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FCNT arrows We2 Plusレビュー 「富士通に良い印象がない方」に使ってほしいスマホ

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 先日発表されたFCNTの最新スマートフォン「arrows We2 Plus」。新生FCNTによって復活したarrowsだが、今回メーカーさんより実機をお借りできたのでレビューしていきたい。

目次

新生FCNT体制最初のスマホ。arrows We2 Plusをチェック

 arrows We2 Plusの特徴は、同社としては初のエントリーモデルの上位機種というポジションで、高い耐久性をはじめ、富士通時代に好評だった多くの便利機能を備えた機種だ。

 本機種は昨年のFCNT経営破綻後、レノボ傘下のFCNT合同会社になってから展開する最初の製品となったが、従来のarrowsのもつ強みを備えつつ、レノボのリソースをふんだんに生かした魅力的な製品へ進化した。

 また、FCNTのスマートフォンとしては初の楽天モバイルへの供給も行う。他キャリアではドコモが取り扱い、8月9日より発売している。これに加え、富士通時代から数えて久方ぶりのオープンマーケット(SIMフリー)市場への投入も行う。そんな期待値の高いarrows We2 Plusのスペックは以下の通り。

SoC:Qualcomm Snapdragon 7 Gen 2
メモリ:8GB
ストレージ:256GB(SDカード利用可能)

画面:6.6型 FHD+解像度
OLEDパネル、144Hzリフレッシュレート対応

カメラ
標準:5010万画素 f1.8

超広角:800万画素 f2.2

フロント:1610万画素 f2.4

端末サイズ162mm × 75mm × 8.5mm

バッテリー:5000mAh

OS:Android 14

価格:

6万2150円(ドコモ)

5万4800円(直販、MVNO)

4万9800円(楽天モバイル)※

※楽天モバイルは10月15日発売予定

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arrows We2 Plusの本体カラーはスレートグレイとシャンパンシルバーの2色だ。今回レビューするものはスレートグレイ、オープンマーケット向け仕様だ。

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パッケージは環境に配慮した紙製のパッケージだ。裏面には本体が再生プラスチックを使用していることをアピールした。同梱品は本体とスタートガイドのみで、画面保護フィルムなどは別途購入が必要だ

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本体は艶消しのプラスチック筐体だ。金属筐体に比べる安っぽさは否めない。

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今では珍しくなったイヤホンジャックを備える

”あの頃のARROWS”とは別物!明るい画面と必要十分な性能をバッチリ備えた

 さて、「アローズ」と聞くといいイメージを思い浮かべない読者の方も少なくないことだろう。「昔使っていたが、二度と使いたくない」「発熱するイメージしかない」「どうせポンコツなんでしょ」という意見を今もいただく。10年以上前のマイナスイメージを払しょくすることは難しいものだと改めて実感した次第だ。

 そんな印象とは異なり、近年のarrowsは過度にハイスペックを突き詰めたり、技術的に未成熟なものを搭載して動作が不安定になることはなくなった。富士通時代は話にならないような機種があったことも事実だ。

 分社化したFCNT株式会社時代の機種はツメの甘さこそあれど、堅実な設計で支持を得ていた。特にarrows Weのようなメガヒットを記録したスマートフォンも生み出した。

 今はFCNT合同会社の新体制となり、arrowsはレノボの傘下で復活を遂げた。その結果か、arrows We2 Plusはいい意味で「普通に使える無難なスマホ」に仕上がった。価格面でもバカみたいに高くないことを考えると、同じレノボ傘下のモトローラとリソースをある程度共有できているのかもしれない。

 画面について、価格を考えれば標準的な品質だ。フルHD+解像度のOLEDパネルを採用し、144Hzのリフレッシュレートにも対応する。ハイフレームレート対応は今までのarrowsにはない攻めた仕様だ。

 画面は6.6型と「Plus」を冠する大型の画面を備えており、品質も価格相応のものを備えている。なお、本体スピーカーはステレオ構成だ。

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画面サイズは6.6インチとこの手のスマホとしては大型。ピーク輝度1100ニトと明るいディスプレイだ

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本体上部のベゼルが少々太めだ

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実際に持った感覚も大きめだ

 核となるプロセッサはQualcomm Snapdragon 7 Gen 2を採用。4nmプロセスを採用し、電力効率を向上させたSoCだ。基本性能としてはハイエンド機には劣るが、体感的にはブラウジングや動画視聴などを中心に使う場合は問題にならないと感じた。

 性能はさほど高くなくても、プロセッサのグレード的には中位に当たる。そのため、Bluetoothコーデック面では優位で、本機種もaptX Adaptiveが利用できる。Bluetoothイヤホンを使う場面ではより高音質で楽しめる。

 その一方、ゲーム性能などでは厳しいように感じた。原神などの高いハードウェア要件を必要とするコンテンツでは、画質を落として遊ぶとよさそうだ。

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プロセッサはSnapdragon 7s Gen 2を採用する

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原神を動かしてみたが、フレームレートは中画質でも30fps前後だった。画質を求めなければ普通に遊べる

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学園アイドルマスターは最高画質で動かせなかった。こちらも画質を求めなければ遊べる

 本体側面には電源ボタン一体型の指紋センサーを備える。独自機能として登録した指紋ごとに起動するアプリを設定できる「ファストフィンガーランチャー」も採用するなど、他社との差別化要素も備えている。

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arrows We2 Plusでは本体の電源ボタンに指紋センサーが採用されている。感度は良好だ。

 本機種の面白い機能として、世界初の自律神経の活性度を計測できる機能を備える。カメラの下に専用のセンサーを備えており、ここに指を2分ほど当てて計測すると結果が表示される。日々の健康状態を確認できるという。

