先日正式にリリースされたアイドルマスターの完全新作コンテンツ「学園アイドルマスター」通称:「学マス」が話題だ。
筆者も手元にあるスマートフォン20台ほどで早速動かしてみたところ、正直びっくりすることが起こった。学マスは予想以上のスペックが必要とされるコンテンツだった。今回は推奨環境を取りまとめてみたので、各々のプロデュースの参考にして欲しい。
※2024年8月31日。Google Tensor G4を追記
※2024年11月7日。Apple A18 Pro、Dimensity 9400を推奨環境に追記
※2025年1月22日。Ver 1.8.0にてSnapdragon 8 Eliteが正式対応、推奨環境に追記
※2025年2月10日。HermonyOS NEXT(独自OS)内で利用できるAndroidの仮想環境(卓易通)にて動作を確認。追記
※2025年4月29日。三つ折りスマホ「Huawei Mate XT」にてシームレスな動作を確認。追記
※2025年5月6日。3人ライブ「雨上がりのアイリス」の動作を追記
※2025年6月8日。Xiaomi XRING O1を推奨環境に追記
※2025年7月15日。未ソートでも動作するSoCを追記
※2025年8月28日。Google Tensor G5の動作を追記
※2025年9月19日 Apple A19 Proを推奨環境に追記
アイマス完全新作「学園アイドルマスター」の動作環境をチェック
学園アイドルマスターはアイマスシリーズの完全新作コンテンツとして登場した。アイドルの育成要素を主題とし、高品質な3DMV再生に重点を置いたコンテンツとなっている。基本的なゲームシステムについては多くのゲームメディアが触れているため、ここはあくまで推奨環境についてまとめていこう。

まず、学マスの推奨環境はiOSでApple A12以降、AndroidではSnapdragon 865と同等クラスの性能が求められる。これはiPhone 12やGalaxy S20が最低ラインとなるため、アイマスのゲームではかなりの重量級コンテンツとなる。また、Android端末ではVulkan APIに対応していることが推奨条件となっている。
そんな学マスの画質設定については、大きく分けると「最高画質」「高画質」「標準画質」「簡易画質」といった形に分かれる。また、デフォルト設定より2つ上の画質は設定できないようになっている。例えば、スマートフォン側の推奨が標準画質の場合、必然的に2つ上の最高画質で遊ぶことはできない。

フレームレートはデフォルトでどの設定も一律30fpsとなっている。設定で60fpsに設定できるが、ゲーム側では60fpsにする際は画質を一段落とすことをお勧めしている。


検証に利用した楽曲は「Tame-Lie One-Step」のTure LIVEを使用。学マスの場合、通常のライブとTure LIVEでは大きく描写内容が異なる点に注意だ。こちらはドームを舞台としており、観客の描画が多い点などから高負荷な楽曲としてチョイスした。



照明を焚く場面はかなり負荷のかかる場面
レンダリング解像度は最高画質で実質1.5K、実はタブレットの方が高負荷な学マス
実は学マスの場合、描画解像度が端末によって異なっている。これは学マスの開発を担当したクオリアーツのゲーム「IDOLY PRIDE」でも同様の挙動をする。
具体的には端末の種類と画面解像度(dpi)で描写解像度を判別している。スマートフォンでは短辺のドット数を元に描画するが、タブレット端末ではネイティブ(ドットバイドット)で描画する。一部のiPad Proで推奨設定が「最高画質」になる理由はコレだ。
スマートフォンではおおむねフルHDから1.5Kくらいの解像度で描画するのに対し、タブレット端末では端末の画面解像度そのままに描画する。このため、スマホとタブレット端末ではかかる負荷が異なる点に留意が必要。
タブレット端末なら「とにかく性能の高い機種」以外は”余裕がない”と思ってもらった方が良さそうだ。例えば、iPad Pro 12.9ではネイティブの2064×2752で描写される。

