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ZTE Libero Flipレビュー 3万円で買える世界最安の折りたたみスマホは「お試し」に最適

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  こんにちは。これまで使ったスマホは300台以上。生まれはギリギリZ世代のライター はやぽんです。

 さて、ワイモバイルから販売されている世界最安の折りたたみスマートフォン「Libero Flip」だが、価格改定でよりお求め安くなった。今回は実機を利用できる機会があったので、こちらを用いて使用感を紹介したい。

目次

安くても折りたたみディスプレイを採用。欲しい機能は備えるLibero Flip

 Libero FlipはGalaxy Z Flipをはじめとした「フリップタイプ」と言われる縦折型のフォルダブルスマートフォンだ。同社としては初となるフリップタイプの商品で、プレミアムラインの位置付けの製品だ。

 まず、本体は円形の意匠が目につく。カメラリングのようになっているが、円のセンターに円形のカバーディスプレイを備えている。このディスプレイでは通知の確認、カメラの自撮り画面、天気表示、音楽再生、ストップウォッチ、歩数計、ボイスレコーダーが利用できる。近年のトレンドのスマートフォン内のアプリの動作はできない。

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カバー画面は1.43インチの円形ディスプレイだ。アプリの切り替えはスマートウォッチさながらの操作感だ

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各種操作が可能だ

 展開時の画面は6.9インチで2790×1188の解像度でフルHD+となっている。21:9比率で120Hzのリフレッシュレートに対応するなど、価格を考えればこちらも高性能な仕上がりとなっている。折り目が目立ちにくい「ティアドロップ方式」と呼ばれる方式で折りたたむ。ヒンジ部の耐久性は非公表だ。

 このディスプレイが価格を抑えた大部分で、高輝度やLTPOといった可変リフレッシュレート制御に対応しない1世代前のディスプレイであること、ヒンジ周りの特許が一般開放されたことが廉価にできた理由と考える。時を同じくしてBlackviweからも同様の折りたたみスマホが400ドルで販売されるなど、価格を抑えた機種が登場している。

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画面の角度保持もある程度可能だ。カメラなどのアプリは、90度で保持した際に柔軟にUIが変わる

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展開時は6.9インチの大きなディスプレイを備える

Libero Flipの使用感をチェック!Snapdragon 7 Gen 1搭載。5000万画素のカメラは思ったより使える

 ここまでディスプレイの操作感を中心に紹介したが、ここからはスペックなどを見ていこう。Libero FlipはSoCにSnapdragon 7 Gen 1を採用し、メモリは6GB、ストレージは128GBとなっている。
 採用されるSoCは約1年前に登場したミッドレンジモデルに採用されていたもの。日本ではモトローラのrazr 40で採用されており、ゲームなどをしないなら多くの場面で不満なく利用できるもの。

 どのみち、フリップタイプのスマートフォンは本体の構成上高性能な冷却機構を搭載することが難しい。本機種の場合はミッドレンジのチップセットも合わせて、スペックを控えめにしたことは理にかなった構成だ。

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プロセッサはSnapdragon 7 Gen 1を採用する

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学園アイドルマスターは最高画質設定はできなかった

 カメラについては、5000万画素のメインカメラ、200万画素の深度カメラを備える。この辺りはコストカットの波をもろに受けた部分で、超広角カメラすら採用しない潔さを感じられる。カメラはフリップタイプのスマートフォンに多いハンドジェスチャーによるシャッター操作が可能だ。

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カメラは2眼だが、ひとつは深度カメラのため実質単眼仕様だ

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折りたたみスマートフォンらしく、カバーディスプレイをプレビューに利用できる

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 何枚か撮影したが、思った以上に綺麗に撮影できる。チューニングは同社のnubia Z60 Ultraなどに通づるもので、エモい写真も比較的簡単に撮れる。夜景モードなども備えており、実用面では十分な性能だ。

 換算画角が26mm相当と他社製品に比べて狭いため、HUAWEIのスマートフォン(換算27mmが多い)を利用している感覚に近い。

 今回レビューのブルーはすりガラス調の仕上げとなっている。フレームも金属製なので安物感は感じない。このほかにもゴールド、ホワイトの3色が展開されている。

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カラーはブルーだが、淡い色調だ。電源ボタンは指紋センサーを兼ねている

