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【レビュー】 新しい2億画素望遠と35mmメインのカメラスマホvivo X200 Ultraを試す

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 こんにちは。これまで使ったスマホは300台以上。生まれはギリギリZ世代のライター はやぽんです。今回はvivoの最新スマートフォンとなるX200 Ultraです。香港にて入手できたのでレビューと行きましょう。

目次

ついにベールを脱いだvivo X200 Ultra。メインカメラを35mmに変更!カメラ性能を進化させたフラグシップ。

 2024年に登場した「vivo X200 Pro」は、2億画素の大型センサーを望遠カメラに採用し、他を圧倒するズーム性能を実現した。その卓越した望遠性能は、次なる最上位モデルへの期待感を一気に高めるものだった。

 その後、各社からカメラ性能を前面に押し出したフラッグシップ機が次々と登場したが、vivoはそれらの“総仕上げ”とも言える一手として、「X200 Ultra」で世代を締めくくる形となりそうだ。

 この「X200 Ultra」は、シリーズで初めてメインカメラの焦点距離を換算35mmに変更。これにより従来モデルから大きな進化を遂げている。レンズには引き続き、ドイツの老舗光学メーカー「ZEISS」の技術が投入されており、T*コーティングによる反射防止処理も健在だ。また、vivo独自の画像処理チップ「V3+」を搭載することで、プロユースにも応える高度な画像処理を実現している。

 ハードウェア・ソフトウェアの両面において、先代のX100シリーズを大きく上回ると評価される「vivo X200 Ultra」。その注目のスペックは以下のとおりだ。

SoC:Snapdragon 8 Elite
メモリ:12/16GB

ストレージ:256/512GB/1TB

画面:6.83型 WQHD+解像度
1〜120Hz対応 AMOLEDパネル

カメラ
標準:5000万画素 f1.8 1/1.28型センサー
超広角:5000万画素 f2.0 1/1.28型センサー

3.7倍望遠:2億画素 f2.27 1/1.4型センサー

フロント:5000万画素

vivo V3+チップ搭載

vivo VS1チップ搭載

バッテリー:6000mAh

90W充電対応、40Wワイヤレス充電
リバースチャージ対応

Android 15/Origin OS 5.0

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 本体デザインはカメラを意識したもの。ハイエンドスマホでは珍しいIP69の防水に対応しており、温水を噴射したテストをクリアしている。メーカーの説明では-20度の低温環境でも安定して動作するなど、過酷な環境にも耐えうるスペックだ。撮影の幅も普通のカメラに比べてグッと広がる。

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今回はレッドをチョイス。競合するXiaomiの上位モデルはビーガンレザーを採用するが、こちらはガラス筐体

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静電方式のシャッターボタンも備える。iPhoneのようなスワイプ操作の露出動作に加え、シャッターの半押しにも対応する

強力な超広角と35mmのメインカメラ。高い望遠性能も魅力なカメラスマホ

 カメラ性能が大幅に強化されたvivo X200 Ultraだが、カメラハードウェアについてはざっくりと以下のようになる。

超広角:5000万画素 f2.0 1/1.28型センサー

メイン:5000万画素 f1.8 1/1.28型センサー

3.7倍望遠:2億画素(最大100倍ズーム) f2.27

 vivo X200 Proに引き続き、「X200 Ultra」でもZEISS T*コーティングおよびZEISS APOの名を冠する高品質な望遠レンズが採用されている。最上位モデルとなる本機では、カメラ構成の刷新と望遠性能のさらなる強化が、大きなアピールポイントとして打ち出された。

 なかでも注目すべきは、メインカメラの焦点距離が換算35mmに設定された点だ。センサーは1/1.28型・5000万画素で、一般的なスマートフォンの広角カメラに比べて約1.5倍寄った画角となる。これは、国内では「nubia Z70 Ultra」にも見られた構成で、日常撮影において人物や物体をよりフォーカスしやすい特性を持つ。