タブレットになると、スマートフォン以上にMVの描画解像度とプロデュース画面の描画解像度に大きな差が出てくる。この場合「プロデュース画面の方が重い」という結果になる。
このため、タブレット端末ではより高性能な機種が求められる。具体的にはM2以降のiPad Pro、Androidタブレットでは最低ラインがSnapdragon 8 Gen 2採用端末レベルの性能が必要。現時点の日本発売済み機種の中では、Galaxy tab S9シリーズかXiaomi Pad 6S Proの2択だ。

筆者は学マスのためだけにXiaomi Pad 6S Proを導入した。Snapdragon 8 Gen 2の本機種でもネイティブ解像度のプロデュースはかなりの高負荷のため、60fpsキープは不可能だった。

最高画質の推奨環境はApple A17 ProかSnapdragon 8 Gen 3以上。かなり高い性能が要求される学マス
単刀直入に最高画質で「Tame-Lie-One-Step」のTure Liveを60 FPS キープできる環境を推奨とした場合、これをクリアできた環境は以下の通り。
・Apple M4
・Apple M2
・Apple A19 Pro
・Apple A19
・Apple A18 Pro
・Apple A18
・Apple A17 Pro
・Snapdragon 8 Elite
・Snapdragon 8 Gen 3
・MediaTek Dimensity 9400
・Xiaomi XRING O1
iOS/iPad OS端末ではApple M4またはM2を搭載したiPadのみとなる。iPhoneに関してもApple A19系を採用するiPhone 17シリーズ、A18系を採用するiPhone 16シリーズ。A17 Proを採用したiPhone 15 Proシリーズでないと60fpsをキープすることは難しい状態だった。
またAndroid環境では、現時点で60fpsキープできたものは最新世代のSnapdragon 8 EliteやMediaTek Dimensity 9400。ここにXiaomiが2025年の5月に発表した独自プロセッサXRING O1くらいとなる。あとは常に冷却されている好条件のSnapdragon 8 Gen 3採用機のみとなる。
Snapdragon 8 Eliteは最新のプロセッサだが、各種アーキテクチャが一新された関係か、最高画質の設定ができない状態(ゲーム側の判別不能)であった。1月21日配信のVer 1.8.0にて正式にソートされ、最高画質を動作させることが可能となった。
Xiaomi XRING O1はXiaomi独自設計のハイエンド向け10コアプロセッサ。日本で搭載機種が存在しないものの、GPUはMediaTek Dimensity 9400と同じであり、うまく学マスのソートに入り込めたと考える。

サムスンのExynos 2400は独自GPUコアゆえに最適化されないものの、XiaomiのXRING O1はARMのImmortalis G925を採用するため、画質ソートされている

Snapdragon 8 Gen 3を採用したnubia Z60 Ultraでの実測データ。MVはほぼ60fpsをキープしているが、後半は発熱からかフレームが落ち始める
それでは、前世代の環境は60fpsをキープできないのだろうか。最新のiPhone 15にも採用されるApple A16、国内ではまだまだ主流のSnapdragon 8 Gen 2の端末で試したが、いずれも60fpsキープはかなり厳しい様相だった。また、日本ではAQUOS R9 proに採用されるSnapdragon 8s Gen 3(基本性能は8 Gen 2相当)の環境でも、やはり学マスの最高画質を60fpsでキープすることはできなかった。
筆者も疑問に感じ、高クロック版の「for Galaxy」や空冷ファン付きの環境ゲーミングスマートフォンでも同様の検証を行った。それでも、Snapdragon 8 Gen 3環境のように60fpsに近い値をキープすることはできなかった。手持ちの機種でこれをキープできたものは、クーラーを装着したXperia 1 Vのみとなり、これにはかなりの衝撃を受けた。
Snapdragon 8 Gen 2を採用したXperia 1 Vにゲームギアを装着して平均56fpsとなる。廃熱で有利な構成でもロード中のフレーム低下だけでなく、MV再生中にも瞬間的に何回かフレームが落ちていることがわかる
それでは、それよりも性能が低い機種ではどうなるのだろう。ここでは Snapdragon 8+ Gen 1とSnapdragon 8 Gen 1の環境でそれぞれMV 再生を行ってみた。
これについての結果も正直驚くべきものだった。今でもかなり高い性能を備えるSnapdragon 8+ Gen 1の環境でも平均フレームは55 FPSとなり、前者との差が明確にあることが確認できる状態だった。