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カメラの下に専用のセンサーを備える

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筆者は41歳と結果が出たので、少し疲れているようだ

 筐体サイズを考えるとバッテリー持ちはかなり優秀だ。消費電力を抑えたSoCに5000mAhのバッテリー容量を備えるので、並の使い方であれば1日以上持つはずだ。

arrowsのカメラも進化!今まで以上に綺麗に撮れてびっくり

 arrows We2 Plusは5010万画素のメインカメラを採用している。イメージセンサーのサイズは大きくないが、光学式の手ぶれ補正を備えるなど、使い勝手も良い。超広角カメラは800万画素だ。

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超広角カメラを含めた2眼カメラを採用する

 下記に作例を掲載するが、筆者としても予想以上だったのがこのカメラで、かつての機種で感じた「チューニング不足感」を全く感じさせない仕上がりだ。
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いくつか撮影してみたが、思っていたよりも綺麗に撮れている。

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超広角カメラは一段劣るが、きれいに撮れるf:id:hayaponlog:20240814201528j:image

超広角カメラはマクロ撮影もできる

 惜しい点は夜景モードのレスポンスの悪さだ。処理はこの価格帯の機種では標準的なところを押さえ、きれいに撮影できる。光学式の手ぶれ補正を備えたいることも大きいと考える。

 一方で処理に時間がかかるようで、写真が出てくるまでに時間がかかる。この辺りは、ミッドレンジゆえに仕方ないところと感じる。

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夜景モードは筆者の知る限り、arrowsシリーズの中で最もきれいに撮れる

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1倍
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2倍
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4倍
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8倍

 ズーム性能はデジタルズームで最大8倍まで可能。2倍望遠は劣化を抑えたロスレスズームで撮影できるが、それ以降は画質が荒れ始める。実用できるのは2~4倍の間までと思った方が良さそうだ。

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各種説明が大きく表示されるため、場面によっては鬱陶しいと感じることも。普段から使い慣れてない方にはありがたい機能だ

使えば使うほどわかる堅実なスマホ!富士通時代から好評の独自機能もバッチリ使える

 arrows We2 Plusを評価するのであれば、日本のユーザーをリサーチして、「押さえるところは押さえた」機種だ。価格を問わず「arrows」と聞くとあまりいいイメージを持たない方にも、満足に使える機種としてオススメできる製品に仕上がった。

 防水防塵、おサイフケータイなどの日本でもニーズの強い機能を備えつつ、これに加えてMIL-SDT810-H規格の耐衝撃性やハンドソープで洗える独自性も備える。加えて、地味ながらmicro SDカードとイヤホンジャックの両方を備えるスマートフォンでもある。ミッドレンジでもこの両方を備える機種は少なくなっており、今や希少な存在だ。

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落としても大丈夫な耐衝撃性は安心感に繋がる要素だ

 これ以外にも「Photoshop Camera」やゲーミングモードに「Fastメモ」などの機能もしっかり備え、無難なスマホにとどまらない付加価値も提供する。

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ゲーミングモードも備える

 キーボードアプリは富士通時代のスマートフォンから好評のSuper ATOK ULTIASが採用され、優秀な日本語変換や定型文の入力が可能だ。操作感も従来のARROWSと同じように利用できるため、従来機種を利用している方もすんなり移行できる。

 指紋センサーを用いて画面スクロールや拡大を行えるExliderも復活した。片手が塞がっている場面などでは非常に便利な機能で、この機能の復活はありがたい限りだ。

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キーボードアプリはフリックと手書き入力を瞬時に切り替えられるなど、従来機種の機能を継承している

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Exliderも細かい設定が可能だ

 強力な制御で富士通のガラケー時代には「浮気モード」とまで言われた機能は「プライバシーモード」へ進化。指定した着信や通知、アプリアイコンを非表示にするほか、ホーム画面の壁紙も変えられる。加えて、キーボードの変換学習すら別系統に変わるという力の入れようだ。誤爆を防げて便利だからと言って、浮気で使ってはいけない。

 eSIMを使用すればデュアルSIMで利用できるため、1台で仕事とプライベートを厳密に分けたい方にもオススメできる。この辺りは法人向けスマホに強い富士通時代からの強みが出ている。

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筆者としてはイジェクトピン不要でSIMカードスロットを取り出せる点はプラスだ。SDカードの交換なども容易だ。

 また、OSアップデートは3回、セキュリティアップデートは4年提供するという長期間「安心」して使える要素もしっかり備えた。かつての機種のようにいつアップデートが切られるか分からないと言ったことに悩む必要はないのだ。

  最後になるが、arrows We2 Plusは防水防塵、おサイフケータイといった必須トレンドを押さえつつ、今どきのミッドレンジらしいスペック。そして、今までのarrowsと同じような使用感のスマートフォンが欲しい方にお勧めだ。

 価格面でもドコモで6万円台、直販が5万円台と過去の同等スペックの機種と比較すると安価に仕上げた。コストパフォーマンスで勝る中国メーカー勢には引けを取るが、micro SDカードや有線イヤホンが利用できる優位性、MILスペックの耐久性は立派な差別化ポイントだ。

 今回の新生FCNTのスマートフォンは今までのarrows、富士通スマホにマイナスイメージを持つ方にぜひ手にとって欲しい仕上がりだ。ハードウェアとしての進化はもちろん、従来までの富士通スマホの便利機能も多く引き継いでいる。今のarrowsには「もうポンコツとは言わせない」と示せるレベルに進化した。

  arrows We2 Plusは「これさえあれば何もいらない。」というキャッチコピーで展開されている。確かにいちど使えば「満足に使える」と感じる堅実なスマートフォンだ。

端末提供:FCNT合同会社

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