126解像度
120Hzリフレッシュレート対応
ステレオスピーカー DTS-X認証取得
バッテリー容量:6000mAh
80W充電対応
OS:REDMAGIC UI 10/Android 15
重量:205g
Snapdragon 8 Gen 3 を採用。原神を120fpsで遊べる高性能をチェック
REDMAGIC 10 AirのプロセッサはQualcomm製のハイエンドプロセッサ Snapdragon 8 Gen 3を採用している。これはREDMAGIC 9シリーズで採用されていたもので、昨年の最上位プロセッサとなる。1年落ちといえ、いまなお高い性能を持ち合わせるため動作に不満は少ない。
メモリは12または16GB、本体ストレージは256GBまたは512GBの構成。ストレージはUFS4.0規格のものを採用し、高速な読み出しが可能になっている。SDカードは利用できない。
そしてREDMAGICシリーズと言えば本体に内蔵された「空冷ファン」だが、本機種は軽量化の関係から備えない。その代わり、複合液体冷却機構とベイパーチャンバーを組み合わせた「9層ICE-X」という冷却機構を採用する。薄くても冷却性能はしっかり確保した。
空冷ファンを備えない関係がプラスに働いた部分がある。REDMAGIC 10 AirではIP54等級の防水、防塵規格を取得。以前よりも様々なシーンで使いやすくなった。
そんなREDMAGIC 10 Airではゲームを長時間遊んでもパフォーマンスが落ちない点が特徴。空冷ファンを備える上位機種には劣るものの、強力な冷却機構は原神を連続1時間遊んでもフレームが落ちることはほとんどなく、高い性能を長く維持できる。
ソフトウェア面ではREDMAGIC Spaceにゲーム用の設定が多く備わる。ゲーム起動時は画面の左右からスワイプすることで、各種メニューを呼び出せる。
今回のレビューにおいて、いくつかゲームを遊んでみた。人気コンテンツの原神、崩壊スターレイルでは最高画質でもパフォーマンスに不満を感じる場面はない。近年出ている重量級なゲームでも快適に動作する。

高負荷な原神も快適に動作。フレーム補完がオフの状態なら1時間遊んでも安定して動作してくれる

同じく高い性能が求められる「学園アイドルマスター」も問題なく動作するが、上位機種よりは安定して動作する時間で劣る
REDMAGIC 10 Airでは「原神」「崩壊3rd」「崩壊スターレイル」などの一部ゲームを対象に120Hzのフレーム補完(擬似的に120Hzでの動作)が可能。これは専用チップのRedCore R3チップによるもので、120Hzでの安定動作やフレーム補完に加え、フレームレートのゆらぎを抑える効果がある。特にフレーム補完は120Hzで動作するコンテンツは非常に滑らかなため、ゲームプレイングでも実感できる部分だ。

原神などの対応コンテンツでは、フレーム補完による120Hz動作も可能
REDMAGIC 10 Airでは従来機同様にショルダートリガーを採用。ゲーム機のコントローラーに備わるL/Rトリガーのように利用できる。このトリガーは520Hzの応答速度を持つため、素早い反応にも応えることができる。画面タッチ以外にも各種ゲームの動作を割り当てることが可能。
本体側面にL/Rトリガーを備える。
5000万画素のカメラ。ゲーミングスマホとしては思ったよりもキレイに撮れる
REDMAGIC 10 Airは2眼のカメラを採用している。どちらも5000万画素と使い勝手と画質を両立した構成としている。近年のnubiaスマートフォンが得意とする換算35mm画角ではなく、REDMAGIC 10 Airでは一般的なスマートフォンと同様の24mm前後の画角。普通のスマートフォンと同様に利用できる。

カメラはメイン、超広角の2眼構成

薄型化の関係か、カメラ部はやや出っ張っており、フルフラットではない
以下REDMAGIC 10 Airでの作例となる。基本的にオートで全て撮影している。
ここまではメインカメラの作例。センサーのスペックもさることながら、Snapdragon 8 Gen 3の高いISP性能もあって思ったよりも綺麗に撮れている