こちらはZenfone 10の結果。熱制御の厳しい機種のため、発熱時の実性能はSnapdragon 8+ Gen 1相当だ。最初こそキープするが、特に後半の落ち具合が厳しさを物語る
これらを鑑みると、学マスの最高画質は2年前のハイエンドスマホに搭載されているプロセッサでも悲鳴をあげ始める状態。筆者としても、最高画質で学マスを楽しむ用途でスマートフォンを選ぶ場合は、最低でもApple A16またはSnapdragon 8 Gen 2以上が必須と考える。
一方で高画質モードなら負荷は抑えられるものの、それでもレンダリング解像度はフルHDクラスと高画質。画質を落としても冷却性能が弱い機種では、発熱等を理由に安定して動作させることが難しくなる。
買い替えを検討する4年前のスマホや廉価機種でチェック。学マスでは既に厳しさを感じる
それでは、一般的なユーザーが買い替え対象とする4年前のスマートフォンで動かしてみよう。対象となる4世代前のSnapdragon 888端末で動かしたところ、平均50fpsまで下がっており明らかに厳しい様子を伺わせた。

データはSnapdragon 888を搭載するXperia PRO-Iのものとなる。波形が波を打ち、フレームレートが安定しないことがわかる
加えて、Snapdragon 888環境は高画質設定でも60fpsに張り付く事はなかった。この時点でもかなり高いスペックが要求されていることがわかる。これよりもスペックが劣る環境では、スマートフォンの買い替えを考えてもいいラインだと思われる。
また、この時点でSnapdragon 7番台と呼ばれるアッパーミドル帯、Snapdragon 6番台と呼ばれるミドル帯のSoCではかなり動作が厳しいものであると想像つく。まともに動作するのはSnapdragon 7+ Gen 3に限られる。

試しにミッドレンジのNothing Phone(2a)で最高画質を動かしたところ平均fpsは30を割り込んだ。この機種では簡易画質でも最低でも40fpsとかなり厳しいものとなった。
相性の悪いPixelのTensorプロセッサ。学マスでは性能不足感が否めない
最新のスマートフォンでも、学マスと相性の悪い機種がGoogleのPixelシリーズ。Pixelは自社カスタムチップの「Tensor」になって以降、ゲーム性能があまり高くない構成となり、原神などのコンテンツでも「快適に遊べない」といった指摘があった。
実際にTensor G3を採用するPixel 8aで検証した結果、最高画質では平均30fps前後とかなり厳しい様子だった。この辺りは性能から考えて折り込み済みだが、問題はまともに描写してくれない点が見受けられたこと。フレームレートは30fps前後と厳しい結果になったPixel 8 Pro。MV再生開始と共に一気にフレームが落ちる結果となった。

