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水月雨「Robin’s Earphones」レビュー LDAC対応のイヤホンで調和のメロディーを聴く

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 日本でも支持を集めるオーディオメーカー「水月雨」ことMOONDROP。数多くの名器と呼ばれる製品を生み出したメーカーより、人気ゲーム「崩壊スターレイル」とコラボレーションしたワイヤレスイヤホンが登場した。発表時から大きな話題を呼んだスタレとのコラボイヤホン「Robin’s Earphones」を、今回入手することができたのでレビューしよう。

目次

水月雨のフラッグシップワイヤレスイヤホンは「崩壊スターレイル」ロビンとのコラボモデル

 市場競争が過熱する完全左右独立型イヤホン。中でも、日本でも発表直後から大きく注目されたイヤホンがある。商品の初回予約分は数分で完売し、その勢いは専門店のオンラインショップのサーバーを落とすほどの高い注目度だった。そんな水月雨のワイヤレスイヤホンの新作が「Robin’s Earphones」なのだ。

 本製品は日本でも人気のゲーム「崩壊スターレイル」内に登場するキャラクター”ロビン”とのコラボレーションモデル。ゲーム内では「天環族の歌手」とされるキャラクターであり、ゲーム内では彼女が歌唱する楽曲も登場する。イヤホンとのコラボにはピッタリだ。


ロビンは必殺技スキルを発動すると歌いだすキャラクターだ

 Robin’s Earphonesはコラボモデルとしては珍しくベースモデルが存在しない。本コラボのために企画、設計された商品だ。そのため、本機の正式名称もRobin’s Earphonesとなっており、名前の通り「ロビンのイヤホン」である。

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箱はコラボレーションモデルらしく高級感も備える。「箱も付属品」と言わんばかりで、外箱を覆う箱がついた状態で届いた。

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本体カラーはホワイトとパープルのツートン仕上げ。フェイスプレートにはロビンの歌う「調和」の意匠がデザインされている左右非対称仕様だ

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本体はイヤモニのようなデザインを採用。フィット感を高めている。

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ケースにはロビンがデザインされ、コンパクトケースのような佇まいだ

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付属品も豪華。レザーケースも付属し、装着した状態で充電も可能。

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ロビンのアクリルブロックも付属し、コラボレーションを彩っている。説明書は日本語も備える

 Robin’s Earphonesの対応コーデックはSBC/AAC/LDAC/LC3に対応している。LDACはハイレゾ相当となる24bit/96kHz再生も可能なため、より高音質での再生が可能だ。

 コーデック面ではトレンディなところを押さえるが、核となるオーディオハードウェアもしっかりしている。Robin’s Earphonesは、TiNセラミックコーティング振動板を採用した10mm径のダイナミックドライバ。6mm径の平面駆動ドライバ(高域用)を組み合わせたハイブリッド構成を採用した。

 このほか、特許取得済みの音響機構「フロントキャビティ音響エラストマーダンパー」を採用し、Hi-Fiインイヤーモニターと同等の音響性能を実現したとしている。

LDAC対応で高音質!女性ボーカルが生きる調和のとれた水月雨らしいサウンド

 オーディオハードウェアにも抜かりないRobin’s Earphones。サウンドにも妥協はないとのことなので聴いてみることにする。今回の試聴曲はこちら

Hope is the Thing With Feathers/Robin&Chevy

(ゲーム内:現世の夢の礼賛にて。日本語:翼の生えた希望)

Sway to My Beat in Cosmos/Robin&Chevy

(ゲーム内:ロビン必殺技スキルにて。日本語:銀河を独り揺蕩う)

地球儀 – Spinning Globe /米津玄師

スロウリグレット/田所あずさ

 今回の試聴環境はスマートフォンにソニーのXperia 1 VIを使用し、LDACの環境で使用する。この機種ではストリーミング環境でも単独で24bit/96kHz環境の再生が可能だ。

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今回のレビューにはXperia 1 VIを使用した

 実際に聴いてみると、1万円台の完全ワイヤレスイヤホンとは思えないくらい高品質なサウンドが体感できた。量感のある質の良い低域、空間表現の巧さは特筆でき、基本性能はかなり高い。思った以上にハイゲインで鳴らしてくれる点も評価したい。

 高域のキラキラ感はやや抑え目ではあるものの、抜けの良さはある。ヴォーカルの表現は柔らかく、艶ややかな表現が魅力的。「生き生きとした様子」を感じ取ることができる表現が適切かと思う。もちろん、細やかな表現についてはコーデックに大きく依存する。伸びやかな高域や芯のある低域を体験したいのであれば、LDACでの利用を強くオススメする。完全ワイヤレスイヤホンでここまで鳴らせるのであれば上出来だ。

 最初に「スロウリグレット」を聴いてみる。透き通るヴォーカル、高域の広がりも感じられるサウンドが印象的。解像感の高さから目が覚めるような感覚も味わえ、塞ぎ込まれたような窮屈さや過度な濃密さはなく、ある意味水月雨らしいサウンドに仕上がっている。

 曲を「地球儀」に変えてみる。低域もしっかり出ており、この価格のイヤホンとしての空間表現は高く評価したい。この解像感とレスポンスの良さは、平面ドライバーを採用したツーイターが生きていると感じられる部分だ。

