日本でも人気のOPPOのスマートフォン。今回は最新の「OPPO Reno11 A」を携帯電話研究家・山根康宏氏の還暦祝賀イベント内の抽選会にていただいた。
思わぬところで本機種を手にする機会があったので、レビューしていきたい。
日本向けカスタマイズで人気を集めるReno Aシリーズ最新作。久しぶりのモデルチェンジ
日本向けに独自のカスタマイズを施し、幅広い層の支持を集めたOPPOのReno Aシリーズのスマートフォン。初代から数えて6世代目にあたる本機種は着実な進化を遂げつつも時代に合わせた変化もしている。スペックは以下の通り
SoC:MediaTek Dimensity 7050
メモリ:8GB
ストレージ:128GB(micro SDカード利用可能)
画面:6.7インチ FHD+解像度
120Hz対応 OLEDパネル
カメラ
標準:6400万画素
超広角:800万画素
深度:200万画素
フロント:3200万画素
バッテリー:5000mAh
67W充電対応(約1時間でフル充電可能)
防水、防塵:IP65
OS:Android 14(ColorOS 14)
FeliCa対応
価格:約4万8800円〜(直販ストア)

パッケージはグローバル仕様準拠のデザインだ

カラーはコーラルパープル、ダークグリーンの2色展開だ。

付属品は本体のみ。前機種まで付属していたケースは付属しない。
OPPO Reno11 Aのスペックをチェック。ゲームは厳しいが、普段使いには必要十分
OPPO Reno11 Aは安価ながらも、FeliCa対応をはじめとした日本向けローカライズを行ったスマートフォンだ。旧モデルまでの日本専売の独自筐体ではなく、グローバルで販売される「OPPO Reno11 F」をベースに日本向けローカライズを行った商品だ。
そのため、基本的なスペックはOPPO Reno11 Fに準拠する。プロセッサにはDimensity 7050を採用し、8GBのメモリと128GBのストレージを備える。
本機種では仮想メモリを最大8GBまで割り当てできるため、最大で16GB相当で利用できる。ストレージもmicro SDカードを用いた容量拡張も可能。
Dimensity 7050はMediaTek製のミッドレンジプロセッサ。中身は以前に発表したDimensity 1080の名前を変えた製品であり、ハードウェアを確認するアプリではこちらの名称で出てくることもある。
前作のReno9 Aに採用されていたSnapdragon 695 5Gと比較すると性能は向上している。グラフィック性能はさほど高くないため、ゲームなどにはあまり向かない印象だ。
基本性能はハイエンド機と比較すると大きく劣るが、体感的にはブラウジングや動画視聴などを中心に使う場合は問題にならないと感じた。原神などの高いハードウェア要件を必要とするコンテンツでは、画質を最低にすれば40fps前後と、遊ぶ事はできても快適にはいかない。画質を上げての動作はかなり厳しいものだった。

原神は画質を落として楽しもう


学マスは高画質設定で動作できなかった
ディスプレイには6.7型FHD+解像度、120Hzのリフレッシュレートに対応したOLEDパネルを採用。ピーク輝度も900ニトに向上したことで、従来よりも屋外での視認性が上がった。本機種では画面内に指紋センサーを備える。


画面サイズは6.7型。従来よりも画面輝度が向上した

本体スピーカーはモノラル構成
OPPO Reno11 Aのバッテリーは5000mAhを採用。独自の充電制御技術を用いて、4年間は80%以上の健全度を確保できるとした。
実際に使ってみるとミッドレンジなのでバッテリー持ちは優秀。消費電力を抑えたSoCに5000mAhのバッテリー容量を備えるので、並の使い方であれば1日以上持つ。スペック的にゲームなどは厳しいので、ブラウジングや動画視聴などに割り切って使うことがベスト。

また、OPPO Reno11 Aは67Wの急速充電に対応。大容量のバッテリーながら比較的高速に充電ができるものの、対応充電器はコストの関係から別売だ
安い機種でもキレイに撮れるカメラ。AI編集機能も充実
OPPO Reno11 Aはメインカメラに6400万画素のものを採用している。カメラ性能がOPPO Reno5 Aから大きく進化していないと指摘されたReno9 Aなどに比べると、今作では胸を張ってカメラ性能が向上したと言える仕上がり。