 さらに、超広角カメラもメインカメラと同等の1/1.28型センサーを搭載し、光学式手ブレ補正(OIS)を備える。スペック面では従来の超広角カメラを大きく凌駕しており、「サブカメラ」の枠を超えた存在と言えるだろう。この2つのカメラによって、vivoは「換算14〜70mm相当をメインカメラでカバーする」という、これまでにない構成を実現している。

 一方の望遠カメラには、2億画素・1/1.4型センサーが搭載され、潜望鏡構造を採用。スマートフォンに搭載される望遠カメラとしては最大クラスのセンサーサイズとなっている。開放F値もf/2.27と明るく、これにより夜景撮影やステージ撮影など、低照度下での描写性能が向上している。

 加えて、レンズコーティングも新たに刷新。画像処理面ではvivo独自のチップ「V3+」に加え、新たに「VS1」チップを組み合わせることで、前モデルとは一線を画す描写力を実現している。

作例ギャラリー
以下に掲載するのは、vivo X200 Ultraで撮影した無編集の作例だ。AI補正を含まない“撮って出し”の画づくりから、その実力をうかがい知ることができる。

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 vivo X200 Ultraは、明暗差の激しいシーンでも白飛びを抑えた描写が可能だ。街中の細かい看板などを見ても、HDR処理が非常に強力に機能しており、階調の潰れが少ない仕上がりとなっている。旧モデルであるX100 Ultraで一部指摘されていた「塗り絵のような質感」も、今作では改善。ディテール感を保ちながら自然な処理が施されており、順当な進化を遂げたと言える。

 もちろん、写真の“良し悪し”は最終的に見る側の好みに委ねられる部分もある。しかしながら、vivo X200 Ultraが生み出す画像は一発撮りで映える、スマートフォンらしい即戦力の画質を備えており、全体的に「目が覚めるような写り」と評価してよいだろう。

 本機には、vivo独自の画像処理チップ「V3+」に加え、新たに「VS1」チップも搭載。この2つのISP(Image Signal Processor)が連携することで、SoC内蔵ISPだけでは実現が難しい複雑な処理や、高負荷の画像演算にも対応している。

 「V3+」は特に、夜景や暗所、ライブイベントなどで被写体を明瞭に捉える**「ステージモード」などにおいて力を発揮。これに対して「VS1」は、撮像信号がSoCに到達する前の段階でノイズ処理や前処理を担う補助的なプロセッサ**とされており、ノイズの少ないクリアな画像出力に貢献している。

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 超広角カメラが大きく進化した。一般的なスマートフォンの画角を担うため、基本性能も高い。光学式手ぶれ補正を備えるたことで、手ブレを抑えて撮影しやすくなった

 また、X200 Ultraにはフードモードも備わっている。複数のカメラを用いて被写界深度合成を行うことで「過度にボケない」撮影が可能。これによって「過度なボケ」を抑えている。

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進化した望遠カメラをチェック。写りの良さに安心感を覚える

 vivo X200 Ultraの望遠カメラは85mm相当の3.7倍望遠。2億画素のイメージセンサーを採用し、高品質なレンズの採用と処理アルゴリズムの改善でズーム性能は大きく向上した。レンズは「Zeiss APO」を冠する高品質なレンズを採用。f2.27と明るくなり、レンズ自体も従来より高品質なものに仕上げている。

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そんなvivo X200 Ultraの望遠性能は見事だ。

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 発表会では460mm相当の20倍まで劣化を抑えて撮影できるとしたが、その謳い文句は確かなもの。デジタルズームとはいえ、高画素センサーを存分に活かしてディテールをしっかり残している。このズーム性能を生かした機能がテレマクロだ。vivo X200 Ultraの望遠カメラは最短撮影距離が10cmと寄れる構成であり、高画素センサーを生かしたテレマクロが撮影できる。

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 ここまで見ても、スマートフォンの望遠カメラながら、高い解像感と広いダイナミックレンジを持っていることが分かる。場面によっては強烈な補正も入るが、HDRを過剰に効かせたものにはならない印象だ。

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1倍(標準カメラ)

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3.7倍(望遠カメラ)

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望遠カメラ(10倍ズーム)

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望遠カメラ(30倍ズーム)

