こんにちは。これまで使ったスマホは300台以上。生まれはギリギリZ世代のライター、はやぽんです。今回は日本でも発売されて話題の1型センサー搭載ハイエンドスマホ、Xiaomi 15 Ultraのレビュー(カメラ編)といきましょう。
今度のUltraは2億画素でズーム性能が進化!新色のシルバークロームが良い!
スマートフォン業界に衝撃を与えたXiaomiとライカのコラボレーション。昨年のXiaomi 14 Ultraは日本でも発売され展開も行われ、その性能の高さから大きく注目された。
今回のXiaomi 15 Ultraは、前作のXiaomi 14 Ultraをアップグレードしたモデルで、あらゆる面が強化された。グローバルでは「Pinnacle photography」のキャッチコピーが使われ、最強のカメラスマホであることをアピール。特に2億画素の望遠カメラを採用したことで、ズーム性能が飛躍的に向上した。
バルセロナでひと足先にXiaomi 15 Ultraを体験した筆者だったが、実際に触るとやはり欲しくなってしまう商品だった。
本体はレザー調のデザインとなっており、グローバル向けはブラック、ホワイト、シルバークロームの3色展開。今回は特徴的なシルバークロームを選択
Xiaomi 15 Ultraの質感やフォルムはXiaomi 14 Ultraに通ずる。カメラ部を円形の意匠であしらうなど、「カメラ特化モデル」を意識させる。大きな変化点は、後述の2億画素の望遠カメラを採用したことによるカメラレイアウトの変化だ。

望遠カメラに2億画素の大型センサーを採用したことで、レイアウトは大きく変更された。「VARIO-SUMMILUX」の表記が見られる
1型センサーによる圧巻の描写。可変絞りは廃止も、写真撮影が楽しいカメラスマホ
Xiaomi 15 Ultraのカメラ構成は、35mm換算で14mmの超広角、23mmの標準、70mm、100mmの望遠という4眼構成。特に100mm望遠には2億画素のイメージセンサーを採用したことで、従来よりもズーム性能に重きを置いた構成へと進化した。
Xiaomi 15 Ultraのカメラチューニングは、引き続きライカカメラ社との共同開発。レンズコーティングも一新され、今回も画質に妥協はない。加えて全レンズで8K解像度の動画撮影にも対応する。まさにプロ仕様の1台という仕上がり。早速、Xiaomi 15 Ultraを外に持ち出して何枚か撮影してみた。







ここまでは広角のメインカメラで撮影。相変わらず見事な写り。好評だった可変絞りが廃された点は惜しいが、基本的な性能の高さはさすがと評価したい。
メインカメラの画角は23mm相当。ソニー製の1型のイメージセンサー「LYT-900」を採用し、専用機並みの高い性能を有している。一方で、Xiaomi 14 Ultraで好評だった可変絞り機構は廃されている。この理由としては、手ぶれ補正機能の性能向上が大きな目的と考えられる。この変更があってか、従来よりも手ブレを抑えて撮影できるようになっている。
進化した望遠カメラは2億画素センサー採用!高いズーム性能が撮影の幅を広げる
続いては望遠カメラだ。Xiaomi 15 Ultraには70mmと100mmという画角の異なる望遠カメラを備える。100mm画角ではペリスコープ方式の望遠カメラとするなど、撮影シーンなどで使い分けることが可能だ。
Xiaomi 15 UltraもXiaomi 14 Ultra同様に10cmまで寄れるテレマクロ撮影が可能。換算70mmの望遠カメラは描写もしっかりしていて、背景ボケも円形にきれいに撮れる。あらゆるシーンで「もうちょっと寄りたい」を叶えてくれる。






Xiaomi 14 Ultraでも好評だった3倍望遠カメラは今回も継続。画角が70mmに改めてられている。
そして、Xiaomi 15 Ultraの100mmの望遠カメラは今回大きく進化したポイント。こちらは遠方の撮影はもちろん、テレマクロ撮影にも利用できる。
この100mm望遠はサムスン製のHP9という1/1.4型という大型のイメージセンサーを採用しており、サイズだけなら並のハイエンドスマホのメインカメラに使われるものもより大型だ。画素数も2億画素と高く、インセンサーズームを用いて画質の劣化を抑えて撮影できる。
どちらかといえば、昨年に「圧巻のズーム性能」を持つスマホと評されたvivo X100 Ultraの構成に近くなった。今作はXiaomi 14 Ultra以上に、望遠カメラを用いた撮影がとにかくはかどる仕様だ。





