どうも、今回はバルミューダフォンについて思うことというところで

本日、以前にソフトバンクから予告されていたバルミューダという家電ブランドとコラボしたスマートフォンが正式に発表されました、BALMUDA Phoneという表記が正しいですが、ここでは「バルミューダフォン」とします。
スペックや値段については、いろいろなメディアで筆が出ていますので、今回はこのスマートフォンについて思うところとか書いてみました。
バルミューダフォンってなに?
バルミューダというブランドは非常にデザインというところに重きを置いており、同ブランドのコーヒーメーカーやオーブンレンジなどの家電を見ていても非常にデザイン性に富んだものになっています。
そんなデザインに重きを置いた家電メーカーがプロデュースしたスマートフォンと言うべきでしょうかね。
一方日本においてスマートフォンにデザイン性の良さというところで考えられるブランドといえば、真っ先にアップルのiPhoneを思い浮かべる人が多いと思います。そんな中でiPhoneを超える魅力というのが果たして、このバルミューダのスマートフォンにあるのかどうかというところ。
ある意味、このスマホの商機を分けるところなのかなと思います。
バルミューダフォンはデザインも非常に洗練されており、発表会では直線がなく、曲線しかない。唯一のスマートフォンという形でアピールされていました
端末のサイズなどから見ると、上部と下部にベゼルを持ついわゆる従来のスマートフォンのスタイルを踏襲している。
画面サイズは 4.9インチで、重量は138gと非常に軽量でコンパクトなボディになっています。パンチホールのフロントカメラが少し気になりますね。画面サイズもあってデカく感じます。
プロセッサーはQualcomm Snapdragon 765 5G、メモリは6GB ストレージは128GBとなる。リアカメラは 4800万画素という近年で主流のものを採用しておりますし、防水は等級がやや低めながらもIP44を採用。その上でおサイフケータイ(FeliCa)にもしっかり対応し、無接点充電にも対応しています。
ベンダーは京セラとなっており、販路としてはオープンマーケット(いわゆるSIMフリー)とソフトバンクになっています。さて、ここまで書いていて気づいたことがあります。
それはこのスマートフォンそのものがある意味iPhone SE や iPhone 12 mini や13 miniといったスマートフォンと完全に勝ち合うところなんです。プロダクトがある意味そのまま小型モデルの iPhoneですからね。
ちなみにバルミューダの社長さんが公式サイトに「故 Apple CEO スティーブ・ジョブス氏へ敬意を表す」とのコメントがあり、革新的だったスマートフォンというものを「人々が直感的に使えるデザインで世に放った」ことを指してるように感じます。それもあってか、どこかiPhone 3G世代を彷彿させるデザインに仕上がっています。
SIMフリーで一括10万円台のバルミューダフォンはどう評価されるのか
ここで惜しい点といえば値段です。バルミューダが高級なブランド。そこから出てきたスマートフォンというポジションではあるので、ある程度にはなると踏んでました。蓋を開けてみれば、正直1年前のミドル帯スマホでよくあるスペックでありながら
オープンマーケット版で一括価格10万4800円
ソフトバンク版はスマホアップグレードプログラム適応前提の14万円台
という正直決して安い…いえ、スペック考えたらちと高くないかな?というものになっています。
特に128GBのiPhone SE が一括3万円台で買えるようなキャンペーンも普通に行われており、近年ではiPhone 12 miniも128GBモデルはMNP適応で3万円台で買うことができる市場でこの値段設定はあまりに部が悪いと思います。
その上でバルミューダフォンのスペックや防水等級はiPhone SEや12 miniにも劣り、デザイン以外でどこが優位なのかよく分からないところだ。
そのため、バルミューダのスマホ購入者層以外の我々からしてみるとかなり、前次代的なスペックで値段もスペックの割に馬鹿高いスマートフォンだなという印象を拭うことができません。そういう人にはこのスマホはお呼びではないのだろう。
バルミューダのスマホを求める層は、ほぼiPhoneを持ってるユーザーではないだろうか?という声もある。こうなれば、わざわざiPhoneよりも性能が落ちる上で価格も高いこのスマホを選ぶ層はかなりのニッチな層というところになります。
特徴的な端末デザインとブランドイメージが反映されたアプリケーションに惹かれることがなければ、このバルミューダフォンを買う意味そのものが正直薄いのではないかと感じます。そして何より、近年のスマホは「長く、快適に使えること」が重要視されるようになりました。OSのアップデートや端末の最適化もしっかり行う上で端末寿命そのものが伸びたように感じます。
特に、10万円クラスのハイエンド機はその傾向が顕著に出ており、近年では3年間のアップデート保証を付けるスマホも珍しくはない。そうなると昨年の時点で「2~3年前のハイエンドほどの性能」であるSnapdragon 765 5Gを今搭載して、購入してから2~3年は快適に使い続けるというのは少し厳しいようにも感じます。