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望遠カメラ(50倍ズーム)

 デジタルズームの補正に関しては、前作のX100 Ultraを凌駕する進化を遂げた。10倍クラスはもちろん、30倍クラスでも強烈な補正で高いクオリティに形に仕上げてくる。

 多くの場面では10倍クラスまでは十分、昼間なら20倍でも利用できるシーンがある。30倍までは記録用としてもSNS投稿用に残せるクオリティだ。

 一方で航空機などの動きの速い被写体はマルチフレーム合成の関係かAIの補正が追いつかず、撮影こそできるものの決定打に欠ける。このあたりはOPPO Find X8 Ultraに軍配が上がる。

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 Xperiaのような感覚で撮影できる「ZEISSナチュラルカラー」も引き続き搭載されている。こちらの処理は中華メーカーに多い派手目で明るいものではなく、ナチュラルカラーというだけあって見た色に近い処理となっている。

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ZEISSナチュラルカラーは自然な感覚で撮影できる

 独自のvivo V3+、VS1チップの真価を発揮するのは夜間撮影、明暗差のある場所での撮影だ。これらの写真は夜景モードにて撮影しており、自然なホワイトバランス処理の優秀さ、白飛びしないように丁寧に処理されていることがわかる。

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筆者が大好きなサイバーパンクモード。香港や深センといったロケーションで撮るなら味が出る

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 vivo X200 Ultraでは、これまでにない新機能として「クラシックネガ」モードが追加された。これは、ネガフィルムの質感を再現するアルゴリズムを採用した撮影モードで、独特のトーンと陰影が特徴だ。フィルムライクな表現をスマートフォンでも気軽に楽しめるのは魅力的で、撮影結果も高水準にまとまっている。

 また、vivoらしい強みとして、本機では長時間露光を活用した撮影モードが非常に充実している。フォトスタイルを切り替えるだけで、光の軌跡や車のライトを描いた印象的な写真が簡単に撮影可能。ユーザーが複雑なマニュアル設定を行うことなく、ワンタッチでアーティスティックな写真を生成できる。

 そのほかにも、被写界深度合成機能や星空撮影モードなど、クリエイティブな用途に対応した機能も多数搭載されており、スマートフォンとしては極めて高い表現力を持つカメラ体験が実現されている。これらの詳細な作例や使用感については、今後SNSなどを通じて順次紹介していきたい。

 このほかvivo X200 Ultraには、「Humanisticモード」と呼ばれるストリートスナップに特化した撮影機能も備わっている。これは、Xiaomi 15 Ultraに搭載された「ストリートショット」モードと近いコンセプトを持つ機能だ。

 Humanisticモードは、カメラアプリのシャッターボタン下を上方向にスワイプすることで呼び出すUIにより、露出補正やシャッタースピードの微調整が直感的に行える。レンズの焦点距離も14mm(超広角)から85mm(中望遠)相当までをカバーしており、人物・街並み・光の演出を自在に切り取ることができる。

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Humanisticモードではプリセットも可能。モノクロやエモい質感も出すことができる

 合わせて、動画撮影性能も強化された。Pro手振れ補正やDolby VISIONモードがある。V3+チップの強烈なリアルタイム補正で4K30fpsまでは夜間でもHDR補正が入ったまま撮影が可能。超広角、標準、望遠の3つのカメラを4K 60fpsの設定でも撮影中にシームレスに切り替えることができるなど、動画用スマホとしても優秀な仕上がりだ。

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今回はメーカーのオプションでカメラグリップ、超望遠テレコンレンズも用意されている。カメラグリップはXiaomiのPhotography Kitよりもグリップが深く、カメラとして使いやすいと感じた

大容量バッテリーにフラグシップのプロセッサ。全方位に進化したvivo X200 Ultra

 vivo X200 Ultraは、最新世代のフラグシップ向けチップセットであるSnapdragon 8 Eliteを搭載。そのCPU/GPU性能はもちろん、AI処理性能やISP性能(画像認識・画像処理能力)も前モデルより大幅に向上している。