カメラ配置は何年か前のファーウェイあたりを思い起こさせる
OPPO Reno11 Aはメインカメラに加え、超広角カメラ、マクロカメラを含めた3眼カメラ。以下に作例を示していく。






いくつか撮影してみたが、思ったよりも綺麗に撮れている。プロセッサは廉価グレードのDimensity 7050となるが、しっかりチューニングがされている。
写りは同社のFind X7 Ultraなどに近いチューニングがされており、この価格帯ではきれいに撮れるスマートフォンだ。



夜景モードの写りも従来モデルよりも向上。ノイジーな印象は少なくなった
超広角カメラはスペックが落ちるので、明暗差のある場面ではメインカメラと大きな差が出てしまう
マクロカメラは廉価モデルあるあるの「おまけ程度」と考えた方がよさそう
カメラについて惜しい点として、光学式の手ぶれ補正は備えていないため、夜景などは手ぶれしやすい傾向がみられた。動画撮影については電子式の手ぶれ補正を備えているものの、ハイエンド端末と比較するとクオリティは劣る結果かなり厳しい結果となった。
OPPO Reno11 Aでは生成AIを用いたAI消しゴム、AIクリッピングにも対応する。どちらもGoogle Pixelでいうところの「編集マジック」で利用できる機能。
Pixelの価格を考えると、5万円以下でこれらの機能が利用できるReno11 Aはコストパフォーマンスが高いと評価したい。
中国メーカーの機種だが、日本向けに販売される本機種は生成AIのデータベースがグローバル向けとなるため、以前の記事で紹介したような「天安門広場で編集できない」と言ったことはない。安心して利用してほしい。


売りのAI消しゴムは処理も比較的早く、認識精度も悪くない。通行人を消去してみたが、スマートフォンの編集機能としては十分すぎる
スペックを手堅くアップデートしたReno11 A。キャリアでも気軽に買える1台に
OPPO Reno11 Aを評価するのであれば、安価ながら基本的な性能は他社よりも上の設定にして、「押さえるところは押さえた」機種。
近年のトレンドであるカメラ性能を売りにしつつ、バッテリー持ちや急速充電機能を備えた。日本向けにFeliCaにも対応しながら安価に抑えたスマートフォンだ。
その一方で、Reno Aシリーズも以前のような「独り勝ち」という状況ではなくなってきた。本機種がターゲットとしている市場には競合となるスマートフォンも多い。
特に今年はモトローラのg64 5GやXiaomi Redmi Note 13 Pro、Nothing Phone(2a)を筆頭に、5万円以下のミッドレンジスマートフォンはかなり盛況だ。
OPPO Reno11 Aは120Hzのリフレッシュレートに対応したディスプレイ、67Wの急速充電、AI消しゴムをはじめとしたAI機能、FeliCa採用がアピールポイント。防水性能はIPX8(水没)は取得していないものの、IP65と最低限はしっかり維持している。
筆者としては、Pixelのような編集機能を備え、キャリアでも選べる「買いやすい」機種を廉価に購入したい方にOPPO Reno 11Aはおすすめと考える。
特に5万円という予算内で「迷ったらコレ」と差し出せるスマートフォンだ。そのくらい必要な要素はしっかりまとめられている。
その一方で、ゲーム性能はあまり高くないので「ゲームをハードに遊びたい」という用途には向かない。カメラ性能も価格を考えれば健闘しているが、より綺麗に撮影できるものを求める場合は上位モデルを検討した方が良さそうだ。
本機種は直販での購入はもちろん、本機種はワイモバイルやMVNOといった通信事業者を組み合わせてお得に購入することもアリだ。
特にワイモバイルは取り扱い価格をを3万9600円とするなど、直販版の4万8800円よりも安価に取り扱っている。乗り換えなら一括1万8000円とするなど、かなり力を入れて販売している。

ワイモバイルではかなりお得に購入できる
興味のある方はチェックしてみてほしい。