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vivo X200 Pro mini レビュー「 iPhoneキラー」はカメラと電池持ち重視で差別化

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世界初のDimensity 9400搭載。学マスも快適な高い性能はもちろん、大容量バッテリーもうれしい

 X200 Pro miniの核となるプロセッサーはMediaTek Dimensty 9400を搭載。2025年における標準のハイエンドチップセットを世界初搭載しており、実質的なローンチデバイスとなった。
 このプロセッサでは、Cortex-A510といったリトルコアを廃し、Cortex-X925、Cortex-X4とCortex-A720のみの構成としたことで、競合プロセッサに比べて高い性能を確保したとしている。

 加えてAI処理性能やISP性能をはじめとした画像認識、画像処理部分の性能も向上している。ここはMediaTekとしてもアピールしていただけに、期待できる。GPUのArm Immortalis-G925 MC12はハードウェアレイトレーシング処理にも対応する高性能っぷりだ。

 メモリは12GBと必要十分ながら、最大で8GBの仮想メモリにも対応している。ストレージの最低容量が256GBとなっており、写真を撮るのが売りのスマートフォンなだけにありがたい。

 高性能なゆえに発熱が気になるところだが、大型の面積をもつVC(ベイパーチャンバー)が採用されている。このおかげもあって「本体やフレームが極度に熱くなる」ということは少なくなっている。発熱しても本体の背面がジワジワと暖かくなる程度だ。

 一方で、強烈なGPU性能を誇るDimensity 9400だが、X200 Pro miniではその真価を発揮しきれていないようだ。よく考えてみれば本機種はコンパクトモデルなので、冷却面では面積、容積的にどうしても6.8インチクラスの機種には引けを取る。

 そのため、熱制御の観点からある程度のリミッターがかかっていると評価することが適切で、ベンチマークスコアもApple A18 Pro相当の値にとどまっている。

 それでもなお、後述の原神の最高画質はもちろん、学園アイドルマスターの最高画質(スマホ描写:約1.5K解像度)のプロデュース、MV撮影でも60fpsを優にキープできる。これでもDimensity 9400は「本気を出していない」状態なので、大半のスマホゲームは問題なく動くと考える。

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高負荷な原神も最高画質で快適に動作する

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学マスも快適に動作する

 画面サイズは6.31型。このサイズが「mini」の由来だが、実際のサイズはXiaomi  15やiPhone 16なとほぼ同じ。画面解像度は2640×1216(FHD+)となり、ハイエンドスマホらしいものになっている。画面輝度はピーク時で4500nitとかなり明るいものが採用され、屋外でも高い視認性を確保している。

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画面はピーク輝度4500nitの明るいものが採用されている

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名前に「mini」とついているがサイズ感はGoogle Pixel 9に近い

 パネル自体は120Hzの高フレームレート対応をはじめ、色帯域カバー率も高く主流な機能もしっかり押さえた高品質なもの。LTPO制御も新世代のものが採用され、1~120Hzまでフレキシブルにリフレッシュレートを変化させつつ消費電力を抑えることが可能とした。

 またコンパクトモデルながらバッテリー容量は5700mAhと大容量だ。これは多くの6.8型クラスの機種よりも大容量であり、このサイズによくぞ詰め込んだと評価したい。バッテリーにはvivo独自のBlue Ocean Batteryを採用しており、大容量化と薄型化を両立した。

 X200 Pro miniを実際に使ってみると同じサイズ感の機種よりも圧倒的に電池持ちが良く、iPhone 16 ProやGoogle Pixel 9 Proといった機種と同じくらい利用しても充電頻度が明らかに少ない。このサイズでは、圧倒的な電池持ちと評価したい。

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このサイズ感で5700mAhの容量は驚異的だ

 UIはOrigin OS 5.0を採用。仮想グラフィックカード機能などを備え、表示するフレームレートの安定化を図っている。中身はAndroid 15ベースだ。

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Origin OS 5を採用する

まさに「iPhoneキラー」な仕上がり。コンパクトでも妥協のないカメラ性能を求めるならX200 Pro miniはアリ

 vivo X200 Pro mini。このサイズのスマホにおけるカメラ性能なら、現時点ではGoogle Pixel 9 Proなどと並ぶトップレベルの性能を持つ。その中でも、夜景モードの多様さ、ZEISSナチュラルカラーの採用は大きい。

 前者は夜景お化けのファーウェイなどとも差別化でき、後者は彩度高めの中華スマホチューニングとも異なる絵が出せる点で差別化できている。

 そんなvivo X200 Pro miniは基本スペックも妥協なきハイエンドだ。高性能なDimensity 9400に加え、画面も高輝度なOLEDパネルを採用して隙が無い。ステレオスピーカーにIP68/IP69防水機能もしっかり備える妥協のないハイエンドスマホだ。

 どちらかといえば2024年のハイエンドよりも、2025年のハイエンドの構成なので、別格なのは納得できる次第。それでいてお値段は4699元(約9万7000円)からという価格設定も魅力的だ。

 そんなvivo X200 Pro miniだが、なぜこのタイミングで出したのか疑問に思わないだろうか。6.3型のサイズは中国市場ではあまりウケない大きさのスマホであり、vivoはXiaomiと違って今まで継続的に出してきたわけでもない。

 加えて、X200 Pro miniのみ他の機種とカラーリングが異なり、明らかにiPhone15を意識してきたと思えるようなラインナップだ。ここから考えられるものは、グローバル向けの拡充と、中国内のiPhoneシェアの取りに行く姿勢と考える。既にvivoは一部機種をグローバル展開しており、直近では一部地域に限定されるものの折りたたみスマホ「vivo X Fold3 Pro」も販売していた。

 中国ではあまり人気のない6.3型、ある意味「グローバルスタンダードサイズ」のスマートフォンを出してきた理由として、アジア地域を中心としたグローバル市場のさらなる開拓が根幹にあるのではないかと考える。また、中国市場ではファーウェイが市場シェアを席巻しており、最新のiPhone有するAppleがシェアを落とすような状態だ。中国内でのファーウェイの関心度の高さはすごいもので、直近のMate 70シリーズも好評だ。

 ここでvivoはファーウェイと直接勝負するスマートフォンではなく、iPhoneと勝負するような形にシフトした。iPhoneと同じようなサイズ感でカメラ性能や画面性能、コスト面などで差別化を図った商品を展開し、iPhoneからのシェアを奪うような構図だ。

 vivo X200 Pro miniは本体のカラーリングや機能面をはじめ、いい意味で「中国版iPhone」と評価しても良いレベルに仕上がった。本体重量も187gと軽量なことを踏まえると多くの部分でiPhone 16 Proを上回る「iPhoneキラー」であり、実際筆者も中国市場の特殊な環境を考慮すると「iPhoneじゃなくてこっちでいいじゃないか」と感じた。

 ここ数年で一気にカメラ特化のイメージ付けを行うvivo。2020年のX50シリーズ以降、ファーウェイやXiaomiのような「高いカメラ性能」をしっかりアピールしてきている。ここ4年でvivoのXシリーズはファーウェイの「Pシリーズ」に倣ったカメラ特化の製品して確固たる地位に付けたと感じている。

 製品としての魅力は高いところまでもっていけているので、今後はグローバル市場にてより多くの客層にアピールしていくのかが課題となりそうだ。

 グローバル展開も考えられるvivo X200 Pro miniは来年のトレンドを牽引するスマートフォンだ。ポケットにすっと収まるカメラとしても、電池持ちの良いコンパクトスマホとしてもひとつ、手持ちの機種に加えてみてはいかがだろう。

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