後継となるGoogle Pixel 9に採用されているTensor G4では、前作のTensor G3比較で快適になった部分こそあるが、依然として最高画質は40〜50fpsで安定しない様子。ひとつ下の高画質ならまだ57fpsで安定してくれる。最新のGoogle Pixelを持ってしても、学マスは厳しいようだ。
また、MediaTekのプロセッサ(厳密にはARMのGPUで比較的新しい世代)を搭載したスマートフォンはゲーム側の最適化が行き届いておらず、十分な性能を発揮できていないことも分かった。一部機種ではMVやキャラクターがうまく描写されない、キャラクターの背景がちらつくといった現象も確認できるなど、安定してゲームを楽しみたいなら現時点ではiOS端末かSnapdragon搭載のAndroid端末になりそうだ。
独自プロセッサのファーウェイスマホは思ったよりも動く!独自OSのHermonyOS NEXTでも動作を確認(仮想環境)
意外にも学マスが快適な機種がHuawei Pura70 Ultra。実のところ、学マスはGMS※がないと起動しないが、ソートされていない環境なのか最低画質にならない。
画質のデフォルト設定は「標準画質」で高画質にするとフルHD相当の解像度で出力される。プロセッサはHiSilicon製のKirin 9010と判明している。
そんなあらゆる意味で謎のスマートフォンでは、高画質環境で平均50fps前後を記録。この数字は同条件のTensor G3やG4よりも良い数字で、国内未発売の謎スマホのほうが快適という謎の現象がみられる。
また、ファーウェイでは米国の制裁の関係から、Androidから独自OSのHermonyOS NEXT(HermonyOS 5.0)への切り替えを2024年より順次行っている。既に一部機種ではアップデートが提供されているものの、Androidではない独自OSなので、もちろんAndroid向けのアプリは動作しない。
いくら先進的な独自OSとはいっても、中国国内以外のアプリの対応状況は悲惨なもので、海外旅行なんかした日には、満足に渡航先のサービスを受けることができない。
その声にこたえるためか、HermonyOS 5.0内では仮想的にAndroidを動作させる仕組みがあるようで、それを用いたアプリがいくつか登場している。
そのなかのひとつ「卓易通」にて学マスの動作を確認した。動かしてみると、仮想環境ながら従来のネイティブ動作と何ら変わらない挙動で動作した。HermonyOS NEXTの端末を持っている方でもプロデュースを楽しめそうだ。
とりあえずPura70 UltraのHarmonyOS Next(卓易通)で学マスを動かした様子。高画質設定までしかできないが、同環境のAQUOS R9(Snapdragon 7+ Gen 3)とあまり遜色がない動作。
Huawei独自OS上の仮想環境で動かしているはずなのに、思った以上にまともに動いていて、驚き通り越して感心させられる。 pic.twitter.com/USTO9k0VzI
— はやぽん (@Hayaponlog) 2025年2月11日

HermonyOS NEXTでも学マスは遊べるので、ファーウェイのスマホでも安心してAndroidを辞められる
学マスは三つ折りスマホにも対応!折りたたみ時の動作も問題なさそう
機会があったので、HUAWEIの三つ折りスマホ「Mate XT ULTIMATE DESING」で学マスの動作を確認することができた。
三つ折りスマホではポケットに入る端末で大画面でプロデュースできる。筆者としては画面サイズが変わってもゲームが停止することも、解像度が乱れることもなく、シームレスに動くことに驚いた。今後、三つ折りのスマートフォンが市場に出てきたとしても、学園アイドルマスターは利用者が思ったような挙動で動作するものと考える。
すでにTECNOはプロトタイプを公開しており、大手のサムスンもそう遠くないうちに製品を投入するとしている。新しいスマホの形にもしっかり対応しそうだ。


