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ASUS Zenfone 10レビュー コンパクトで高性能なスマートフォン

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 コンパクトなスマートフォンといったら何を思い浮かべるだろうか。今回はASUSのZenfone 10を今更ながら入手し、3ヶ月ほど使ってみてのレビューとする。購入者からの評価も上場なスマートフォンをチェックしてみよう。

目次

Zenfone 10はコンパクトでもパワフルなスマートフォン

   Zenfone 10を一言で示すのであれば、コンパクトながらとても性能の高いスマートフォンだ。基本性能の高さはもちろん、イヤホンジャックやIP68の防水防塵に対応する。日本向けにはFeliCaも採用するなど、使いやすくまとまっている。スペックは以下の通り

SoC:Snapdragon 8 Gen 2
メモリ:8/16GB
ストレージ:128/256/512GB

画面:5.9インチ FHD+解像度
144Hz対応 OLEDパネル

カメラ
標準:5000万画素(ソニーIMX766を採用)
超広角:1200万画素

FeliCa/防水に対応

バッテリー:4300mAh

ワイヤレス充電

 スペックから分かる通り、Zenfone 10はコンパクトながらもフラグシップのチップセットを採用した高性能なスマートフォンだ。

 従来と同じく「コンパクトハイエンド」の路線を貫いたが、多くの理由から基本的なデザインはZenfone 9をほぼ据え置いている。ニューモデルというよりは、ブラッシュアップさせた商品が適しているだろう。

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画面はフラットディスプレイを採用。左上部にパンチホールフロントカメラを備える。

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背面はマットな材質に。手触りはいいが、経年劣化が気になるところだ

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本体上部にはイヤホンジャックを備える

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Zenfone 10はiPhone 15などのサイズと同じくらいだ

カメラ、画面、急速充電が進化したZenfone 10。細やかなアップグレードがうれしい!

 Zenfone 10のプロセッサーにはSnapdragon 8 Gen 2を採用している。実際に使ってみたが、ハイエンドチップを搭載しているだけあって、性能面で不満を感じる場面は少ない。単純性能であれば近いサイズのGalaxy S23やXperia 5 Vにも全く引けを取らない。

 原神をはじめとした高負荷なコンテンツでもゴリゴリと動かすことができる。その一方で、サーマルスロットリング(熱制御)は厳しく、高性能を長時間維持することは難しい。こればかりはスペースの関係で冷却機構を強化することが難しい小型スマホの弱点と言わざるを得ない。

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原神も最高画質で動かせるが、冷却性能では不利なので長時間のプレイは画質を落とした方が良さそうだ

 Zenfone 10の画面サイズは5.9インチ。FHD+解像度のAMOLEDパネルを採用し、最大144Hzのフレームレートをサポートする。144Hzのフレームレートはゲームモード時のみ利用できるため、通常は120Hzまでとなる。

 端末サイズもハイエンド端末としては146.5mm × 68.1mm ×9.4mmと小型だ。本体サイズも概ねiPhone 15、Galaxy S23とほぼ同等であることから、このあたりの端末に真っ向から勝負する機種だ。

 ちなみにZenfone 10が「コンパクト」と名乗る所以は本体の横幅で、68mm台は競合よりも2mmほど短い。片手で無理なく持てることをアピールしている。

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コンパクトなサイズで片手でも持ちやすい。

 メモリは廉価モデルが8GB、最上位モデルではメモリ16GBを採用する。ストレージも128/256/512GBを選べるマルチストレージだ。

 本体のカラーはミッドナイトブラック、コメットホワイト、スターリーブルー、オーロラグリーン、エクリプスレッドの5色を選択できる。フラグシップとしてはかなり多色で展開している。128GBはミッドナイトブラックしか選択できず、512GBもミッドナイトブラックとスターリーブルーの2色しか選択できないといった容量による制約も存在する。

 本体スピーカーはステレオスピーカーを採用。最新機種には劣るものの、このサイズを考えればかなり良質なサウンドを楽しめる。イヤホンジャックも備えており、同社のROG Phoneなどと同様にDiracオーディオのチューニングで上質なリスニング体験も可能だ。

 バッテリーに容量関しては4300mAhとZenfone 9から据え置いた。30Wの急速充電に加え、今回初のワイヤレス充電にも対応した。

 一方で、最新の大容量バッテリーを搭載する機種には劣る。 ゲームなどを熱心にプレイしなければ1日使えるだけのバッテリー性能は備えているが、近いサイズのAndroid端末でもGalaxy S23が4500mAh、Xiaomi 14が4610mAhなことを考えると心許ない。

 カメラについては、5000万画素の標準カメラと1300万画素の超広角カメラとなる。 標準カメラは5軸手ぶれ補正を備えている点も含め、基本的にはZenfone 9と同じだ。超広角カメラは1300万画素なものが採用されて、画角も変更されている。フロントカメラについては3200万画素のものが採用されており、性能向上のアップデートが図られている。