 そのほか、生体認証としては電源ボタン一体型の指紋センサーを備える。バッテリー容量は4310mAh、33Wの急速充電にも対応している。防水はIPX2、防塵はIP4Xに対応しており、水滴の侵入と1mm以上の固形物の侵入を防ぐ。

 nubia Flip 5Gと共通のハードウェアのため、本機種もaptX Adaptiveコーデックに対応する。Snapdragon Soundにも準拠するハードウェアなので、高音質なBluetoothオーディオを楽しめる。

 日本向けにおサイフケータイ(FeliCa)とeSIMにも対応している。バッテリー容量はGalaxy Z Flip5などよりも大容量となっている点も特徴だ。

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本体にはFeliCaロゴがしっかり入っている

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Snapdragon Soundに対応するイヤホンを接続すると、対応ハードらしくロゴが出る

あまりにニッチなワイモバ向け折りたたみ。価格改定で安くなって「お試し」に最適

 さて、Libero FlipはZTE初のフリップタイプの機種ながら、余計な機能をとことん削ぎ落して価格を抑えた機種だ。ベースモデルのnubia Flip 5Gよりも発表、発売は先行し、容量が少ないとはいえ世界最安機種のポジションを確かなものにした機種だ。

 世界最安とはいえ、性能はそこまで低くない。プロセッサも価格帯を考えれば十分な性能であり、5G通信も利用できる。ディスプレイの解像度やリフレッシュレート、本体スピーカー、バッテリー性能なども価格を考えたら十分すぎる。特に電池持ちは、この手の製品としては大容量のバッテリーにミッドレンジのチップセットの組み合わせのため、Galaxy Z Flip5など比較してもかなり良い部類だ。

 価格を抑えられた理由は前述のディスプレイ周りの価格を抑えたことに加え、ZTEのポリシー的なところも大きいはずだ。ベースのnubia Flip 5Gも廉価で、競争の激しい中国向けは3299元(約6万5000円)日本向けはFeliCa採用で税込み7万9800円と他社の製品よりも圧倒的に安いのだ。

 これをベースにしたLibero Flipはワイモバイルの販路も含め異次元の安さといえる価格設定で出してきた。FeliCaもしっかり載せてきていたので「はじめての折りたたみスマホ」としても注目度は高かったはずだ。

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Libero Flipはパッケージも簡素だ

 そんななか、先月の価格改定で本機種は約半額の3万1680円へ値下げされた。加えてのりかえなら9800円、機種変更でも1万9800円と完全な投げ売りになってしまったのだ。こちらも実際にショップなどで聞き取りをしてみると「Libero Flipは売れていない」という。

 確かに低価格をアピールするワイモバイルで6万円のスマートフォンを購入する層はそう多くない。この手のキャリアを選ぶ消費者は保守的な方も多く、そのような層にアーリーアダプタにしか受けなさそうな折りたたみスマホは選ばれにくい。

 加えて、ZTE製の折りたたみスマホということで、我々のようなマニアくらいしか選ばない製品になってしまったことも事実だ。ケースの無償提供といった特典もあったが、これが決め手で購入した方は少数だろう。その結果がショップスタッフの「売れていない」という言葉へとつながる。

 ケースはcaseplayと提携しており、2000種類以上のケースからひとつ無料で選ぶことができる。王道からキャラクター物も多く選べ、初音ミク、ラブライブ!シリーズといったサブカルまで網羅されている。

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ケースは付属の冊子にクーポンが記載され、これを用いて提供されている。 

 そんなLibero Flipの価格は3万1680円(記事執筆時点)だ。契約なしでも異次元の世界最安折りたたみスマホとなっており、はじめての折りたたみスマホにはもちろん「とりあえず試してみたい」というニーズで選ぶのもありだ。

 安いとはいえ、フリップタイプの機種で最低限求められる機能は一通り備えており、製品カテゴリの魅力は実感できるはずだ。お試しで買うならこれ以上にない製品で、使ってみると「意外とアリ」だと思える方もいることだ。より高性能な上位モデルが気になったらGalaxy Z Flip6やmotolora razr 50シリーズなどを検討してみてほしい。

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トータルでは安くてもしっかり使えるスマートフォンだ

 このような廉価な折りたたみスマホの存在は市場に大きな影響を与えている。中国メーカーをはじめ今までにない廉価モデルの登場で「折りたたみスマホの民主化」も十分に見えるところまできた。耐久面の強化や防水性能の確保といった課題はあるが、今後の動きにも注目していきたい。

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