普通のスマートフォン(Galaxy S25 Ultra)と比較してもこのサイズ。コレがポケットに入るのはロマンだ
やばい。Mate XTの学マスはライブよりもコミュの方が感動する。これスマホなんですよ。ポケットに入るんですよ。
エグいわほんと… https://t.co/kSLRrt1D4X pic.twitter.com/HyfWaFgLaA
— はやぽん (@Hayaponlog) 2025年4月29日
動画でもわかるように、動作は思った以上にシームレス。全画面モードで起動するため、ライブシーンよりもプロデュースシーンの方がより没入感を感じられる。
Mate XTのプロセッサはKirin 9010を搭載しているので、画質は高画質まで設定可能。Snapdragon 8 Gen 3などと比較すると性能は劣るため、このくらいが適切な設定と考える。
今回はHarmonyOS 4.2の環境(Android 12ベース)だったので、アプリの挙動的には一般的なAndroidスマホと同様だ。前述する独自OS内の仮想環境とは異なる。
3人ライブ「雨上がりのアイリス」実装。推奨はApple A18 ProやSnapdragon 8 Eliteクラス
5月1日に新曲「雨上がりのアイリス」が実装され、花海咲季、月村手毬、藤田ことねによる3名ライブが楽しめるようになった。また、7月には「Star-mine」も実装され、花海佑芽、秦谷美鈴、十王星南による3名ライブも実装された。
当初はモデル1体でもかなり高負荷と言われていた学マス。今回の3人描写では、並のスマホで動かなくなるのではないかと思われた。
一方で、実際のところカメラワークの工夫をはじめとした、かなり高度な最適化が行われているようで、通常プレイと大きく変わらない動作に驚いた。
基本的にSnapdragon 8 Gen 3(2024年のハイエンドAndroidスマホ)/Apple A17 Pro(iPhone 15 Pro)クラスのスペックがあれば、本MVは60fpsをキープすることが可能だ。
それでも、画面解像度などを考慮すると上記の環境はギリギリといったところ。可能であればApple A18 ProやM2/M4プロセッサー、最新のSnapdragon 8 Elite採用端末をおすすめしたい。


動作が絶望的なPixel 10シリーズ。Tensor G5は学マスと過去最悪の相性で全くおすすめできない
Google Pixel 10シリーズで採用されるプロセッサ。TSMCの3nm製造と前作から一気に進化したと思いきや、なんとGPUがImagination IMG DXT-48-1536というどこから突っ込んでいいのかわからないものを採用。メーカーのデータシートによるとFP32で1.5TFLOPSの性能を発揮するとのこと。
これを鵜吞みにするとSnapdragon 888程度の実行性能しかないわけだが、ふたを開けたらこれまたびっくり。最適化されていないので当然最高画質は選べないのだが、高画質設定で平均27~32fps、普通画質設定で平均45~53fpsと明らかな性能不足を露呈してしまった。ソートされたとしても最高画質では20fpsを下回るのではないかと思われる。
また、最初こそ快適でもサーマルスロットリングが厳しいのか、MV再生中でも少しずつフレームレートが落ちていく様子を確認できた。Pixel 9シリーズ並の発熱も目立った。
ちなみに前作のTensor G4、前々作のTensor G3は最高画質こそ厳しいものの、高画質設定は平均50fps以上で動作していた。手持ちの環境では2020年発売のHuawei Mate 40 Pro+(Kirin 9000)以下であり、ミッドレンジではNothing Phone (2a)(Dimensity 7300 )と同等くらい。
ちなみに前作のTensor G4、前々作のTensor G3は最高画質こそ厳しいものの、高画質設定は平均50fps以上で動作していた。
この結果は手持ちの環境では2020年発売のHuawei Mate 40 Pro+(Kirin 9000)以下であり、ミッドレンジでは昨年発売のNothing Phone (2a)(Dimensity 7200 Pro)をも下回る。動作感なら2019年発売のLG V50 ThinQ(Snapdragon 855)といい勝負といったところだ。
筆者としてはHarmonyOS 上のコンテナ環境で動作する学マスのほうが快適なのが何とも言えないところ。TSMCの3nmが使えるにも関わらず、制裁を食らいSMICの7nmで作ったプロセッサとAndroidでもないOSで動かした学マスよりも大きく動作感で劣り、不良描写の数も多い。実際、運営から名指しで「描画不良がある」という始末。これでいいのかGoogleよ…