 最後に「Hope is the Thing With Feathers」「Sway to My Beat in Cosmos」を聴いてみる。どちらもゲーム内のロビンの楽曲だが、このイヤホンとの相性は良い。ベースラインの低域には芯があり、グルーヴ感の表現もこの価格帯としては見事。一歩前にでるような柔らかいヴォーカルの表現も気持ち良く聴ける。

 まさに調和のハーモニー、メロディーに心打たれるような感覚だ。これよりもいい環境はいくらでもあるが、1万5000円のワイヤレスイヤホンでこれが楽しめるなら十分すぎるという感想だ。崩壊スターレイルの楽曲は各種サブスクサービスでも配信されているので、興味がある方はRobin’s Earphonesと共に一聴の価値はあるだろう。

 全体的なサウンドも水月雨らしい女性ボーカルを意識したチューニングなのだが、どちらかといえばKadenzなどの近年登場した機種に傾向は近い。従来のKXXSなどとは少々異なると思ってもらってよい。

 本機種はイコライザーは備えないものの、アプリからチューニングを変更できることもポイント。オススメはMOONDROP Classicで、これに変更すると、かつての水月雨らしい見晴らしの良い高域が楽しめる。

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アプリ内のチューニングMOONDROP Classicは以前の水月雨らしい特徴的なサウンドが楽しめる

 また、フィット感も良好。イヤモニのようなシェルデザインとしたことで、耳のくぼみに綺麗に収まる設計だ。イヤーピースには同社の「清泉」も同梱されており、必要に応じて選ぶことができる。「清泉」は単品販売されているものの、3ペアで2000円を超える高級イヤーピース。これが付属すると考えればお得感も大きい。 

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オーディオマニアからの評価も高いイヤーピース「清泉」が付属する

コラボモデルらしく「ロビン」のボイスも収録!サウンド以外の特徴もチェック

 さて、音質についてはこの辺りにして、ここからはマイクの品質や操作性について書いてみる。Robin’s Earphonesは1.5万円の音質重視の構成ながら、機能面にも抜かりはない。ノイズキャンセリング、外音取り込み機能もしっかり備え、アプリからの調整も可能だ。

 通話音質も良好。ビームフォーミング技術によって効率よく音声を拾い、ノイズリダイレクションによってノイズを抑えて通話が可能だ。

 Robin’s Earphonesの各種設定はアプリ「MOONDROP Link」から行うことができる。ここでは、各種モードの切り替えイコライザーの設定のほか、タッチセンサーのカスタマイズを行うことができる。

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アプリもしっかり備わる。今のところ水月雨のワイヤレスイヤホンあるあるの不安定さは感じられない

 コラボレーションモデルらしく、内蔵のボイスガイダンスもロビン仕様だ。音声は出荷地域向けに異なり、英語圏向けは英語、中国向けは中国語、日本向けは日本語で収録されている。それぞれの言語でロビンの声を担当した声優を起用した撮り下ろし仕様だ。

 音以外の部分もしっかり評価したい。この機種の特徴としてはIPX4相当の防滴対応に加え、マルチポイント接続も可能だ。音質特化モデルではマルチポイント接続に非対応なものも多いが、本機種ではしっかり対応している。

 Robin’s Earphonesはバッテリーは本体で最長9時間、ケース併用で30時間の連続再生が可能になっている。バッテリー持ちは比較的良い部類の商品だ。

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ケースは少々大柄な点が惜しい。カバン等に入れて持ち歩こう

コラボモデルながら、1万5000円と安価。この価格で音質を求めるならアリ

 さて、今回レビューのRobin’s Earphonesというイヤホン。水月雨のワイヤレスイヤホンでは最も高価な商品ということもあり、音や機能面でも他社の競合と並ぶものをしっかり備えた。

 高音質なことはもちろん。アクティブノイズキャンセリングや外音取り込みと言った近年トレンドの機能もしっかり備える。オーディオメーカーの機種にありがちな「音だけに極振りした製品」ではないことをうかがわせる。

 そんなRobin’s Earphonesの価格は税込1万5210円。グローバル価格が99ドルということを考えると、日本向けがべらぼうに高いこともなく、消費税を考えるとむしろ安いくらいだ。コラボ商品は製品に加えて版権料やボイス収録などの関係もあって高価になりがちなので、正直この価格でも安いと思えてしまう。筆者も発表当初は「3万円以下だとうれしいな」くらいの印象だったので、この価格が出たときは驚きだった。

 加えて、本機種は完全新設計の筐体になっており、ベースモデルが存在しない。一般的なコラボイヤホンの場合、ベースモデルに作品の「のれん代」をつけて通常よりも高価な設定で販売することが多い。そのような意味では、Robin’s Earphonesはかなり異色な存在なのだ。

 本体以外の特典にはロビンのアクリルブロックも付属するなど、ファン向けの特典も含めて抜かりなし。前述の清泉イヤーピースも含めると、恐ろしく高いコストパフォーマンスに驚く以外の感想しかない。

 発売当初は予約が殺到し、専門店のe☆イヤホンでは注文ページがダウンする勢いだった。筆者が知る限りでもイヤホン単独でここまで注目度が高い機種はなかった。現在はAmazonで即購入することができるなど、供給も回復している。

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 Robin’s Earphonesはロビンのファン、崩壊スターレイルのファンの方はもちろん、1万5000円前後の予算で音の良い完全ワイヤレスイヤホンを探している方にもおすすめできる。ワイヤレスイヤホンに高音質はもちろん、普段使いの勝手の良さも併せて求める方は、Robin’s Earphonesをチェックしてみてほしい。

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