カメラだけではない。ハイエンドスマホとして全方位に進化したvivo X70 Pro+

前作のX60 Pro+の惜しいところとして挙げていたのが「カメラ以外はハイエンドスマホとは呼べない」という点だ。カメラ性能は高いが、エンタメ機能などは微妙なところで防水にも非対応だった。今回はそこに改善が入り、X70 Pro+ではハイエンドスマホと呼んでも差し支えない仕上がりとなっている。

画面は前モデルから少し大きくなった6.78インチに。画面解像度はWQHD+と向上しハイエンドスマホらしいものに。
今回はサムスンのE5 AMOLEDと呼ばれるものを採用している。10億色の色表現、120Hzの高フレームレート対応と言ったところもしっかり押さえている。LTPO技術も盛り込まれAQUOS R6のような1~120Hzまでフレキシブルにリフレッシュレートを変化させることが可能だ。画面はエッジスクリーンなので持ちやすいとはいえ、大きさ的にはGalaxy S21 Ultraクラスとなるので評価は割れる。
ちなみにX70 Pro+は地味にでかくなってしまったからなぁ
皆さんの馴染み深いスマホだとこいつが同じくらい。 pic.twitter.com/l5BCf4bho6
— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年9月26日
X60 Pro+に引き続き、本体背面はレザーとなっている。※ブラックはガラス筐体となる。そのためこのカラーだけ重量も異なる。

X60 Pro+比較でも本体は一回り大きくなっている。
核となるプロセッサーはQualcomm Snapdragon 888+を搭載。通常のSnapdragon 888に比べてCPU/GPU性能が微増、AI処理性能が向上している。メモリも8GBまたは12GBと必要十分ながら、X70 Pro+ではストレージの最低容量が256GBとなっている。写真を撮るのが主体のスマートフォンなだけにありがたいものだ。
高性能なゆえに発熱が気になるところだが、実際のところ発熱は多い。X70 Pro+では冷却機構が改善され、液冷ヒートパイプ式になったことから「フレームが極度に熱くなる」ということは少なくなっている。結果として本体全体で熱を逃がすので、熱く感じると思われる。
VIVO X70 Pro+(Snapdragon 888+)
ミリシタ 3D高画質 タイミング:-3ダイヤモンド・クラリティ 難易度MM
X60 Pro+比較でも快適になってる。iQOO要素でも入ったのかな? pic.twitter.com/Fs5JkUt6kU
— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年9月26日