Pixel 10シリーズに採用されたTensor G5で学マスが致命的な理由は、基本的な性能が低いことに加え、ImaginationのGPUがスマートフォン市場から長らく遠ざかっていたことも大きい。ハイエンド向けはそれこそApple A10XやMediaTek Helio G30以来(2017年)であり、アプリベンダー側も全く最適化が追い付いていないのだ。
最適化が待ち遠しい!学マス対応待ちのプロセッサはこちら
ここでは動作するスペックながら最適化されていないプロセッサをまとめていく
Qualcomm Snapdragon 8s Gen 4
実行性能はSnapdragon 8 Gen 3相当。ソートされていないため、最高画質は不可。高画質は60fpsキープ可能。日本での採用端末はPOCO F7、Nothing Phone(3)
Samsung Exynos 2500
実行性能はSnapdragon 8 Gen 3より少し上。ソートされていないため、最高画質は不可。高画質は60fpsキープ可能。日本での採用端末はGalaxy Z Flip7
Samsung Exynos 2400e
実行性能はSnapdragon 8 Gen 2より少し下。ソートされていないため、最高画質は不可。高画質は60fpsキープ可能。日本での採用端末はGalaxy S24FE
学園アイドルマスター。推奨はApple A17 ProまたはSnapdragon 8 Gen 3以降の最新スマホ
学園アイドルマスターついて、筆者としてはまるで「令和のデレステ」を連想させるようなコンテンツ。
これは2015年にリリースされた「アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ」を思い起こさせる。当時の最新環境でもまともに動かすことができず、「一体どんな端末向けにこれを作ったんだ」と指摘されるようなものだった。
あれから時代は9年も経ち、よほどのことがなければ最新スマホで動かないコンテンツはなくなってきている。モバイル版原神の最高画質も現バージョンはSnapdragon 8 Gen 2端末であれば概ね満足に動くのだ。
ここに来て学マスの最高画質設定は、現時点で日本でも発売されている最新スマホでも60fpsをキープすることが極めて難しいものだった。そのため、推奨環境はこのとおりになる。
・Apple M4
・Apple M2
・Apple A19 Pro
・Apple A19
・Apple A18 Pro
・Apple A18
・Apple A17 Pro
・Snapdragon 8 Elite
・Snapdragon 8 Gen 3
・Dimensity 9400
・Xiaomi XRING O1
これはホーム画面やプロデュース中のアイドルも全てリアルタイムで物理演算等が行われている関係で、このゲームは常に高負荷で動いている。性能が高い機種でないと、まともに動かすのは厳しい。もちろん、高負荷で動かすため端末の発熱も非常に大きくなる。古い機種では冷却機能が弱いものも多いため、最初は快適でもだんだん厳しくなると考える。



仮にも空冷ファンが利用できる機種であればより長時間のプレイが可能。Xperia Streamを装着したXperiaであれば、かなり安定して利用できた。学マスを快適に遊びたい場合は発熱対策も大切になってくる。
むしろ、冷却環境さえしっかり確保できれば一世代前のSnapdragon 8 Gen 2などの環境でも56〜59fpsをキープできる。

筆者としては最高画質でのMV視聴であれば、推奨ラインとしては最低でもSnapdragon 8 Gen 2クラスは欲しいところ。妥協してもSnapdragon 8+ Gen 1クラスの機種でないと快適な視聴は難しくなる。
筆者もミリシタの端末課金として、過去に200台ほどの蓄積があるが、学マスに関しては「最適化」の3文字は全く通用しないことがわかった。完全に「力こそパワー」のゴリ押しだ。
アイマスのゲームでお馴染みの「課金は惜しまない。端末は裏切らない」という部分は変わらないものとなる。
むしろ学マスを基準に端末を選べば、シャニソン、デレステ、ミリシタの端末課金も自動的に終了すると考えればお買い得だろう。
ただ、端末課金ついては、少々厳しいものを要求されることになる。最新端末は円安の影響もあって価格も高騰しており、安価に入手することが難しくなっている。
廉価なところを突くならREDMAGIC 9 ProやiPhone 16といった選択になる。コストを厭わないならXperia 1 VIといったSnapdragon 8 Gen 3端末がひとつおすすめになる。
正式に対応した今、思い切ってSnapdragon 8 EliteやDimensity 9400端末に行くのもアリだ。

令和のデレステの再来とも言える高負荷なコンテンツの学園アイドルマスター。今後の展望にも期待したいものだ。