 メモリは12GBまたは16GBを標準搭載し、さらに最大16GBの仮想メモリ拡張にも対応。ストレージ容量は256GBを下限とし、大容量の写真・動画ファイルを多数保存できる点も、カメラ特化機としての魅力を高めている。

 高性能SoCの弱点となりがちな発熱対策としては、冷却機構が刷新された。大型ベイパーチャンバー(VC)を採用し、熱を効率よく拡散。実機では、長時間の高負荷動作でも本体やフレームが極端に熱くなることは少なく、背面が「じんわり暖かくなる」程度に留まっている。

 ゲーミング性能も強化され、人気タイトル「原神」ではアップスケーリング機能を利用可能。高フレームレートかつ高画質でのプレイが実現できるため、モバイルゲーミング用途にも十分応えるスペックを備えている。vivo V3+チップにはカメラに直結するISP性能以外にも、描写フレーム補完といった描画面の機能も備えるなど、よりSoCに近い存在となっている。動画視聴やゲームプレイなどでは恩恵を得られるはずだ。

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原神よりも高負荷な学マスも問題なしだ

 画面サイズは6.83型のAMOLEDパネルを採用。画面解像度はWQHD+とハイエンドスマホらしいものになっている。画面輝度はピーク時で4500ニトとかなり明るいものが採用され、屋外でも高い視認性を確保している。

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画面はピーク輝度4500ニトの明るいものが採用されている

 vivo X200 Ultraは、フラットディスプレイを採用している。画面サイズはXiaomi 15 Ultraに近く、手の小さいユーザーにとってはやや大きく感じられるかもしれない。握りやすさの面では評価が分かれるポイントとなるだろう。

 搭載されているAMOLEDパネルは、120Hzの高リフレッシュレートに対応。さらに、広い色域カバー率を持ち、HDR表示や色精度の面でも優れた品質を実現している。また、新世代のLTPO制御により、リフレッシュレートを1〜120Hzの間で動的に制御し、表示内容に応じた消費電力の最適化が可能となっている。

 サウンド面では、X200 Ultraはデュアルステレオスピーカーを搭載。物理的なチャンバー(空間容積)も拡大されており、低域の再現力が向上している。全体としての音質は、HONOR Magic 7 Proなどの音響特化機には及ばないものの、従来のXシリーズと比較して確実に進化している印象だ。

 本機は、BlueOcean Batteryと呼ばれる半個体電池を採用。6000mAhという大容量ながら、内部構造の最適化により、本体サイズの増加を最小限に抑えることに成功している。

 ただし、独自の画像処理チップ「V3+」「VS1」の2基をはじめ、各種センサーや処理系の負荷が高いため、カメラ使用時のバッテリー消費はやや大きい印象を受ける。一般的な用途であれば十分な持続時間を確保できるが、長時間の撮影や高負荷作業では注意が必要だ。

 ソフトウェア面では、Android 15ベースのOrigin OS 5.0を採用。グラフィック処理を支援する仮想GPU機能を備え、リフレッシュレートの安定化や描画の滑らかさを実現している。

進化した望遠性能。カメラスマホとして期待を裏切らない高スペック

 vivo X200 Ultraは、期待を裏切らない完成度を見せた一台だ。中国メーカー各社がカメラ性能を前面に押し出す中でも、vivoは暗所性能、望遠性能、そしてテレマクロ撮影に特化したアプローチで明確な差別化を図っている。

 現時点で、スマートフォンのレギュレーション内におけるカメラ性能は頭ひとつ抜けた存在といえる。ただし、すべてにおいて万能というわけではない。ハードウェアとソフトウェアの完成度は高いが、細かな最適化に関しては依然として発展途上な部分が残る。

 強みは撮影体験に深みを与える仕掛けと表現力にある。夜景撮影モードの豊富さや、ZEISSナチュラルカラーの採用による彩度控えめでリアルな色再現など、従来の“中華スマホらしさ”とは異なる描写傾向は、確実にユーザーの満足度を高めている。

 さらに、新たに加わった「クラシックネガ」モードは、XiaomiのライカチューニングやOPPOのハッセルブラッドチューニングとは異なる表現手法を確立しており、フィルムライクな質感が新鮮だ。