100mm相当の4.3倍望遠カメラは大きな進化ポイント。2億画素、大型のイメージセンサーを採用したことで、ズーム性能の高さは他社の製品と比較してもかなり上位に君臨する。大型のイメージセンサーを採用したことで、夜間撮影等でも効果を発揮できるようになった






特に進化した点は10倍クラスの望遠性能。インセンサーズームを用いることで、従来モデルに比べてかなりキレイに撮影できるようになった。条件がそろえば20倍クラスの望遠撮影も可能だ
超広角カメラは従来よりもやや性能が落とされている。画角も広めだったXiaomi 14 Ultra(12mm)と比較するとやや物足りなさを感じるものの、以前よりも一般的な画角になったことで、他社のスマートフォンから乗り換えても違和感を感じにくい。


超広角カメラはきれいに撮れるものの、差別化要素は失われた
カメラの操作画面はライカフォントに。カメラグリップも進化
また、ライカモードの進化も見逃せない。「LEICA AUTHENTIC」と「LEICA VIBRANT」を基本に、色調やコントラスト、ボケ味の表現力が進化した。HDR処理やAI補正も強化され、簡単に「作品っぽい写真」が撮れるのがこのシリーズの真骨頂と評価したい。

撮影時のUIもアップデート。細かいところでは数字のフォントがライカフォントになっている
ファストショットモードも進化した
Photography Kitを装着すると、ファストショットモードの画面をより「ライカのカメラ」を意識したものに設定することもできる
アピールポイントのカメラグリップ(Photography Kit)もLegend Editionへ進化した。バッテリー容量が2000mAhと増加して長く使えるようになった。各種グリップやシャッターボタンのカスタマイズも可能になった。
もちろん、従来通りダイヤルと動画用のボタンも備える。このダイヤルは露出、ISO感度、絞り等に割り当てることができ、動画用のボタンもいくつかの操作に割り当て可能だ。

グローバル向けはブラックのみの展開。

このカメラグリップをつけた見た目は、まさにカメラそのもの
Photography Kitを取り付けたXiaomi 15 Ultraの操作体験は、専用機のカメラに通じるところがあり、特にダイヤル操作は露出操作に割り当てるとカメラさながらの操作感を有する。
ストラップホールがグリップ正面にも新たに備えたことで、2点留めができるようになった。シャッターボタンの押し心地も改善された上、ボタンそのものも交換可能になったことで、カスタマイズも可能だ
オプションパーツの金属製の指あてを付けると、親指の置き場が確保されることでホールド感の向上、手持ちぶさたも抑えられる。もちろん、従来同様に67mm径のフィルターを装着することも可能だ。


オプションの指当てをつけるとこのような感じ
写真を「撮る楽しさ」が詰まった。Xiaomi 15 Ultraは魅力的なカメラスマホ
Xiaomi 15 Ultraは、ライカとの共同開発の中、「プロフェッショナルな撮影体験」と「スマートフォンとしての完成度」を高次元で両立した1台へと進化した。
今回はカメラ廻りを中心に見てきたが、センサー、レンズ、処理性能、インターフェイス。どれを取っても進化しており、カメラグリップとの一体感、表現力の高さという評価されたポイントに加えて、2億画素の高い望遠性能が強化された。
簡単にエモい写真が撮れる様は「撮って楽しい」といった感想。エモい要素で作品の昇華だけでなく、グリップを握って構える、シャッターを押すといった撮影体験を支えてくれます。このカメラさながらの操作体験は、他社のカメラ特化スマートフォンとの大きな差別化要素であり、このためだけにXiaomiのスマートフォンを選んでも良いでしょう。
一方でXiaomi 14 Ultraで支持されていた「他社製品よりも画角の広い超広角レンズ」「物理的な可変絞り」が廃されたので、一部撮影シーンは苦手になった印象。完全な上位互換とはいかないものの、多くの場面ではXiaomi 15 Ultraの方が優位と感じた。強いて言うなら、光芒や超広角と言った特徴的な表現を求めて、あえてXiaomi 14 Ultraを選ぶのもアリなのかもしれない。
Xiaomi 15 Ultraの価格は日本向けで17万9800円。別売のPhotography Kitが1万9980円(4月15日までにXiaomi 15 Ultraを購入した方は無料特典)と決して安くはない。それでも、価格に見合う価値がある商品と感じた。Galaxy S24 UltraやiPhone 16 Pro Maxといったライバルと比べても、特に“撮影体験”において頭ひとつ抜けている。
スマホで「作品」を残したい人、カメラに妥協したくない人には間違いなくおすすめな1台に仕上がっている。次世代の撮影体験を味わってほしい。