フレームは金属製だ
X70 Pro+では本体スピーカーもステレオスピーカーになっている。ファーウェイもP50 Proでやっと載せてくれたので、後追いながらこちらにも載ったのはうれしい限りだ。そしてIP68の防水に対応。X60 Pro+惜しいところだったので、より撮影の幅がグッと広がる。
普段使いのしにくさからお勧めできないが、カメラ性能はすばらしいX70 Pro+
これに関しては前回レビューしたX60 Pro+と全く同じものが当てはまる。理由としては以下の2つになる。
日本語に難ありのため(ロケールはあるが、中華フォント)
VoLTE非対応のため(OSアップデートにて対応)
日本語のフォントがいわゆる中華フォントなので、表示面で違和感を感じることは少なからずあるだろう。また、一部項目が中国語表記になったりしているところもある。
特に後者のVoLTEがリージョンロックされてるのが致命的で、これは4G通話ができるか否かというところに関わってくる。VoLTEに完全移行したauやUQ mobileではまともに使えない。
また、ドコモ系も5G契約となると3G回線をつかまなくなるため、基本的に現行契約ではVoLTEオンリーとなります。5G契約ではau同様にまともには使えない。OCNなどのMVNOを使う手もあるが、3G回線は使えなくなるアナウンスがされてることから長くは利用できないと考える。
ちなみにソフトバンク系は問題なく使用できるが、通話は3Gオンリーとなる。楽天モバイルはデータ通信はできるが、通話はできないようだ。※追記:Origin OS 3.0にアップデートすると、VoLTEが利用できるようだ。
それとは別にX70 Pro+で感じたことは以下の点となる。
・電池持ちが悪い
・発熱がある
・一部アプリと相性が悪い
上二つに関しては正直X60 Pro+比較でも悪い。モノはいいだけに惜しいのだが、これについてはV1チップを積んでるからではないか?という指摘もある。確かにカメラ使用時が一番バッテリーの消費が激しかった。
発熱は体感的なものもあるが、X60 Pro+比較でも熱くなることが多い。今のところ熱落ちの挙動はしてないが、場面によってはX60 Pro+よりも不安定だった。
写真以外にX70 Pro+に感じたこと
電池持ちが悪い(X60 Pro+比較でも悪い)
本体が熱くなる(X60 Pro+比較)— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年9月26日
アプリに関してはOrigin OSとの相性が悪いのかTwitter公式クライアントをはじめとした一部アプリがよくフリーズしたりする。筆者のX70 Pro Plusも最初は良かったものの、購入してから既に2回のOrigin OSアップデートがきており、その2回目に来たやつを適用したらTwitterが落ちるようになってしまった。
Origin OSも比較的アップデートが多いもので不具合修正は早いのだが、この手のものの不具合はなかなか修正されない。他にも「アプリによっては通知がうまく来ない」「GPSのつかみが良くない」と言ったことも報告されているようだ。
VIVO X70 Pro+ちゃん
Twitterもあやしいが、はてな系サービスにアプリからログインしようとすると超絶不安定
(X60 Pro+は大丈夫なのになぁ)— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年9月28日
それでも、前述の通りのカメラ性能のもつ魅力がこの使いにくさを超えるのであれば…買っても後悔することはないでしょう。
vivo X70 Pro+はカメラで選ぶならマストバイ、スマホで選ぶなら別を選べ
vivo X70 Pro+スマホにおけるカメラ性能なら現時点ではひとつ飛びぬけたものを持っている。特に夜景モードの多様さ、ZEISSナチュラルカラーの採用で彩度高めの中華スマホチューニングとも異なる絵が出せる。
V1チップを用いた高度なコンピューテショナル・フォトグラフィーを駆使した目が覚めるような美しい撮影体験、動画の手振れ補正の優秀さ、オートでもマニュアルでも遊び要素のあるとても良いスマホだ。

マニュアルモードもX60 Pro+より充実している。普通の人が求める範囲内ではこれ以上のものを見つけ出すのは難しい。X70 Pro+の望遠性能はやや弱いので、屋内メインならP50 Pro、屋外メインではGalaxy S21 Ultraを組み合わせるとよい。
VIVO X70 Pro+
こいつは写真撮るの楽しくなるスマホだな
とりあえずの所感です
— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年9月26日
vivo X70 Pro+は写真を撮るのが楽しくなるスマホ。スペックもハイエンド、画面もE5 AMOLED採用で隙が無く、ステレオスピーカーに防水機能もしっかり備える。従来と異なり妥協のないハイエンドスマホだ。
それでいてお値段は5499元(約9.3万円)~というハイエンドながらリーズナブルなのも魅力的だ。日本への直輸入でしたらざっくり10.5万円ほどとなる。ファーウェイのP50 Proは6499元でしたから…
ただ、スマホ…電話機として使うにはあまりにハードルが高い。Googleサービスの使えず5G非対応のP50 Proのほうがまだ「スマホ」としては使えるのだが、X70 Pro+はVoLTE非対応が普段使いにおいて壁である。
また、X60 Pro+の上位互換かと言われると「完全な」ではないように感じた。サイズ感はX70 Pro+がGalaxy S21 Ultraなどの大画面機に対してX60 Pro+は一回り小さいものとなる。そのため、X60 Pro+のサイズ感は、ファーウェイのP30 ProやP50 Proに近いものとなっており、後者の方が手になじむというユーザーも多い。
X60 Pro+は防水でないことがいい意味でも作用し、長時間の動画撮影ではX70 Pro+よりも優位と思うところはある。また、Origin OS周りの最適化や不具合修正も少しずつ行われてはいるものの、トータルではまだX60 Pro+よりも不安定な要素もある。
いいぞ。この組み合わせは pic.twitter.com/s8hOh36bUO
— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年9月26日
そんなX70 Pro+はカメラとして割り切り、現時点ではコンパクトなスマホとの2台持ちがベスト。iPhone 13 miniなどのコンパクトなスマホと組み合わせるとよいでしょう。それでは、ファーストインプレッションでした。