 V3+およびVS1チップによるコンピューテーショナル・フォトグラフィーは、まさにvivo X200 Ultraの核とも言える部分。「目が覚めるような美しさ」を作り出す高度な画像処理は、オート撮影でもマニュアルでも十分に“遊べる”性能を持っている。動画撮影時の手ブレ補正の優秀さも特筆すべき点だ。

 基本性能も妥協なしのハイエンド仕様。カメラだけでなく、Snapdragon 8 Eliteや高輝度対応のAMOLEDパネル、ステレオスピーカー、そしてIP69の防水防塵性能など、基本スペックもまったく抜かりがない。

 さらに、6000mAhの大容量バッテリーを搭載しながら、本体サイズを抑えた設計も見事だ。価格は6499元(約14万円)〜と、スペックに対して非常に競争力のある水準で、日本からの直輸入でおおよそ16万円前後となる見込みだ。

 惜しい点として、カメラのチューニングはまだ発展途上という印象も拭えない。特にメインカメラが換算35mmというスマートフォンとしてはやや特殊な画角のため、撮影スタイルによっては慣れが必要になる場面もある。

 また、X100 Ultraから乗り換えたユーザーにとっては、1型センサーが非搭載となった点を惜しむ声もあるだろう。ただし、背景ボケの少ない35mm画角は、「使いやすさ」という観点では一部において優位性もある。

 今回のレビューは発売前の先行使用機での評価であり、今後のソフトウェアアップデートによる画質改善や新機能の追加にも期待がかかる。変更があれば、追って内容をアップデートしていきたい。

カメラ特化のイメージが強いvivoだが、HuaweiやXiaomiと比べてそのブランド価値の伝達はやや弱く、海外市場ではまだ苦戦している様子もうかがえる。実際、最上位モデルがグローバルで展開されない傾向も依然として見られる。

 それでも、2019年以降のvivo Xシリーズは、Huaweiの「Pシリーズ」のような立ち位置を確立しつつあると筆者は感じている。製品としての完成度は高く、あとはいかにグローバル市場で存在感を発揮できるかが、今後の課題となるだろう。

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 vivo X200 Ultraは今世代のカメラスマホの中では「ズーム性能」「夜景性能」に特化しつつ、メイン画角を35mmにして「撮影体験」に重点を置いたスマートフォン。

 普段使いのスマホとしても、ポケットに収まるカメラとしても高いクオリティに仕上がっており、日々の写真をワンランクアップさせることができる。そのような意味でも、マニアの皆さんはひとつ手持ちの機種に加えると幸せになれそうだ。

こんな人にvivo X200 Ultraはおすすめ

■ カメラ性能を最重視するスマートフォンユーザー

vivo X200 Ultraは、スマートフォンの中でも暗所撮影、望遠、テレマクロの描写力に特化した一台。風景・人物問わず撮影にこだわるユーザーや、「スマホでも一眼に近い撮影体験がしたい」と考える人にはうってつけだ。

■ フィルムライクな写真表現を楽しみたい人

「クラシックネガ」モードやZEISSナチュラルカラーなど、他社とは異なる色味・質感で差別化された描写が可能。Xiaomiのライカ調やOPPOのハッセルブラッド調とは一味違った写真表現を楽しみたい人に最適。

■ カスタマイズ性の高いカメラアプリを求める人

オート撮影でも十分に高画質を得られるが、「Humanisticモード」などを使えば、UIを変えて直感的なマニュアル撮影も可能。露出・シャッタースピード・焦点距離などを自分で調整したいセミプロ志向のユーザーにも対応できる設計だ。

■ 高性能なスマートフォンを合理的な価格で手に入れたい人

Snapdragon 8 Elite、6000mAhバッテリー、IP69の防水防塵、高輝度AMOLEDなど、あらゆる面でフラッグシップ級の性能を持ちながら、価格は約14〜16万円台に抑えられている。コストパフォーマンスも重視したい層には非常に魅力的な選択肢だ。

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