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【聴いておきたい音】Shure SE535 実機レビュー 10年間愛されたサウンドの正体に迫る。

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どうも。改めて今回はこのイヤホンについて書いてみます。

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Shure SE535です。

目次

Shure SE535ってどんなイヤホン?

 アメリカのShure社が販売するイヤモニになります。SE846が出るまでは同社のフラッグシップモデルでした。

 SE530の後継機として2010年の登場以来、プロ用途からコンシューマー用途まで幅広く愛されるイヤホンとなってます。この機種も今年で発売から10年経つのですね…構成は2Way 3BAと当時としてはフラッグシップポジションでした。バリエーションモデルとして高域にチューニングを加えたリスニングモデルのSE535 LTD-Aがあります。 f:id:hayaponlog:20200512230225j:image

 こちらはアジア限定発売と赤いボディが特徴的なこともあって日本でも人気となりました。SE535が無骨なモニターサウンドなら、それにスパイスを加えてノリを良くしたようなサウンドとなっています。

 そして今年リリースのAONIC 5がSE535の正統後継機と言えるでしょう。AONIC 5はSE535と、上位モデルのSE846のいいところを組み合わせた存在ですかね。SE535そのままにノズルインサートの交換が可能となりました。ちなみに、リファレンスノズルではほぼSE535と変わらない印象を受けました。

最初期のMMCX規格イヤホン。同規格の普及に大きく貢献

 この頃のイヤホンは基本的にリケーブルできない仕様のものが多く、出来たとしても2Pinプラグのものがほとんどでした。リケーブルできた例としてはUE Triple fi10やWestone UM3XにEtymotic Research ER-4Sなどに限られていた。

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 今ではMMCX規格はイヤホンケーブル規格の代名詞ともなりました。この規格の特徴としては、接続部が回転する機構のためケーブルの取り回しがしやすい利点があります。装着感が大事なイヤモニではケーブルの取り回しはとても重要になります。

 一方で、MMCXの難点としては、以下のようなものが挙げられる。決して良いことばかりではありません。

・2Pin端子に比べて耐久面で劣ること。

・センターのピンが細く、物理的に折れやすいこと。

・接点が可動部となるため、ノイズが起こりやすいこと。

 もちろん、この端子は基本的に常時抜き挿しするものではないのでそこは考慮されていません。筆者的にもこのSE535(特にエントリーのSE215)がヒットしたことから、対応リケーブルも各社出てきたなと言うところではあります。

憧れのイヤホン「Shure SE535」を聴いてみた

今回の試聴曲はこちら

TVアニメ ギルティクラウンより Departures〜あなたにおくるアイのうた〜/EGOIST

アイドルマスター SideMより Cupits♡/F-LAGS

TVアニメ BanGDream!より 走り始めたばかりのキミに/Poppin’Party

スロウリグレット/田所あずさ

 SE535を聴いてみると改めて良くできた1本だなと感じます。解像感の高さや低域の質の良さは今でも第一線ですし、定位の良さもしっかりしています。

 高域のキラキラしたような感覚は、現在のハイレゾ音源に最適化された機種ほどではありませんが、非常にに滑らかな音が特徴でしょう。 モニター用途を加味してか、キンキンするほど聴き疲れしない点も良好でしょう。

 この高音域に関してはバリエーションモデルのSE535 LTDの方が得意としており、楽曲や好みに合わせて選ぶと良い。

 中域に関してはボーカル域が非常に耳元の近いところで鳴るのが特徴で、ステージモニター(ボーカルモニター)には使いやすいモデルとなっています。個人的にクセや得意不得意を感じないのもメリットと感じるでしょう。

 低域に関しては非常にソリッドで歯切れの良い印象です。低域に2BAを割り当てているので、量感に不足も感じません。

 サウンドステージが広い機種ではないですが、極端にストイックな程でもないのでリスニング用途にも使えるかなと思います。ただ音が全般的に硬いものになるので、生音の音源やウッドベースなどを多用した曲はあまり得意ではないようにも感じます。

音色が美しいというベクトルのイヤホンでは無いです。

SE535は音を聴かせてくれるイヤホン

 音楽ではなく、音を聴かせてくれるイヤホン。このイヤホンを一言でいえばそんな機種です。Shureのイヤホンって代々「音楽を聴かせる」イヤホンではない。筆者としてはShureのイヤホンに関しては「音を聴く」イヤホンだと感じています。特にこのSEシリーズはそれが顕著に現れているなと。

 遮音性に特化したイヤモニスタイルの筐体。ステージ用途での使用も考慮された1.6mの太めのケーブルなどプロユースらしいところを感じます。最近ではスマホ向けコントローラ付ケーブルを付属してるモデルもあるため、一概にプロユースではなくなった。

 サウンドに関しても固めな音が特徴的で、曲によっては「冷たい」「暖かみがない」と感じることもあるだろう。それがShureと言えばそうなるのかもしれない。方向性がブレないのも、かれこれ20年を超える老舗においてはブランディングイメージを高める結果ともなっているでしょう。

SE535が10年間もの間愛された理由は何なのか

 この機種が「イヤモニ」として10年間モデルチェンジなしで市場に受けいれられたのは、やはりプロ用途でもしっかり使えるサウンドクオリティがあったことでしょう。プロ用途で使えるが故に、音を含めたモデルチェンジが難しいことも考えられたと思います。

 それでも陳腐化しなかったのは基本設計の良さと、Shureのブランディングなのかなと思います。その上で、MMCX規格でのリケーブルが可能で、オーディオ的な楽しみも付与したトータルでの完成度の高さから今に至るまで多くのユーザーに愛されているのでしょう。

 そして、MMCX規格の普及という面にとても大きく貢献した機種とも言えます。この機種がなければWestoneやUltimate EarsからもMMCX採用モデルは出なかったことでしょう。そのくらいの影響力を与えたモデルです。

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 筆者もリケーブルして愛用してます。近年は中華メーカーから安価なケーブルも出てきたので、ケーブルについても比較的手も出しやすくなりましたね。

 加えて現在では、バランス接続などでさらに味付けも可能なことから、リケーブルの幅は広がるいっぽうです。惜しいところといえば、Shureのイヤホンは低域の音圧を稼ぐためにステムがとても細いものになってる点でしょうかね。

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 結構細くてそこそこ長いので、今現在でも不注意などで折ってしまうユーザーが後を絶たない状態です。実際筆者の友人がSE535のステムを折った時は、頭を抱えて1週間くらいテンションガタ落ちでしたので…

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 それでもイヤモニに興味がある方は、ぜひお手元に持っていても良いモデルかと思います。10年間この座にいたある種のリファレンスですから。

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