超広角カメラも比較的綺麗に撮影できる
ノッチもパンチホールもなし!真の全画面ディスプレイによる視聴体験が良い!
REDMAGIC 10 Airはディスプレイの下にフロントカメラを備える「アンダーディスプレイカメラ」(以下:UDC)を採用している。UDCでは一般的なスマートフォンのフロントカメラの部分も画面として利用できるので、邪魔者がなく没入感の高いディスプレイとなっている。
画面のリフレッシュレートは120Hzに対応。ゲーミングシーンにもしっかり応えられる。一方で、基本仕様はREDMAGIC 9 Proシリーズに準拠する仕様のため、画面性能は最新のREDMAGIC 10 Proには劣る。


邪魔するものがないフルディスプレイはゲームに限らず、写真や動画の視聴にも最適。nubiaの全画面スマホにナヴィア嬢もニッコリ。画面の下にフロントカメラがあるとは思えない。このUDCは第6世代と呼ばれるものが採用されており、カメラ部をぱっと見確認することはできない。

ステータスバー内のインカメラを視認することは難しい。最新世代機には劣るが十分な性能を持つ
本体スピーカーはステレオ構成。DTS-X認証を取得しSnapdragonチューニングを施した迫力のあるサウンドを楽しめる。筐体設計もあってか、スマホのスピーカーにしては音質も良い。音量自体も大きいため、仲間と音楽をシェアしたりする場面でも嬉しい部分だ。
本体バッテリーは6000mAhと、厚さ7.85mmに抑えながらも容量はしっかり確保。現状出ているスマホではトップクラスの大容量バッテリーを採用している。80Wの急速充電にも対応しており、大容量バッテリーでも高速で充電可能だ。充電器も付属しているので、購入したらすぐに利用可能だ。
電池持ちについては、より大容量バッテリーを備える上位のREDMAGIC 10 Proには劣るものの、同じくらいの性能を備えるスマートフォンの中ではかなり持つ印象。ゲーム以外の用途にもしっかり応えてくれることだ。
REDMAGIC 10 Airでは「REDMAGIC UI」というカスタムUIを採用。競合するAndroidスマートフォンよりもタスク管理などを重視しており、ゲーム時に性能を最大限に発揮できるような構成だ。

REDMAGIC UI 10という最新バージョンを採用
AI機能には翻訳機能、などもあるが、このあたりはnubia Zシリーズなどと共通だ
価格は早期購入で7万9800円から。ショルダートリガーや全画面ディスプレイで差別化
最後になるが、REDMAGIC 10 Proは価格面も攻めている。日本では12/256GBの構成で8万4800円、16/512GBの構成では10万9800円の価格設定。公式通販サイトでは早期購入特典で5000円引きのクーポンが配布されているため、7万9800円で購入できる。
近年の高騰するハイエンド端末の中では比較的安価な設定であり、どちらかと言えばサブアーム(2台目)のスマートフォンとしておすすめできる機種だ。
カメラ性能も普段使いで必要な性能をしっかり確保。邪魔者なしの全画面ディスプレイ、薄型でも6000mAhクラスの大容量バッテリーなども魅力の要素だ。
惜しい点はREDMAGICシリーズで備える3.5mmイヤホンジャックがないこと、画面性能が1世代前のREDMAGIC 9 Pro相当のグレードになっていることだ。
特にゲーミングスマホのカテゴリーでイヤホンジャックが無い点は惜しいところだが、REDMAGIC 10 Airはガチゲーマーよりはカジュアル寄りの構成なので納得はできる。このような妥協を許さないのなら、3万円ほど上乗せして上位モデルのREDMAGIC 10 Proという選択も用意されている。これはこれでアリだ。

ゲーミング性能を求めるならREDMAGIC 10 Proもオススメだ
これに加えて、日本向けにはXiaomiのPOCO F7 Pro(12/256GB 6万9800円〜)が同じくSnapdragon 8 Gen 3を採用して価格を抑えたライバルがいる点も悩ましい。実は重量でもREDMAGIC 10 Airと大きな差はない。

POCO F7 Proは本機種のライバル的な立ち位置のスマートフォンだ
POCO F7 Proに対しREDMAGIC 10 Airはゲーミング性能の高さ、フルディスプレイ、左右のショルダートリガーの存在が差別化ポイントだ。特にフルディスプレイは他社の製品にはない大きなアピールポイントとなるはずだ。
8万円前後という価格帯を考えると悩ましい機種が多いが、この価格帯で高いゲーム性能、視聴体験を求める方にはお勧めできるスマートフォンだ。邪魔者のない全画面で迫力のゲーム体験を感じて欲しい。

全画面で遊ぶ学マスはいいぞ
商品貸出:FastLane Japan 株式会社