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特徴的な二つ目玉だ。

 そんなZenfone 10で撮影した作例は以下の通り。基本的にオートモードにて撮影している。

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昼間の作例は綺麗に撮れる

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超広角カメラも以前より処理が上手になった

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何枚か撮ってみたが、プロセッサのISP性能の向上もあってZenfone 9よりも綺麗に撮れる。特段こだわりがなければ十分だ。

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5軸ジンバルを採用してるので、夜景でも手ぶれによるミスショットが少ないことも実感できた。

おサイフケータイと防水は引き続き搭載。ニーズのあるデュアルSIMにイヤホンジャックも備えたZenfone 10

 このZenfone 10は前モデルに引き続き、日本向けにはおサイフケータイ(FeliCa)を備えている。日本のオープンマーケット(SIMフリー)の市場においてかなり注目度の高い端末だ。

 加えて、日本でもニーズの高いIPX5/8等級の防水機能も備える。防水機能は世界的なトレンドとなりつつあるので、しっかり対応させてきた。突然の雨と言った環境でも安心して利用できる点は嬉しい。

 Zenfone独自の機能もいくつか備える。例えば指紋センサーを画面スクロールに利用したり、背面タップでスクリーショットやカメラの起動が可能といった便利機能をいくつか備えている。

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指紋センサーには「Zen touch」の表記があり、タッチセンサーとしても利用できる
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背面タップの操作でスクリーンショットの撮影が可能だ

 小型でコンパクトな端末に防水とおサイフケータイを備えてきたことを考えると、ASUSが日本市場に力を入れていることが伺える。日本ではXperia 5シリーズが同じ要件で選ぶと強いライバルとなる。

 Zenfone 10の大きな特徴としては、物理デュアルSIMスロットを供える点だ。様々な事情から SIMカードが2枚利用できる端末は求められているが、iPhoneをはじめ1枚はeSIMでの運用になってるものが多い。そのような中では、物理的なスロットを搭載しているハイエンド端末であるZenfone 10には大きな優位性ある。

 オープンマーケットで展開する端末のため、対応バンドもかなり多めとなっている。他社へ乗り換えした時にも、安心して利用できるスマートフォンとなっているのだ。

今や数少ないコンパクトハイエンド!「コレを待っていた」と言わしめるスマートフォン

 Zenfone 10を使ってみて、改めて市場で好評な理由が分かった。筆者としては「ネットユーザーの声を忠実に反映させたスマートフォン」と評したい。いちスマートフォンマニアの視点で見ても「これを待っていた」という商品に仕上がっている。

 Zenfone 8や9で好評だった、オープンマーケットという立ち位置で物理デュアルSIMを有するコンパクトなハイエンド端末。防水やおサイフケータイ対応、イヤホンジャックも備えると言ったところが好評だった。

 Zenfone 10ではこれらの機能は全て引き継ぎ、ワイヤレス充電への対応やカメラ性能、基本スペックの向上でより扱いやすく進化したスマートフォンというべきだ。

 見切り発車感のあったZenfone 8とは異なり、Zenfone 9と10はより日本市場にフォーカスしてきた製品の印象だ。「コンパクトハイエンド」はニッチかもしれないが、やってることは、ある意味iPhone 15のコンセプトをそのままAndroid端末にしたようなものだ。

 一方で性能は順当に上がったものの、為替レートの関係で価格も大きく上昇。ヨーロッパ向けは約13万5000円という設定になった。それでも日本向けには価格を抑え、最小構成モデルは9万9800円と10万切りの価格で提供している。Snapdragon 8 Gen 2を採用し、10万円以下で提供したのは本機種くらいだ。

 特に日本では為替等の関係で価格面では厳しい状況になりながらも、発売時の最廉価モデルを10万円切りで出してきた事は驚きだった。香港版が同じグレードで税抜11万円と考えれば、日本版の設定はかなり攻めている。

 筆者としてはストレージを128GBにまで切り詰め、カラーもブラック1色のみに絞ってまでコストを抑えた仕様は「日本の歪なオープンマーケット市場で存在感を示すため」だけに存在するグレードなのではと思った位だ。

 そんなZenfone 10は攻めた価格設定や、日本向けのローカライズでコアユーザーを中心に支持を集める。気になる後継のZenfone 11はROG Phone 8をベースにして大型化したZenfone 11 Ultraのみの展開にとどまる。

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Zenfone 11 Ultraも日本向け価格を他国より安価に設定し、FeliCaを採用するローカライズを図っている。

  最後になるが、筆者としてはZenfone 10のコンパクト路線は「差別化」という意味では大いに評価したい。サイズ感ではiPhone 15やGalaxy S23に近く「群を抜いた小ささ」ではないものの、価格面を考えればかなり安価に抑えている。

 コンパクトかつ、コストパフォーマンスを求める場合は現時点ではZenfone 10がマストバイのひとつだ。発売から1年近く経つが、スペックの高さから今からでもまだまだ使える1台だ。興味がある方はぜひ量販店などをチェックしてみてほしい。

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