買ってから3年目にはもう5~6年落ちのハイエンドスマホ程度のスペックとなってしまいます。はなから3~4万円クラスのスマホなら「1~2年使ったら新しいのに変えればいいや」となるかもしれないが、今のご時世では通用しない価値観になりつつあるとも言えるでしょう。
他のスマホに比べて特徴的なところがあるようで少ないバルミューダフォン
正直、このくらいのスペックのスマートフォンで 10万円を超えてくるものというのは全て個性豊かなスマートフォンだと私は感じています。例えば同じクラスのプロセッサを積んでおり、市場価格が約15万円ぐらいで販売されているMotorola razr 5Gというスマートフォンは、折りたたむことができるところや往年のrazrを踏襲したデザインでもう特徴的なスマートフォンだと思います。
それ以外なら韓国などで販売されたLG WINGというスマートフォンもそうだろう。こちらも同じクラスのプロセッサーを積みながらもサイクロイド形状に変形するものになっており、2画面スマホである点や見た目にしても唯一無ニなスマートフォンであります。
これらのスマホはユーザーエクスペリエンスというところでも唯一無二という形のスマートフォンになっています。刺さる人にはこれ以上にないくらいぶっ刺さるのです。一方バルミューダのスマートフォンはどうか?指摘されると、他社のスマホとはデザイン以外でそこまで大きく変わらないと言えるのでしょうか。
デザインこそ個性的ではありますが、このバルミューダのスマホにしかできないこと。このスマホでないとできない体験というのが正直言って少ないように思います。上記のスマートフォンのように「このスマホにしかできないユーザーエクスペリエンスがある」となればこれだけでも買う理由になるのです。
正直、このスマホの場合はハード、ソフト共にデザイン以外に差別化はないと思います。そのため、誰がターゲットなのか?というところがニッチというかかなり迷子のスマホです。もちろん、実用性よりもデザインを優先する方はいらっしゃいます。
そのデザインに刺さった人々にこのスマホのプロダクトが届くのであれば、このスマートフォンはある意味で成功という形で後年評価されるのかなと感じました。
最後に。製品として世に送り出せたことは高く評価したい
「バルミューダフォン」のプロダクトとしては非常に攻めたスマートフォンだと思います。
多くのスマートフォンが構想から出てきて、結局商品化されずにお蔵入りになってしまったものというのは多くあります。その中でも世に送り出せたというだけでも評価したい。
過去にNuAns Neo Reloadedというデザインに重きを置いたスマホがありました。こちらは背面カバーを自由に組み合わせることができるスマートフォンというもので、デザイン性とカスタマイズ性に重きを置いた非常に攻めた機種でありました。

ただ、こちらのスマホに関しては最初にWindows Phoneというプラットフォームでリリースしてしまったのでギーク向けのイメージになってしまいました。後にReloadedとなったAndroid版においては、おサイフケータイにも対応したものの思った数が売れず、今では一部のマニアが懐かしむスマートフォンになってしまってます。
このバルミューダフォンの場合はサイズや機能的にはどちらかというとRakuten Handやmini Jelly 2の上位互換であるかと思います。ただ、コンパクトで決済端末という側面で良いモノを求めるならiPhone 12 miniやSEに行ってしまうのではないかなと感じます。
また、Android スマートフォンにおいても同じクラスのスペックであればGoogleのPixel 5やOPPO Reno 5AにXiaomi 11TにシャープのAQUOS Zero 6などもあるため、正直他のAndroidスマホとまともに戦っても部が悪いと言えるでしょう。
まだ発売前ですので、あまり多くのことを言うことはできませんが、正直ツッコミどころが多すぎてどこから触れていいのかわからないのだけです
質疑応答によると、当初は4Gモデルとしてリリースする予定だったものが、キャリアの意向なのかは不明だが急遽5Gモデルに切り替わったという背景が触れられています。このご時世で10万円を超えてくるようなスマートフォンで5Gに非対応というのは、アメリカの経済制裁を食らって5G関連機器を搭載できないHuawei以外で聞いたことがありません。
そのくらいデザインプロダクトというものにこだわっているというところでは非常に評価したいスマートフォンではあるのですが、これがユーザーにとって最適なものなのか?というところでは非常に微妙なところであるのだと思います。
以前に誰かが言っていたかと思いますが、Androidは自由だと。
その自由度の高さからによって生まれたバルミューダフォンというプロダクト。
このプロダクトそのものは非常に認めてあげたいところではあるのですが、正直競争の激しいスマートフォン市場において、このようなスマホが生き残るのは非常に難しいのかと思います。なので、このスマホのプロダクトにピーンと来た方。もしいらっしゃるのであれば、是非購入してブランドとメーカーと販売元のキャリアを応援してあげることが大事だと私は思います。
ここで応援も見向きもされず、ニ度とスマートフォンが出なくなったメーカーやブランドというのを私は数多く見てきました。後悔したくないのなら買ってあげてください。そんなバルミューダフォンの予約は明日から、発売は 11月26 日の予定となっています。
それでは今回はこの辺で