高性能なSnapdragon 8 Elite搭載。アンダーディスプレイカメラ採用の「全画面」もうれしいnubia Z70 Ultra
nubia Z70 UltraはプロセッサーにクアルコムのSnapdragon 8 Elite mobile Platformを搭載。2025年における標準のハイエンドチップセットを搭載しており、同社ではフラグシップの立ち位置だ。
大きな部分では、CPUのアーキテクチャが一新されより高性能になった。単純な処理性能に限らずAI処理性能やISP性能をはじめとした画像認識、画像処理部分の性能も向上している。GPUはハードウェアレイトレーシング処理にも対応する高性能なものだ。
メモリは12または16GBを選択でき、最大で12GBの仮想メモリにも対応している。ストレージの最低容量も256GBとなっており、パフォーマンスが売りのスマートフォンとしては標準的だ。
高性能なゆえに発熱が気になるところだが、nubia Z70 Ultraでは冷却機構も改善され、大型の面積をもつVC(ベイパーチャンバー)が採用されている。このおかげもあって「本体やフレームが極度に熱くなる」ということは少ない。一方で、発熱してくると本体の背面やフレームがジワジワと暖かくなる程度だが、1時間くらいゲームで遊ぶと気になる印象だった。
高負荷な原神も最高画質で快適に動作する。パンチホールのない大画面にナヴィア嬢もニッコリ
画面サイズは6.85型のAMOLEDディスプレイを採用。画面解像度は2688×1216(1.5K)と従来モデルより向上し、ハイエンドスマホらしいものになっている。
画面輝度はピーク時で2000ニトと明るいものが採用され、屋外でも高い視認性を確保している。
パネル自体は144Hzの高リフレッシュレート対応をはじめ、色帯域カバー率も高く主流な機能もしっかり押さえた高品質なもの。指紋センサーは画面内に備わっている。
売りのアンダーディスプレイカメラは1600万画素のものを採用。最新の第7世代のUDCということで、画面解像度を向上と画質の両立ができた。
実際に画面を見ても意識しなければフロントカメラは分からないレベルに進化を遂げた。一方で、フロントカメラの写りは他社製品に劣るので、ここはトレードオフといったところ。
現時点でここまでの精度の製品を展開するメーカーはnubiaのみなので、アンダーディスプレイカメラは他社製品に対して大きなアピールポイントだ。

ノッチ等がないフルディスプレイだ

画面内にフロントカメラを備えるが、視認は困難
本体の特徴として、スライド式のスイッチを備える。初期設定ではカメラのストリートショットモードを起動できるが、懐中電灯やボイスレコーダーの起動、マナーモードのオンオフなどに割り当てることもできる。
スライド式のスイッチを備える
バッテリー容量は6150mAhと大容量。Snapdragon 8 Elite世代のスマートフォンは大容量バッテリーを採用する機種が多く、本機種も 6000mAh以上と大容量だ。
このほか80Wの急速充電に加え、ゲームなどに役立つ充電分離機能(バッテリーを充電せずに直接本体に給電する機能)も備えている。一方でワイヤレス充電には非対応。
国内向けには充電器が付属しないものの、予約者には別途80Wの急速充電に対応した充電器が同梱される。
高性能かつ、バッテリー容量が大きいものの、本体は228gと常識的な重量に軽量化。前作は246g(公称値)と重く、ずっしりとくる重量感だった。ファンからは重すぎて「鈍器」と言われる始末だったため、軽量化によって使いやすくなった。
本体が角張っていることもあって「持ちにくい」という感想を持つ方もいると思うが、筆者としてはカメラパンプに指をかけられるので思ったほど持ちにくさは感じなかった。
UIは独自のNebura AIOSを採用。ホーム画面テーマなどの中国メーカーらしい独自機能を数多く備えており、プレーンAndroidの端末に比べるとカスタマイズ性は高い。名称からもMEIZUをかなり意識しているように感じる。中身はAndroid 15ベースだ。
日本語にも対応しているものの、現時点では完全にはなされていない。前回話題を呼んだカメラの「番地モード」はしっかり改善されたものの、フィルター名「むちゃ」などの新たな誤訳がでている。

日本仕様なのか、中国メーカースマホに多い「ギャラリー」アプリがない点は気になった。

標準ブラウザは日本語設定にしても英語表記で使いにくい印象。Chromeを利用しよう
nubia Z70 Ultraは高いカメラ性能とゲーム性能を両立。「人と違うスマホ」が欲しい方にオススメ
nubia Z70 Ultraは、カメラ性能と基本性能を他社のハイエンド機と同等にしつつ、コストパフォーマンスを高いレベルで両立させたスマートフォンだ。
基本スペックも妥協なきハイエンドだ。Snapdragon 8 Eliteに加え、画面もアンダーディスプレイカメラを備えるAMOLEDパネル採用と隙が無い。ステレオスピーカーに防水機能もしっかり備えており、他社のフラグシップにも引けを取らないハイエンドスマホだ。
それでいてお値段は12万2800円~という価格設定も魅力的。上位モデルにはスターレイナイト(ゴッホ版)もラインナップされており、日本でもあの奇抜な ブルーカラーが手に入ると思うと、ファンとしては嬉しい限りだ。

スターレイナイトは特徴的なデザインだ
前機種のZ60 Ultraは一部代理店を通して総務省の特例認証を前提とした端末として販売されていたが、今回のZ70 Ultraはそのフィードバックを踏まえた正式販売だ。
一方で、カメラ構成やFeliCa非搭載と言った面からギーク向けなスマートフォンであることは否めない。それでも、「人と違うスマホ」が欲しいと言われれば筆者は真っ先にこの個性的なスマホを勧めるだろう。ハードウェア、ソフトウェア共に若干のクセはあるものの、この「クセ」を含めて楽しめるような人にはアリだ。もっとも、メーカー側もユーザーのフィードバックを元に日本語対応を含め改善するとしているので、安心して利用できる。
nubia Z70 Ultraは「コストパフォーマンスの鬼」という言葉がぴったりのスマートフォンだ。安価に高性能な端末を選ぶという選択肢としてトップに躍り出るはずだ。
アンダーディスプレイカメラや35mmのカメラといった独自性も併せ持ち、他社のスマートフォンと差別化も図られている。他社とは違う変わったスマートフォンとして、ひとつ手持ちの機種に加えて欲しい。
商品貸出:Fastlane Japan 株式会社